【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

冒険者としての仕事?

昨日も結局全裸で寝る事になってしまった。これは、早めに彼女たちが気にいる下着をアルマールに作って貰わなくては僕の忍耐力がなくなってしまう。
今日は、タシアナとルナが横で寝ている。抱きまくら状態にはなっているが、それだけだ。けして、柔らかいおっぱいの感触を確かめているわけではない。と思いたい。
そろそろ起きだそうと思った時に、マヤから念話が来た『おはよう。リン』『うん。おはよう。マヤ。今日はどうするの?』『ちょっと書庫に篭ってから、出かけてくるよ。』『そう・・・。最近、忙しそうにしているけど、しっかりご飯食べている?』『ん。問題ないよ。それよりも!ねぇねぇリン。』『なに?』『タシアナとルナのおっぱい柔らかい?』『・・・なっ!』『ハハハ。それじゃ、リン行ってくるよ。あぁタシアナとルナはもう起きているから気にしないでいいよ。』『なっ』『マヤ。言わないでよ。せっかく....』『内緒だって言ったでしょ。』「タシアナ。ルナ。おはよう。ほら、服着て。どうせ、みんな起きているんでしょ。」「ちぇ!」タシアナは可愛いな。唇尖らせて、スネても可愛いって卑怯だよな。尖らせた唇に少し触れるだけのキス。「え!」「え!ダメだった?ごめん。」「ううん。いきなりでびっくりしただけ。」「僕からキスしてもいいんだよね?」「「ダメなわけない!!」」「私には....ないの?」可愛いルナを抱きしめた。
マヤを除く全員とキスしたり、抱きしめたりした。朝の挨拶のような物だと認識しておこう。みんな満足してくれたからよかった。朝の生理現象は今日は誰にも何も言われなかったから良かった。服を着て、食堂に向かった。
料理長が言うには、料理が出来る人間を増やしませんかと言う事だ。幸いな事に、この屋敷は守衛を雇う必要は皆無だから、その分、メイドや食事係を増やしてみてはどうかと言う事だ。シャイドとサビーネだけでも十分回せるが、それぞれ専門の人間を雇い入れる事を考えてみてはと言う事だ。
今後のマノーラ家の事を含めて話をするので、その時に決めようと言う事になった。
食事が終わったので、モルトとイリメリとフェムとで話をする事になった。話と言うよりも報告に近い。歳費の金貨10枚でマノーラ家を維持せよ。それに、館に住むものには定期的な休みと賃金を支払うように申し付けた。今日、イリメリとフェムとアデレードと一緒にギルドにて、ナッセとナナとギルドとマノーラ家の関係を明確にする会議に出て、イリメリ達をサポートするようにさせた。基本的な方針は、昨日考えた通りで、マノーラ家の金庫はモルトが対応する。
各々の作業やする事に移っていく。今日も夜に報告し合う事になった。
僕は、ミルとルナとタシアナと一緒にギルド本部に向かった。受付を集めてもらって、パーティ機能を説明した。まだ暫くはオープンにしなくていいけど、そんな機能があるんだと言う事を覚えてもらう事になった。そして、僕とミルとルナをパーティとして登録する時に、手順を覚えてもらった。最後にパーティ名を入力する事になる。『魔銀の矢シルバーアロー』とした。依頼は今まで通りで良いと言う事を説明した。
話を終えて、地下二階に向かった。地下二階では、昨日の後片付けをしている最中だ。魔物の里に移動して、エルフの長を呼んでもらった。
「リン様。」「長。朝から悪いな。そう言えば、名を聞いてなかったな。」「失礼しました。我は、ゴルト=シュミットともうします。エルフの里の長をやっておりました。昨晩、ドラウ殿と話をしまして、我達も、リン様にご協力するために、ドラウ殿の里に合流させて頂く事になりました。」「あぁ解った。ドラウとゴルトで話を進めてくれ。二人に聞きたいのだが、エルフやダークエルフの里は他にもあるのか?」「リン様。ダークエルフは単独で、里を作る事はありません。エルフの里は、いくつかございます。」「そうか、昨日の様な事があると、他の里も狙われたりしていないか気になってな。眷属たちを派遣するか、ゲートで繋げるかを考える必要があるんじゃないと思ってな。」「そうですな。我の里があぁなってしまったからには、他の里も可能性はあると思います。我が知っている里に使いを出します。リン様やマガラ神殿の事を伝えて、傘下に入りたいと申す里がありましたらご連絡致します。」「そうだな。ドラウ。里にはまだ余裕があるのか?」「はい。大丈夫です。エントのおかげで、果実や森のめぐみも豊富になって、イスラ大森林に居た時よりも快適です。それに、サラナさんとウーレンさんに作物の育て方を学んでおります。まだ先になりますが、安定的に栽培出来るようになれば、生活も楽になっていくと思われます。」「そうか、それならいい。ゴルト。」「はい。」「若い男女で、ヒト族と一緒に仕事をしても良いと思っている者を数名集めておいてくれ。」「解りました。」「昼過ぎにはもう一度寄れると思う。その時に、お願いと話がある。」「はっはい。」「あぁそれから、昨日。お前たちの里を急襲した者を捕えて尋問するが、お前たちも来るか?」「いえ。我達は、リン様に救われました。それだけで十分です。それに、そのヒト族を見たら殺してしまうかもしれません。それはリン様への背信になってしまうかもしれません。我等の事は気になさらずに、リン様が良いと思われる事をやって下さい。」「わかった。何か解ったらその時に話をさせてくれ、相談にも乗ってくれると嬉しい。後、僕の仲間が魔道具や武器・防具の相談をすると思うけど、その時にも相談に乗って欲しい。」「はい。解りました。」
あと、エルフの里に居た魔物達は全員僕の眷属になる事を承知したという。名付けを後ですると約束をして、”偉そうにしていた奴”の所に移動した。
尋問を始める前に、ギルド層の3階に3畳程度の広さの独房を幾つか作成した。独房には小さな窓を作って、そこから食べ物と水を渡せるようにした。日本の刑務所をイメージして作成した。独房には、少しだけ囲ってあるトイレと寝床だけが用意した形になるが、まぁ十分だろう?昨日一晩何もない25階で縛ったまま固定した”偉そうな奴”を独房の一つに転送した。
そこで、手足を自由にした。独房の外から声をかける。『ようこそ。はじめに、貴方の名前を教えてもらえるな?”囚われの人"よ。』「誰だ?俺のことを誰だと思っているんだ?」『ハハハ。面白い事を言うな。お前の事なんか、知らんよ。だから、こうして名前を聞いているんだよ。名前なんてどうでもいいか、ここから出られないのだからな。死ぬまでここで過ごしてもらっても、こちらとしては困らないからな。ただ、遺体の送り先だけでも教えておいてもらわないと、外に捨てるにも腐ってしまいそうだからな。もう一度聞く。お前の名前は何だ、”囚われの人”よ』「お前たち...何者だ。エルフなのか?」『頭が悪いな。我の事などどうでもいいだろう?そうか、そのまま餓死したいのか?それとも、小型の魔物に内臓から喰い荒らしてもらうか?スライムに溶かしてもらってもいいし、四肢を順番に切り落としてどこまで耐えられるか試してもいいな。選ばしてやるぞ。お勧めは、魔物の内臓攻めだな。どうする?』「・・・わっ解った。なんでも喋る。許してくれ。」『なんだ、早いな、まずは、名前と所属を教えてくれ。』「解った。」『解った?』「いえ、解りました。オルト=ライネン。アゾレム家守備隊の第3分隊隊長です。」『そうか、アゾレムの所の人間だったのか』「そうです。はい。アゾレム家につかえています。」『なぜ、アゾレム家は、エルフの里を襲ったりしたのだ?』「最初は、領主様からのご命令が早馬で届いて、ニノサとサビニと言う探索者が生きている証拠を森の中の残せと言うものだったんだ」『ほぉそのもの達の事をお前は知っているのか?』「いや、知らない。」『それではどうやって偽装するつもりだったんだ?』「あの森にエルフが住んでいる事は有名だったから、エルフを数名捕まえてきて、それで里の者を脅せばいいと言われたんだ。」『誰に言われたんだ?』「行政官の息子の、エスタール=ティロンだ。最近、ウォルシャタ様と常に一緒に居る奴だ。」『ほぉお前は命令されただけだと言う事なのか?』「はっはい。そうなのです。私はそんな事したくなかったのです。でも、命令されて仕方なく....」『そうかぁそうかぁそれは仕方ないな』「はっはい。そうです。私はこんな事したくなかったのです。」『したくなかったけど、ヴァズレ家と連動して、エルフの里を襲っただけじゃなくエルフを殺し、魔物も殺して回ったんだな。』「・・・・。私は....」『あぁ君を攻めているわけじゃない。君は命令されてだけなんだろう?』「そうなんです。それで仕方がなく命令はしていましたが、積極的には....」『それで、魔物とエルフを殺したんだな。女子供も居ただろう?どうした?』「それは.....私は.....」『どうした、君は命令されていただけなんだろう?』「はい。女のエルフは、殺さずに捕らえろ、子供は使い物にならないから殺せ。魔物は殲滅しろと命令されていました。」『それで』「はっはい。」『どうした?はっきり言わないか?』「....助けてください。お願いします。なんでもします。」『そうか、なんでもするのか?』「はい。アゾレムを裏切れというのなら裏切ります。」『ならば。ここで死ね。お前の命令で死んでいったエルフや魔物達の下に言って謝罪してこい。それで許してもらえたら蘇生してやる』「・・・・・。」『ほら、どうした、なんでもするんだろう?それも嘘なのか?』「許してください。死にたくない。死にたくない」『お前たちに殺されたエルフや魔物も死にたくなかっただろうな。だったら、ここでお前を助命するのは不公平だとは思わないか?』「・・・・。」『ほら、どうした?一人で死ねないのなら、手助けしてやろうか?』「・・・・私は、私は、命令されただけで、....あdふぁ4tゔぁsr」
「あぁ壊れちゃったかな?」「どうするの?」「しばらくは、生かしておくよ。背中から刺す位は出来るだろうからね。」「あぁ疑心暗鬼にさせるんだね。」「そうだね。次は誰が裏切るのかってね。」
眷属達に言って、死なない程度に餌を与えるように指示した。あと、本人から協力したいと申し出をされたら、僕に連絡してくるようにとだけ伝えた。
地下二階の魔物の里に戻った。ゴルドから報告があった。まず、助けられた18名はすべて軽傷で二・三日も休めば大丈夫と言う事だ、遺体を回収できた6名はドライアドによって丁重に葬られた。眠る場所は、地下二階の一番奥に作ったという。里に残っていた、エルフの40名の内子供と呼ばれる年齢のエルフが16名。女性が24名となる。魔物は幼体で、魔核が無いもの達だと言う事だ。ハーピーの幼体が11体ラミアの幼体が8体リリスの幼体が7体で、そのまま眷属になると言う。あと、ヒポグリフが全部で11体居る。まずは、エルフの子供16名は学校に通わせる事にした。本人たちへの意思確認をして問題なければ、ミーシャとウィンザーに引き合わせる事になる。つぎに、24名の女性だが、そのうち戦士の18名と夫婦なのが、8組居た。彼女たち全員が、僕達の役に立ちたいと言う事だ。
ミルとルナを見ると、肩をすくめてどうぞと言う感じだったので、長のゴルド=シュミットを家令スチュワード補佐が出来るかと問いかけに是非やらせて欲しいと言う事だったので、後でモルトに引き合わせる。婚姻している8組のエルフ達をマノーラ家の執事/料理/メイド見習いにする。これで、マノーラ家の人手不足も解消される。職制は、モルトとゴルドで適正を見ながら対応させる事になった。
残りの女性16名は、迷宮ダンジョンの宿屋や商店を担当してもらう事になった。戦士10名は、護衛役兼冒険者をしてもらう事になった。寮に住みたい者は、寮でもいいし、この里で暮らしたい者は、里で暮らしても良いとした。昨日、ワクが取り込んでいた、エルフの里の建物や雑貨物を適当な場所に広げた。各々が礼を言いながら下がっていく。
「リン様。」「ゴルドはどうする?」「儂は、いえ、私は、リン様のお屋敷で、家令スチュワード執事バトラーの事を学びたいと思います。」「リン様。」「なんだ、ドラウ?」「私も、是非リン様のお屋敷で働かせて下さい。」「お前がこの里を見ていなくていいのか?」「はい。ヒューマが進化を遂げましたし、私が居なくても大丈夫でしょう。それに、私が居ないほうが、魔物の里としては、良いと思います」「?何故だ?」「今や、この魔物の里は、リン様の眷属の里です。眷属になれぬ私が治めるよりは、眷属たちが治める方が良いと思います。それに、ゴルド殿が家令スチュワード執事バトラーになるのでしたら同格の物がもう一人居た方がよろしくないですか?」「そうだな。ドラウとゴルドがそれで良ければ、マノーラ家を盛り立ててくれ。お前たちもよろしくな。」
エルフの子供達に聞いたら、学校に行きたいと言う事だ。子供たちを連れて、学校に向かった。寮で、ミーシャとウィンザーを呼んでもらった。すぐに、二人は降りてきて、「リン兄。あっミル姉とルナ姉。こんにちは。」「二人共、しっかりやっているかい?」「はい。」「そうか、何か問題あるか?」「う~ん。ないかな?ウィンは?」「私もないかな?あっ」「ウィンどうした?」「うん。あのですね。最近入った女の子達が、リン兄のお嫁さんになるにはどうしたら良いのか?って聞いてくるの?なんて答えられいいの?」「・・・・ウィン。」「ウィン。その子達に言って。ミル姉とルナ姉とイリメリ姉とサリーカ姉とタシアナ姉とフェム姉とアデレード様とマヤ姉。全員を納得させられるだけの美人になって、全員に認められれば、お嫁さんの一人になれるよって教えてあげて。」「うへぇそうなんだ。そんなの無理だよ。でも、解った、ルナ姉ありがとう。」
そりゃぁ確かに無理だな。世界的な大女優でも裸足で逃げ出すだろうな。
「それで、今日は、何か御用なのですか?」「あぁそうだった、ミーシャ。ウィン。明日からになるけど、学校に通うことになった、エルフの子供たちだよ。ほら、君達。ここが学校の寮で、この二人が、この寮で偉い二人だよ。挨拶して」「ミーシャさん。ウィンさん。よろしくお願いします」「って事だから、ミーシャとウィン。後よろしくね。寮の割当と食堂の説明や学校の事を教えてあげてね。」「えぇぇええ。あぁっあ。はっはい。解りました。」
エルフの子供たちをミーシャとウィンにあずけて、一度魔物の里に戻った次は、宿屋で働く予定のエルフを連れて、ギルド本部に向かった。ナッセとナナは、まだイリメリとフェムとアデレードと話をしているようだった。
まず、戦士の10名を冒険者登録して貰った、それから、ギルド本部に居た護衛6名に集まってもらって、食堂に移動した。
『イリメリ。今少しだけいい?』『ちょっと待って、今どこに居るの?』『ギルド本部の食堂だよ』『・・・・ちょっと会議室に来て』『解った。』
「なぁに。イリメリ?」「リン。ちょっとこっちに座って....」「うん。何?話がこじれているの?それなら僕が出ても同じだよ。」「いえ違うのです、リン様。」「えぇそうね。ある意味こじれていると言っても良いかもしれないかもね。」「えぇぇ困るよ。」「リン様。ギルドとしては、独立採算制には賛成ですが、今までリン様が投資して頂いた額を考えますと何かしらの権利を持っていていただかないとですね。」「う~ん。イリメリとフェムはどう思う?」「マノーラ家としては、ありがたいんだけどね。」「それじゃこうしない。ギルド本部と命名権は僕がもらうよ。それで、月々決まったレインをマノーラ家にあずけてよ。僕は、そのレインを使って、ローザスからギルドの権利を買い取るからさ」「!!!!」「そうだよ。ギルドは、建前は、ローザスから僕が委託された案件だからね。それで、僕はこれ以上、赤字を垂れ流す位なら、ローザスに悪いからと、父親と母親が残してくれたレインと宝石でローザスからギルドを買い取る。世間一般には、そういう宣言をするが、知っている人からは、ローザスが新興の侯爵家に商売のネタを渡したと見るだろう?」「ちょっと無理が有るけど、表面的には、筋が通るわね。」「でしょ。それで、買い取った後で、僕が、ギルドのグランドマスターにでもなればよくない?その下で、ニグラのギルドマスターがナッセで、マガラ神殿のギルドマスターがナナって事にして、それぞれに予算を割り振る。グランドマスターの役目は、予算の再配分。実質的には、イリメリとフェムに任せる事になるけど....。」「それでどう?大きく組織づくりになってしまうから、もう少し後かなとは思っていたんだけど、気持ちよく働いてもらう事が出来るのなら、この方がいいと思うんだよね。」「わかりました。私は依存はありません。」「ナナは?」「しょうがないわね。マガラ神殿のギルドマスターをやってあげるわよ。」「二人共ありがとう。アデレード。もう一つ仕事頼んで悪いんだけど....」「良いわよ。兄様に連絡して譲渡の話をすれば良いんでしょ。」「うん。お願い。現実的な金額でお願いしますと伝えてね。」
「それで、イリメリ。フェム。アデレードとナッセとナナも聞いて。」
昨日のエルフの里の事を改めて説明した。その上で、子供を学校に預けて、夫婦者とゴルドとドラウにはマノーラ家の補佐に入ってもらった事。マガラ神殿の迷宮ダンジョンに宿屋や商店が作られている事。それらの店をエルフの女性に担当してもらって、建前上の護衛に、ギルドの護衛とエルフの戦士を当たらせたい事。エルフ達には、25階と32階の宿屋をお願いする事二階部分の宿屋はしばらくは営業をしないで、従業員の募集を出しておく事にした。しばらくは、迷宮ダンジョンに入るのは無料にするが、ギルドカードの銀行カード化が出来たら、入場預託金を貰って潜ってもらう、迷宮ダンジョンから帰ってきた時に、預託金は返却する。迷宮ダンジョンに入る前に大体の予定を出してもらって、それまでに帰らない時には、預託金を使い捜索隊を出す事にする。預託金に関しては、僕とミルとルナで潜ってみて、どの程度の素材を集められるかで決める事にした。
ギルドとマノーラ家の関係がはっきりした。財布もしっかり分ける事が出来たと思っていい。途中から、モルトにも加わって貰って話を詰めた。
マノーラ家は歳費だけでも廻ると言う事だが、それでは、ナッセやナナが承諾しないので、施設の利用料と機材の利用料の合計をマノーラ家に毎月支払いをする。奴隷たちの賃金は、ギルドから払う事になった。ギルド職員と言う形を取る。護衛とエルフの戦士達には、ギルドから依頼と言う形で支払いを行う。食事処/ラーロ銭湯/ラーロ宿屋/学校/マガラ神殿内の建物の収益は、マノーラ家に入る事になった。ギルドは、ギルドカードの発効/依頼管理/銀行業務/冒険者・職人・商人の管理/ゲートの管理と料金の摂取を行う事になる。最初反対していた、マガラ神殿の商人達もゲートの有用性に気がついたのか、素材の注文をギルドに出したり、ギルドが買い取った素材で商売をするよう事にしたようだ。その為に、地方へのゲート設置を懇願催促されている。
モルトも仕事が増えたと喜んでいた。そして、エルフ二人にセルケルと二人でみっちりと教え込みますと言っていた。頼もしい限りだ。テルメン屋敷も部屋数が丁度いいと言う事だ。夫婦者には同じ部屋を使わせているので、まだ余裕があると言う事だ。
この話しに併せて、ナッセが行うギルドを、ニグラ支部。ナナのギルドをマガラ支部。そして、僕が居るグランドマスターの所を、ギルド本部と呼ぶようにした。護衛とエルフの戦士は、チームわけの後で、地下二階の寮に移り住んでもらう事にした。今までのギルドホームを受付がある方を、ニグラ支店として、旧居住区をギルド本部にした。食事係にも地下二階に移動してもらって、今後は、名瀬と受付担当者だけが住む様になる。そして、ニグラ支店で受付の研修後に各地に移動してもらう事になる。ギルド本部は、僕の執務室と建前上のスポンサーであるローザスの部屋を用意した。ニグラ支部の三階の大部屋にナッセの住居をいどうさせて、ギルド本部を守っている球体は、僕の部屋に移動させた。開いた部屋は研修を受けに来る受付の部屋にした。食事は変わらず、ヘルダー夫妻にお願いする事になった。一階部分の結界は全部はずして、会議室やお風呂を使えるようにした。お風呂も面倒なので、男女を固定して、ギルド本部の方を女子風呂で、ニグラ支店の方を男子風呂にした。
大幅な変更だが、今のうちにやれてよかった。そう思う事にした。
さてと、これで一通りは会議は終わったかな?忘れはないよね?
「さぁて、ミル。ルナ。迷宮ダンジョンに出発だ!」「「おぉぉ!」」
「あっリン。待って!」「ん?何?」「お願いがある。」「ん。いいよ。何?」「今日何階まで行くの?」「夕方には帰りたいからな。様子見ながら10階位には到達したいな」「そう?それなら、倒した魔物は、なるべく持ち帰って、買い取りの量を少し増やしておきたい。リンから貰った奴は、高級素材過ぎて売れないからね。」「あぁ了解だよ。そうだ、折角だから、ニグラ支店とマガラ支店からの依頼と言う形にしてくれないかな?条件の所で、銀貨1枚で素材全部買い取りますとして、くれたらいいよ。」「かしこまりました。ニグラ支店として、銀貨一枚で素材を買い取りますので、迷宮ダンジョンの調査をお願いします。」「マガラ支店も同じく、銀貨一枚で素材を買い取りますので、迷宮ダンジョンの調査をお願いします。素材は、ニグラ支店と折半します。」「了解。それじゃそれぞれの受付で依頼を受け取る事にするよ。1時間位後でまた来るからそれまでに準備しておいてくれるといいな。僕とミルとルナは、地下三街で武器と防具を揃えてから戻ってくるよ。」「解りました。お待ちしております。」
地下三階の、アルマール達がやっているショップに向かった。カルーネとタシアナが何やら職人達と話をしている。アルマールが商人から布や糸のサンプルを見せてもらっている。フレットが魔法薬を作っている。
「あれ?リンとミルとルナじゃないどうしたの?」「あぁ迷宮ダンジョンに入るから、武器と防具を見に来たんだよ。」「使うのは誰?」「ん。僕達3人だよ?」「そう。それなら多少スペックがぶっ飛んでいてもいいわよね?」「ん?どういう意味?」
「ミル。貴女の得物は何?」「今、武技が使えるのが、短剣、長剣、弓、大剣、戦斧、長槍。かな?」「あんたもやっぱりぶっ飛んでいるね。普段は何使っていたの?」「護衛と動いていた時には、短剣と弓で中距離からの援護が多かった。魔法も使えるからね。」「あぁもういい。あんたとリンは後回し。」
「ルナは何にする?」
ルナのステータスを確認する。まぁエレメンタルファンドとかかなりの威力なんだよな。ジョブの精霊弓士も伊達じゃなくて、弓への補正が入るみたいだし、精霊の名にふさわしく、紫魔法を矢に乗せて放つ事で精神異常攻撃が出来るようになっているようなんだよね。後は、弦を奏でることで、白魔法の効果も期待できるとからしい。後は、実践で実証していけばいいだろうな。
名前:ルアリーナ・フォン・ミヤナック(4)真命:ルアリーナ・フォン・ミヤナックジョブ:精霊弓士体力:310魔力:690腕力:210敏捷性:270魅力:80魔法:(隠蔽)白(3)、(隠蔽)紫(3)スキル:(隠蔽)隠蔽、(隠蔽)詠唱破棄スキル:短弓武技、長弓武技ユニークスキル:(隠蔽)精霊検知エレメンタルファンド
「私は、弓しか使えない。あと、白と紫魔法が多少使えるから、後方支援タイプだよ」「うん。解った、それなら、リンとミルで前衛をやって、ルナが後衛でいいんじゃない。」「そうだな。ひとまずそのつもりで行こう。カルーネ。僕は、短刀を使ってみたいんだよね。ある?」「あるけど、業物は無いわよ?なまくらとは言わないけど、そんなに強くないよ。魔鋼で打ってみたってだけの単純な物だけいい?」「うん。低層では問題無いだろうからいいよ。それに、魔鋼なら使っていれば成長するかもしれないでしょ?」「タシアナに言って、防御系と攻撃系の魔道具を仕込んでもらえば、使えるだろう?」「えぇそうね。リン。自分でやったら?」「タシアナ。やって!」「はいはい。それで何を組み込めばいいの?」「短刀を二本に、一本は紫魔法と赤魔法の媒体を組み込んで、もう一本は紫魔法と黒魔法の媒体を組み込んで、素材は必要な物があったら言ってね」「わかった、10分20分必要だから、その間防具でも選んでいて....ミル。貴女はどうする?」「私は、やっぱり弓と短剣で行く。前衛は、化物みたいな男が居るし、いざとなったら、眷属がタンク役をやるでしょうから、私は遊撃で中長距離で戦う。」「了解。それがいいわね。弓に仕込む?」「うん。ルナが白と紫だから、私は5本の弓にそれぞれの属性と短剣にそれぞれの属性を込める。」「あぁそれなら最近作った試作品を使ってみてよ?」「試作品?」「そ、ほらこれ?」「弓の素材が変わっているな?短剣は、オリハルコン?」「そ、よく分かるね。あぁ鑑定のスキルか....そ、短剣はオリハルコンで全属性の付与が出来た奴。でも、素材が無くて短剣よりも少し長い程度にしかできなかった。弓の素材は、眷属のエントの枝を貰って作った奴でこっちも全属性の付与が出来る。」「そう、それじゃそれ頂戴。お金はリンのつけで!」「了解。」「おいおい。あんまり高くしないでくれよ。貧乏貴族なんだからな。」「はいはい。おぉルナ。防具も一通り揃えたんだね。」「うん。リン。こっちの代金もお願いね。」「はいよ。」「アルマール。防具。さんきゅうな。」「いいよ。」「ほら、リン。出来たわよ。」「一通り、これで全部。」「あぁ後、コレットから、回復薬と魔法薬を買って、下で食料を少し買い込んで、迷宮ダンジョンを散歩してくるよ」「そうか、ギルドカードの銀行機能が有効なら、ここでカード払い出来るんだけどな。タシアナ。全部でいくらになる?」「金貨5枚でいいよ。できたら、金貨4枚と銀貨でくれると嬉しいな。サラナやウーレンへの支払いは銀貨にしたいからね。」「了解。ほら、多分これであるだろう?」「ん。毎度。」「また後でな。」
武器や防具を装備して、迷宮ダンジョンの入り口にやってきた。まだ正式オープン前で誰も居ない。ゲートに入ると、店舗が並んでいるが、まだ店舗は開いていない。2階の店舗層は、募集する事にした。エルフの人材もそれほど人数が居るわけではないので、2階は人を募集してやってもらうことにした。ナナが後で募集告知を行うと言う。
2階を抜けて、3階に移動する。ここからは、魔核ありの魔物が発生している。どの程度居るのかを調べながら進むことになる。ここで、ルナのスキルが役立つ精霊検知エレメンタルフィンドだ、害意があるかどうかとある程度の集団の数が解る。そして、スキルを使った矢を放てば、影響範囲内に何者かが入ったのかを検知する事が出来る。
「角を曲がった所に、3体。多分、ノール」「リン。私が行く。」ミルが短剣に持ち替えて突っ込んでいく。地力の違いで、ノールごときでは相手にならない。さっさと倒して、時空の袋タイムシフトポーチに詰め込んでいく。
3階は苦労することなく進むことが出来る。魔物の数が多いように感じるのは、ルナのスキルで居る方向を選んで進んでいるからなのか?二・三日潜ってみてから結論を出すのがいいだろうな。
僕は刀を抜かないで進む。殆どが、ルナの遠距離からの弓攻撃とミルの短剣と弓で片付いてしまう。
何もすることがないので、ロルフを呼び出した。ロルフが出てきて「ご主人様。眷属の一人がご主人様の直下で働きたいと言っているんだけど、どうします?」「そうだな。トパーズ達にもそれぞれの役目を与えて僕の側から離れているからな。いいよ。連れてきて、良さそうなら、僕の護衛に加えよう。」「ありがとうございます。」「リン様。お目通りありがとうございます。我は、リン様から、カウラ=ヤノーシュと言う名を頂いております。」
名前:ケットシー(8)真命:カウラ=ヤノーシュジョブ:猫女王体力:1,970魔力:9,780腕力:870敏捷性:1,120魅力:80古代魔法:召喚魔法(1)、精神魔法(4)、精霊魔法(2)、操霊魔法(1)古代魔法:幻惑魔法(3)、自然魔法(5)スキル:肉体強化(7)、精神強化(5)、聴覚強化(5)、形態変更ユニークスキル:同族接続スキルコネクト
おいおい。また、チート眷属が来たな。ケットシーと来たか。ミルの目が痛いな。
「カウラ。まずは、猫形態に戻ってくれ」「はい。」
あっ確実に失敗した。長毛種の茶トラだ。ソックスを履いてエプロンをしている。あぁミルが抑えられなかったようだ。カウラを抱っこして撫でている。
「ねぇリン。この子。リンの従魔にしないのなら、私の従魔にしていい?」「ミル。まだ欲しいの?」「うん。まだ?それはおかしいよ。猫は正義なんだよ。最強なんだよ。それにケットシーで女王なんだよ。」「解った、わかったから落ち着いて、ほら、カウラも困っているよ。」「主よ。我は、ミル様が怖いです。」「うん。大丈夫。だよ。かわいい猫を見た時の発作のような物だからね。そのうち落ち着くよ。」「はい・・・。」「ほら、ミル。嫌われちゃうよ。落ち着いて。ね。」「うん。もう大丈夫だよ。それで、カウラはどうするの?」「そうだね。暫定的に、今日は一緒に来て貰って、ダンジョンを出てから考えるかな?」「そうだね。リン。そろそろ、4階への階段だよ。」
1時間ちょっとって所かな。魔物を無視していけば、もっと早く行けそうだな。半分として考えると、通常だと2時間って所で慎重に行くとしたら3時間程度で行けるって事かな
4階もさくっとクリアした。今の戦力では、3-7階では力を試す以前の話しになってしまう。ルナに言って、魔物を避けながら、階段を探すようにした。結果、15分位で踏破出来る事が解った。通常の冒険者達は、時空の袋タイムシフトポーチを持っていないから、魔物の解体とかの手間が発生するから、もう少し時間が掛かるのかな?帰ったら、皆に相談だな。
8階から少しだけ強い魔物も出るが、ここも簡単に倒せた事でスルーする。19階まで一気に駆け抜けた。ここまで、僕達でここまで7時間程度かかっている。途中の階層に安全地帯を作らないと難易度が高くなりすぎるな。宿屋とはな無くていいから、簡易宿泊施設みたいな形で5の倍数階は安全地帯にするか...その代わり、4階を除いた9/14/19/24階の階段前に部屋と作ってエリアボスでも配置しようかな。27/29/31にも階段を屋敷の中に隠して、ボス部屋以外は安全地帯にしておけばいいかな。10畳位の部屋を10個位用意して、ちょっと広めのエントランスを作って、その先にボス部屋を用意する。
さて、問題点も見えてきたし、今日はこの階を最後にして帰ろう。僕達は、転移魔法で戻れるけど、一般の冒険者用にも何か考えないとダメだな。
ミルとルナにそのことを告げると、OKと言う返事だった。ミルから、少し従魔を使った連携をしたいけどいい?と言う事だったので、許可した。ミルとルナのそれぞれの従魔が獣形態で出てきた。ミルは猫4匹でルナが犬というか狼一匹。魔物の数が多い所に誘導した、相手は、ノール5匹とコボルトとゴブリンの混成部隊。
ルナの従魔がクホンリが結界を展開しながら突っ込んでいく。そこを、ルナが遠距離から狙撃。乱れた所を、アースグリムとケーニヒスとガルガが各個撃破をしている。ミルは、クロッセンを肩に乗せながら、ゴブリンを中心に狩っていく。正直相手にならない。ルナもミルも魔法をまだ使っていない状態で圧勝だ。
「主よ。次は、我にやらせて欲しい。役に立つ所をお見せしたい」カウラがいい出した。戦いたいようだ。許可を出すと嬉しそうに「ミル様。従魔をお借りしたい?よろしいですか?」「うん。いいよ。後で、猫形態を抱っこっせてね!」「・・・・解りました。」ルナにお願いして、今回も魔物が多い所に誘導してもらった。
カウラがケットシー形態になって「【我の一族よ。我に力を、スキルコネクト】」「「「「おぉ」」」」
連携は見事としか言いようがなかった。危なげなく魔物を一掃した。スキルコネクトは、同族とリンクを確立してそれぞれのスキル/魔法がすべて、コネクト中は全員が使えるようになると言う力だと言う事だ。完全にやらかした感じがする。さっきよりも多い魔物を分断しながら狩っていく、まさに王者の狩り。
「主よ。どうですか?」「見事だね。僕とミルが一緒のときだと、無敵に思えてくるよ。僕の従魔としてこれからよろしくね。カウラ=ヤノーシュ」「はい。喜んで。」「それから、できるだけ、猫形態で僕の周りを警戒していてくれると嬉しいな。」「かしこまりました。でも、主のスキルでは必要ないと思うのですが....」「いや、油断と言う物もあるし、カウラ達の様に動物的な感が役立つ事もあるだろうからね」「かしこまりました。」
「ミル。ルナ。何そんな複雑そうな顔して....」「「・・・・。」」「まだ途中だけど、今日の探索はこれで終わりにしようかと思うけどいいよね?」「うん。防具の確認はできなかったけど、武器や従魔の確認は出来たからね。今日は時間もかなり経ったし戻ろう。」「そうだね。それじゃ転移で戻ろう【転移-ギルド本部】」
ギルド本部に戻ってきた。受付に移動すると、アッシュが来ていた。「珍しいなアッシュ。何かようなのか?」「あっマノーラ侯。」「リンでいい。」「(ひと目がある所では、それはおやめになったほうが良いかと思います。モルト辺りからも注意されると思いますよ。)」「(そうなのか?)」「(えぇ間違いなく。)」「(解った。ありがとうな。)」「(いえいえ)」「ああぁ、それでも、アッシュは今日は何かようなのか?」「はい。二つほど用事がございまして、一つは今やっていただいております。」「?」「まずは、私のギルド商人としてのギルド登録です。そして、この者達も同様に登録を行っているところです。」「そうか、ありがとうな。」「いえ。利に聡い物は今こぞって登録をしております。宰相派に与する連中は命令で出来ないのを臍を噛んでおります」「そうか、それでそのもの達は?」「はい。以前から私が商品の買い付けに行く時に護衛として雇ったりしていた物です。後は、スラム街の住民ですが、訳あってスラム街に住んでいる連中に声をかけてきました。」「そうか、」「はい。ヴァズレの小隊に居たものとか、アロイで宿屋をしていた物や、いずれの者もマノーラ侯の敵に思う所がある人物です。」「ほぉそれは頼もしいな。俺の敵かぁ誰のことを言っているのか解らないが、それはいいな。今度時間が出来たら、是非いろいろと話を聞きたい所だな。」「はい。その時には、是非このアッシュにお声がけ下さい。最高の場所を用意致します。」「あぁよろしく頼むな。」
「それでもう一つは?」「はい。これはギルドに依頼すべきなのか、マノーラ侯に直接依頼すべきなのか迷っているのですが」「いいから言ってみろ。会議室に移動するか?」「そうさせて頂ければ...」「うん。レーゼル。奥の部屋借りるな。それから、誰かに言って飲み物を持ってこさせてくれ。あと、ナッセと....居たらナナとアデレードも呼んできてくれ。」「解りました。ナナさんはマガラ神殿に変えられてしまいましたが、アデレード様はナッセさんと話をしています」「頼む。」「はい。」
「アッシュ。こっちだ。」「はい。」
会議室に入って、腰を降ろした。ミルとルナは、依頼の完了通知を受け取るために素材を、地下に降ろしに行くと言っていた。パーティの口座にお金が入ることを確認できれば、パーティ機能の正常系は問題なく使える事が解る。あとは、イレギュラー系だけど、それはテスターを増やしてやっていけばいい。
アデレードとナッセが部屋に入ってきた。飲み物も人数分用意された「アデレード様。お久しぶりです。」「あぁアッシュか。久しいな。今は、奴隷商をやっていると聞いたが、お姉さまの所に行かなくていいのか?」「ん?アデレード。どういう事?」「あぁアッシュは昔、王宮に務めていたんだ。」「ほぉそうだったんだな」「なんだ、アッシュ。言っていなかったのか?まずかったか?」「いえ、私も先程ギルド登録させていただきました。奴隷商は続けますが、本来の業務に戻ります。」「そうなんだな。それで、何か合ったのか?」「はい。アデレード様がいらっしゃるとは思っていなかったので、どこから説明して良いのだろうと思っていましたが、アデレード様がいらっしゃるのでしたら、直球でお話させていただきます。」「あぁそうしてくれると助かる。」「はい。私は、王家の諜報部を取りまとめておりました。故あってその職は辞する事になったのですが、その後、ルシンダ伯爵夫人の所に腰を降ろしていたのですが、ローザス様から手伝えと言われて、現在奴隷商を行いながら各地の諜報活動を行っております。」「・・・」「そえで、アッシュ。何か困りごとなの?それとも報告だけ?」「相談事がメインです。」「そう、それなら相談事とやらをお願い」「はい。アデレード様は、ルシンダ伯爵夫人の娘でマルティン様をご存知ですよね?」「えぇ何度か会った事があるわ。利発そうだけど、少し身体が悪くてあまり外に出られないと聞いているわよ」「はい。そのマルティン様のご病気が、魔法的な事ではないのかと言う事になりまして、何人かの魔法師で調べました所。スネーク山に存在が確認されている『ライズフラワー』の根を材料にした回復薬で回復すると言う結論になりました。」「・・・・」「そこで、ギルドに、『ライズフラワー』の根の採取を依頼したく思っております。」「依頼は解りました、詳細な情報がないとわかりませんが、『ライズフラワー』とはどういった物なのでしょうか?」
『ご主人様。』『なんだ、ロルフ。今、会議中だぞ』『ドライアドが、そのライズフラワーを知っていると思うよ。』『そうか、後で聞きたいから知っていそうな者を呼んでおいてくれ』『はぁーい。』
話が進んでいる。報酬額の話になっている。ウォード家としては、『ライズフラワー』1株に金貨2枚。5株単位でお願いしたいと言う事だ。最低で5株。できれば、20株程度は欲しいと言う事だ。そして、生息場所がスネーク山だと言う事は解っているが、魔素溜まりが出来る場所で、朝日が差し込む場所に生えると言う事が書物から判明しているらしい。スネーク山がマノーラ家の領地になっている事から、マノーラ家に依頼する方がいいのか?ギルドに依頼すればいいのかを悩んでいたらしい。アデレードが、アッシュに、依頼をギルドに出して、マノーラ家に訪問して、山に入る許可を取るのが筋じゃないのか?と言うと、それに従いますと言う事で、明日の昼にでも、お伺いしますと言う事になった。依頼は、僕とミルとルナとアデレードが受ける事になって、早速手続きを行った。依頼主であるアッシュにも依頼票が渡された。依頼達成時に、これを冒険者に渡せばOKだと言う事だ。ウォード家からの正式な依頼である事から、金貨は先に預からずに依頼達成後に請求する事などが決められた。
今日は、このままマノーラ屋敷に帰って、明日に備える事になった。ギルド本部とニグラ支店の面々と軽く言葉を交わして、屋敷に帰る事にした。

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