【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

ギルドの拡張(ローザスとハーレイにお土産)

ハーレイとローザスは、このまま神殿に残って施設を見て回ると言う事だ。ミルとイリメリとファムとマヤは僕と一緒にギルドに戻る事になった。入れ替わりに、ルナに来て貰って、ハーレイ達の相手をしてもらう事になった。最初は嫌がったが、最後にはしょうがないと言う態度だったが承諾してくれた。護衛と言うか案内役にロルフも置いていく事にした。そう宣言した時に、なぜかミルの顔が悲しそうだったのは忘れない。
いつの間にか、ワクが居なくなっていた。まぁどっかに食事にでも言ったのだろう。眷属の中で一番自由が効くのがワクなのだ。ワクが陰の中から姿を現した、自分から出てくるのは珍しい事だ。それだけではなく、数名の眷属を連れている。
「ご主人様。陰移動出来る者を連れてきましたよ。」「おっ早いな。」「えっへん!」
あるじ様。御前に」全員が陰の中から出てきた。全部で、17名(匹?)居るようだった。「全員。本来の姿にもどれ」「「「はっ」」」全員が元の姿に戻って驚いた、スライムは一匹も居ない。全部が獣魔の様だ。それぞれのステータスは確認してはいないが、「全員は、戦闘スキルを持っているんだな?」「は。ここに居るワクを除く全員がスキルが顕現しています。全員ヒト型になれますが、一部属性が残ってしまって、獣人風になってしまいます。」「そうか。お前たちにはやって欲しい事がある。話を聞いて問題なければ、それぞれに担当を決めて行く」「はい。リン様。マヤ様。ご命令下さい。我達は、リン様とマヤ様に忠誠を誓いました。ご命令くださればなんでも致します。」「う~ん。命令はすきじゃないんだよ。だから、お願いと言う事にしておくよ。まずは、話を聞いて」「・・・はい。」
眷属達に、お願いしたい事はギルドメンバーの護衛だ。ギルドメンバーはそれぞれで現地の人間以上のステータスを持っているが、複数での戦闘になった時に耐えられるとは思えない。僕は、もう仲間を家族を失うのは嫌だ。その為に、陰移動出来る眷属にそれぞれのメンバーの護衛兼連絡係をお願いしたいと思っていた。人数が少なければ、ギルドホームから外に出る時にだけ担当してもらおうかと思ったけど、15名も居るのなら専属で着いてもらった方が安全だと思った。基本は専属にして合わなければ、交代したり、休暇のときには臨時で担当する眷属を決めれば良い。そんな話をした。ワクは僕の陰の中に素早く潜って、『ご主人様の護衛は僕とロルフ様が居るから大丈夫。』と言って聞きそうにない。他の眷属もそれは分かっているようだ。
そこで、獣魔とメンバーで話をしてもらって決める事になった。猫系の獣魔が6名犬系の獣魔が5名兎系の獣魔が3名鼠系の獣魔が3名と言う感じだ。
イリメリもミルも賛成だ。連絡係が欲しいと思っていたんだと言う事だ。僕に連絡をする時に、伝言ゲームになってしまっているので、これで獣魔を従魔にする事で、連絡が取りやすくなると言う事だ。話を聞いていると、眷属同時は陰ないでの連絡も出来る上に移動も出来るようになっていると言う。そして、一番目をキラキラしていたのが、ミルだって事は見なかった事にしておこう。問題は、マヤの陰に入る従魔を決める事だと言うことだったが、マヤが「私は、精霊魔法があるから大丈夫だよ。直接ロルフに話をするからね」と言う事だ。僕が絡むと面倒な事になるとの事で、従魔決めは女性陣だけでやる事になった。獣魔達にもその旨を伝えた。今日の夜にでも決めるとの事だ。そして、困った事に、獣魔の中で各一名以外は女型だと言う事が判明した。要するに、17の獣魔の内、13獣魔は女性型だと言う事になる。お風呂や寝る時も一緒に居ると言う事から、全員が女性型を選ぶだろうと言う事で、男性型の獣魔はひとまず僕が預かる事になった。ナッセやヘルダーなど常にギルド本部に居る事になるメンバーからの伝言は必要になってくる。試してみないと解らないと言っていたが、ドラウやハーレイ・ローザスの陰から移動出来ないか試して出来たら、本人たちがOKを出せば陰に入らさせて貰おう。連絡と言う意味では必要だろう。
そんな話をしていたら、夕方になって来た。ルナがハーレイとローザスを連れて帰ってきた。二人は、ルナに言って、スパを堪能していたようだ。「ローザス。今日使ったスパ施設で料金払うとしたらいくら出す?」「そうだね。宿泊施設や食事処がないからな。それを差し引いて、銀貨3枚ってところかな?ハーレイはどうおもう?」「銀貨3枚だと少し高いとおもうけど、場所を考えれば、その位が妥当かな。宿泊施設や食事処が出来れば、銀貨3枚でも安いっておもうかもしれないな。」「え”そうなの?どうしようかな.....。」「どうしたの?いや、元々、銅貨30枚程度を考えていたんだよな。ギルドに登録して居る人しか使わせない様になるだろうし....」「そりゃぁ安すぎる。ニグラの宿が全部潰れてしまう。」「そんな事ないとおもうけどな。宿屋は別でそれぞれの宿屋で料金設定をしてやってもらうつもりだからね。食事処や商店や職人もね。あくまで、あのスパの料金だけって考えたらそのくらいでいいんじゃないかなぁってね。」「・・・・。」「それに、宿屋を使ってもらったら、無料でスパは使えるとか、食事を安くするとか、武器の手入れを安くするとかの特典を付けたいから、あんまり高くはしたくないんだよな。」「えぇとリン君。君は何を言っているんだい?」「イリメリ。説明して....。」
僕の説明では理解してもらうまでに時間が掛かる事が解った。そこで、説明がうまいイリメリにバトンタッチした。適材適所だ!!けして、僕が説明が下手だから逃げたとか、面倒だから丸投げしたとか言う事ではない。と思っている。
イリメリが、フランチャイズ形式の事や、クーポンの事を説明している。阿吽の呼吸ってこういう事を言うんだな。僕がやろうとしているのは、宿泊施設がついているショッピングモールや某千葉県にあった巨大施設の様な事だ。教会の上部にある施設は高級宿泊施設にして、差別化を図る。料金も強きの金貨1枚~。高級ホテルのスイートルーム並の値段を考えている。宿泊施設はいろいろ作って、簡易宿泊施設は、本当に銅貨10枚とかで泊まれる。カプセルホテルのイメージだ。それ以外にも普通の宿屋とかは、誘致して運営してもらう。僕達は、施設が使った魔素の料金をもらう形式にする。電気料金の摂取を行う感じだ。これは、神殿の管理機能で魔素の利用料を施設事に見る事が出来るようになっていた。ぶっちゃけ魔素を使ってくれる事を目的にしているから、料金は必要ないけど、何らかの対価を払わせないとフランチャイズとしての競争にならないと言われて、そう決めた経緯がある。食堂や武器屋/防具屋も同じ理屈で考えている。武器屋や防具屋や魔道具屋に関しては、作成する場所も必要だとおもうので、地下層を開放する事にした。設置するものは誘致できそうになってから考える事にした。
「イリメリちゃん。ありがとう。やっと理解出来たよ。」「良かったです。」「それで、ローザス。どうおもう?」「どうおもうもないよ。僕も一口かみたくなるよ。ちょっと高級な宿屋を作って、お忍びで行く王族や貴族が使う貯めの運営をしてみたいよ」「ん?それなら、教会の上層部の部屋をやらないか?こっちはそこまで人材の確保が難しし、そもそも、上流階級が喜ぶようなサービスなんて出来る自信がなかったら後回しにしようと思っていたんだよ。値段も、ローザスが決めてくれていいよ。僕の取り分は、レインじゃなくて情報や人脈の紹介って事なら僕は嬉しいんだけどね。後ろ盾は欲しいからね」「良いのかい?僕としては、面倒な事は、ミヤナック家に丸投げするつもりだし、問題はないけど、君達の取り分が少なすぎないか?」何故か僕ではなくイリメリをローザスが見て問いかけていた。イリメリは、軽く苦笑して、手で”どうぞ”とゼスチャーするに留まった。「お金は正直それほど必要にならないし、困ったら素材や魔核を売りに出しますよ。それよりも、人脈や情報はお金では買えないですからね。それに、それを対価出来る程の人物は少ないですからね。どうでしょうか?」「ローザス。俺は、その話乗るぞ。お前がダメなら、ミヤナック家としてその事業に投資する。」「待った。待った。ハーレイずるいぞ。僕が言い出したことなんだから、僕が投資する所に、ミヤナック家が乗る形にするぞ。」「あぁそれでいい。」「リン君。そういうわけで、その利権は僕達が確保した。」「利権って、まだ利になるって決まったわけじゃないんですよ。」「いや、それは大きな利権だ!!王家が絡むんだから失敗しない!!」「あぁこの人王家って宣言しちゃっているよ。まぁいいけど、ローザス。それじゃ細かい事は、イリメリやフェムと話をして、僕は明日教会に話をしに行くから、その準備をするよ。」「そうだ、そうだ、イリメリ。この後、従魔の話し合いをするんだよね?その時に、獣魔がローザスやハーレイの陰の中を移動できるか聞いておいて、出来るようなら、二人にも聞いておいて欲しいな」「はいはい。わかったわよ。」「うん。こんな事、イリメリにしかお願い出来ないよ。頼んだよ。」「うん(ずるいな。その言い方)」
部屋から出ようとしたら、ローザスに肩を掴まれた。「リン君。今聞き捨てならない事を言っていなかった?影の中を移動とか....」「あぁ陰移動ですよ。」「それってスキルの影移動?」「そうです。僕の眷属の中で陰移動出来る者が出てきて、ギルドメンバーの護衛兼連絡係になってもらおうって話になっているんですよ。」「・・・・。リン君。今、君はどれだけ非常識な事を言っているのか解っているのか?」「??」「影移動なんてスキルは、5000人に一人のレアスキルなんだよ。鑑定よりも珍しいんだよ。」「へぇそうなんですか?」「そうだ、それも今王国に確認出来ているのは、この前パシリカを受けた一人だけなんだよ。」「・・・・(茂手木かな?ここのメンバーは隠蔽していたって言っていたからな)」「それが、何人も居るような口ぶりだな。」「そうですね。僕も持っていますし、眷属なら全部で19名かな...今分かっているのは」「はぁ?暗殺部隊が出来るぞそれだけ居たら、建物の影に潜んでいてターゲットが来たら....なんて事も出来るだろうからな。」「ん?ローザス。建物の影って今言った?」「あぁそうだぞ。」「あぁそれとは違う。陰移動だ」「え!?」「ワク。」「はぁい」「そこから陰に移動して、そうだな。ミルの陰から出てきて」「はぁい」ワクは僕の陰(影ではなく、陰である為に、光が当っていても問題はない。プライベートスペースなら問題ないと言う認識だ)に潜った「!!」「こういう事です。」「リン君。ちょっとゆっくり話をしようか」少しローザスが怖い。肩を抱かれて顔を近づけられた。「君も同じ事が出来ると思って良いんだよね?」「はい。」神妙に答える。「誰の陰でも出来るの?」「いや。試していないから試していません。多分、出来るんじゃないかな。出る事が出来るのは、特定の人や場所みたいですけどね。」「そうかぁそうかぁ」「はい。後、結界が張られていると移動に障害になったりします。だから、結界が張られているとこの屋敷から出る時には、一度結界をよける手段が必要になります。」「ほぉ.....君は何か、そんな危険な魔獣を皆に与えて、それを単なる伝言と護衛にするつもりなのか?」「はい。何かまずいですか?」「もういい。君の事だから、本気でそう思っていたんだろうな。」「??」「ローザス。無駄だぞ。リンは、暗殺や毒殺に怯える生活じゃないからな」「あっそういう事ですか。申し訳ない。確かに、獣魔に僕が暗殺しろと命じたら大変な事になりますね。申し訳ありません。」「それもあるが、君があまりにも無防備に自分の手をさらけ出すから何か裏があるんじゃないかと思ってしまうんだよ。許せ。」「いえ。僕も考えが足りませんでした。ただ、ローザスやハーレイが誰かに害されたりしたら僕達の大事な後ろ盾がなくなるのが困るなと思ったんだよ。それに、宿屋の事もあるから、簡単に連絡出来る手段は必要だろうから....。」「あぁそうだね。君ならそう考えてくれるだろうな。」
犬と兎の獣魔が二名、陰から出てきて「リン様。我ら二名が、ローザスさんとハーレイさんの陰に入ります。ご許可をいただけますか?」「ん?今の話聞いていたよね?」「はい。ですから、リン様にとってご両名は大切な方で守る必要がある方なのですよね?」「そうだね。ローザスはこれからもお世話になるし、何と言っても大切な後ろ盾だからね。ハーレイも同じだし、ハーレイはルナのお兄さんでもあるからね。ギルドメンバーや君達の次に大切な存在だよ。」「でしたら、我らと残り二名の男型の魔獣が交代で対応致します。ご両名のご心配はもっともだと思います。そこで、リン様とマヤ様にお願いがあります。もちろん、ローザスさんとハーレイさんのご承諾が必要にはなりますが、我ら二名と他二名に精神魔法をお使い下さい。精神魔法には、契約が存在します。その契約を結ぶ事で我らを縛っていただきたい。その程度で信頼してくれるのなら、我らは喜んでリン様のお役に立ちたいと思います。」「その精神魔法の契約はどんな事が出来るの?」「我らに、ローザスさんとハーレイさんの命令を効くように縛る事も出来ます。その場合には、リン様の命令順位が下がってしまう事になります。」「あぁそうか、君達4名がそれでも良くて、ローザスとハーレイがそれで問題ないと言ってくれたら、僕としてはそれがいいかな」「はい。我ら男型は、ギルドメンバーの女性の陰護衛はできそうにありません。それなら、リン様が懸念している事を一つでも減らせるのなら嬉しく思います。」「って事だけど、ローザスとハーレイはいい?」
「その契約がどの程度の強度なのかわからないけど、そこまで言ってくれているし、僕としては人間よりも魔物や魔獣の方が信頼出来ると思ってしまうんだよね」「あぁそうだな。ローザスが言ってしまったが、私もいいぞ。それに、それを断ると、男型の魔獣がルナの護衛に付くかもしれないんだろう?そんな事を許せないからな。」「ローザス。普段から護衛をしている僕としてはいろいろ言いたいが、君が決めた事を覆さない事も知っているすきにすればいい。」「ファン。ありがとう。そう言ってくれる君が好きだよ。」
「(あぁそうだった。極度のシスコンだった)お二人に問題がなければ、僕としては是非お願いしたい。」
「あぁこちらこそお願いする。」「うん。頼むね。」
【精神魔法-契約】「我。リン=フリークスが命じる。汝、ボノス。アルフレッド=ローザス・フォン・トリーア 及び ハーコムレイ・フォン・ミヤナックが命に従え。」「我。ボノス。リン=フリークスが命。これより、アルフレッド=ローザス・フォン・トリーア 及び ハーコムレイ・フォン・ミヤナックの命に従う。よろしくお願いいたします。ローザス様。ハーコムレイ様」
その後、同じように、ボリス/ボラク/ボイクに契約を施した。いい事に、ボリスとボイクに、毒感知と毒治療/麻痺治療 のスキルがついている。何らかの毒物が近くにある事が検知出来ると言う事だ。ただ、アルコールも毒物だと認識してしまうので、さじ加減が難しいようだ。契約で縛った事で、ローザスとハーレイの間でも陰移動が出来るようになっているとの事だ。まぁお互いの事だから二人で決めて欲しい。とりあえずは、二名づつ陰に潜む事になったようだ。適度に休むようには伝えたし、二人にも休暇は上げて欲しいとお願いした。食事や休む場所は、ギルド側が提供する事にした。だから、二名で交代になる。この辺りはゆるくやっていけばいいだろうと言う事になった。
やっと。僕は開放されて、部屋に戻ってこれた。今日は濃い一日だったなと思って、ベッドに入った。今日は、誰も来ないだろうな....あぁマヤは間違いなく自分のベッドで寝てくれないだろうな。などの考えていたら眠くなってきた。マヤには悪いけど、先に寝てしまおう。おやすみ。

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