【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

マヤと合流

さてどうしようか考える。体調が悪かったのも収まって来たし、まずは同級生達に合わないように逃げる算段をしないとダメだな。立花達は当然として、ひとみにも会いにくいな。最後にあんな態度取ってしまったからな。謝りたいけど今更だろうな。和葉には会ってあんな事をした真意を確認したいからな。それにマヤ。マヤが同級生だったらどうしよう。すごく顔を合わせにくい。
まずは、スキルの確認をしないとな真命:神埼凛(1)ジョブ:動物使い体力:80魔力:80腕力:70敏捷性:50魅力:190(+250)魔法:外(2)スキル:隠蔽(1)、言語理解、念話(1)ユニークスキル:動物との会話(1)(隠蔽)エクストラスキル:万物鑑定見透す力(1)(隠蔽)
隠蔽はされているようだな。後は、真命が変えられないか試さないとな。名前を見られたらすぐに同級生には解ってしまうからな。さて、ステータスを開いて、真命に集中して”隠蔽"。
おぉぉ出来る。入力状態になった。さて、真命をどうしようかな??一旦中止して、現地の人たちの真命がどうなっているのかを確認してから真命を考えよう。一時しのぎに、”リン”と真命も同じにしておこう。そうなったら、マヤと合流が先だな。さっきまで、同じように苦しんでいた女の子も出ていったようだもう姿が見えない。出口に向かって歩くと、さっきとは違う人で同じように法衣を着ている人が話しかけてきた。スキルで解らない事があったりジョブでわからなければ、聞いて欲しいと言う話だった。解らない事は今のところはないと答えた。"何がわからない”のが一般的なのかさえ解らない。下手に聞いてレアスキルだったら困ってしまう。法衣を着た人はにこやかに笑って、各地にある神殿でも聞けるから困った事があったら神殿で聞いて欲しいと言われた。
「スキルの事ではないのですが、一つ教えてください」「なんでしょうか?」「先程、パシリカを受けた時に、札を持ってくるのを忘れたのですが、問題なかったのでしょうか?」「はい。大丈夫です」「それは良かった。あの札は何だったのでしょうか?」「あの札は、貴方がパシリカを受けたと言う事の証明に使われる物です。村に寄ってはパシリカの費用が捻出出来ないなどの理由で子供に受けさせない場合があります。あの札で今年パシリカを受ける子供たちが全員受けたのかを確認するのです。」「そうなのですか?あの札には何が刻まれるのでしょうか?」「名簿上に乗っている名前になります。受付時に確認された名前とステータスで見ることが出来るスキルが刻まれます」「ありがとうございます。」
礼を言って立ち去った。札には、名前とスキルが刻まれると言う事だ。隠蔽してある物は札には出ていないとおもう。もし、でていたら多分あの法衣を着た男が対応して、別の場所になり連れて行くだろう。
部屋を出て城門に向かおう。マヤとそこで待ち合わせをしていたからな。ほんの数分前だけど、すごく昔のように感じるな。白い部屋の中での事は、13年前だけどついさっきの様に思い出す。
城門を出ようとした時に、フェムと名乗っ女の子がウロウロしていた。誰かを探している様子だった。横を通り抜けようとした時に、肩が触れた。わざとこっちに寄せた感じがした。瞬間的に、ステータスを確認してしまった。真命:重久真由(1)ジョブ:氷術師体力:180魔力:320腕力:90敏捷性:120魅力:60魔法:黒魔法(1)スキル:隠蔽(隠蔽)、詠唱破棄(隠蔽)ユニークスキル:属性無視(隠蔽)
『(!!!重久!?)』「ゴメンなさい。」重久は頭を下げながら謝罪の言葉を口にした。自分が転生者だとばれる事もいとわないでやっているとしか思えない。なんとなく残念そうにしていた。「いえ。大丈夫です?大丈夫ですか?」「えぇ大丈夫です。リンだったよね。今日の夕飯も来てくれるんだよね?」「そのつもりだけど、妹と話してからだけどね。」「わかった、ご来店お待ちしています。」
やはり、重久は誰かを探しているのだろう。今晩の夕飯をどうするか考える必要がありそうだな。それにしても、真命を変更しておいてよかった。そして、隠蔽を隠蔽していなかったのはまずかった。感のいい奴なら何か隠蔽していると考えるだろう。今からでも遅くない。隠蔽を隠蔽しておこう。
城門を出て、マヤを待つことにした。重久のスキルを思い出す。詠唱破棄とか属性無視とかチートっぽい物が着いていたな。そういえば、自分のスキルに関しても解らない事が多かったな。近くに落ちていた石を拾って、『鑑定』と念じてみた名前:石価値:1それだけが表示された。価値が表示されている。でも、1って石が売れるとは思えない。何か法則性があるのかもしれない。そうだ!マジックポーチの中を確認するのに役立つかもしれない。街中で出すわけにもいかない。胸の所にあるポーチに触れながら鑑定を行った名前:魔法の袋マジックポーチ価値:100,000,000,000内容:300アイテム/999個
はぁ?価値が解らない事になっている。10兆?意味が解らない。とりあえずおいておこう。中に入るアイテム数と個数が解った。意外と鑑定は使える奴だな。中身の鑑定は宿に戻ってからにしよう。
マヤはまだかな?城門の受付にも続々とパシリカを受ける子供が並んできている。朝に来て正解だったな。
その時、背後からすごい勢いで誰かが抱きついてきた。柔らかいものが背中に押し付けられた。とっさに鑑定をしてしまった。真命:マヤ・アルセイド(1)ジョブ:森魔法師体力:160魔力:1200腕力:80敏捷性:450魅力:220魔法:黄魔法(2)、黒魔法(1)、青魔法(1)スキル:鑑定、念話エクストラスキル:?????(隠蔽)(1)
マヤだった。マヤは同級生じゃなかった。それにしても、マヤ実はチートキャラだったのか?魔力がチート能力を持った、重久の約4倍ってどういうことなんだよ。念話が使えるから、内緒話には便利かもしれないな。気になるのは、エクストラスキルが何かあるが、隠蔽されている事だ。マヤのスキルには隠蔽はない。隠蔽を隠蔽していても、万物鑑定見透す力で見る事が出来るはずだ。何者かに寄ってスキルが隠蔽されている可能性がある。それよりも、スキルが?????になっている事が気になる。単純な隠蔽なら、名前が出て隠蔽と表示されるはずだ、マヤのエクストラスキルの?????に集中した。
『?????を鑑定しますか?(Yes/No)』と出てきた。まよざず”Yes"を選択する。『?????は、鑑定出来ません。上位者によりスキルがロックされています。』と説明が出てきた。これから解る事は、マヤのスキルは何者かによってロックされている。そして、他人のスキルをいじるスキルが存在する事。万物鑑定見透す力が万能ではないこと。
「リン。どうしたの?」「ううん。マヤがすごいなって思っただけだよ」「あぁぁぁ私のステータス見たんだね。エッチ。」「エッチってマヤ。急に後ろから抱きつかれたらびっくりして、誰なのか確認しちゃうよ」「言い訳だぁリン。私の事を知りたくて見たんでしょ。」「あのねぇ一緒に育ったんだよ。マヤの事は隅々までしっているよ。どこにほくろがあるかとか、おねしょ何歳までしていたかとかね。」「やっぱり、エッチだ。私の事観察していたんだ。」「・・・・。」「「ハハハ」」二人して笑いだしてしまった。「ねぇリン。私ってすごくない!?神官の人がびっくりしていたよ。」「そうなんだ。なんて言われたの?」「う~ん。忘れちゃった。なんか、魔力が多いからすごい魔法師になるって言われた!」「そうだね。僕は平均的だから、マヤが羨ましいよ。」「えっへん。これからは、マヤ様って呼びなさい。そうしたら、リンを一生守ってあげるからね」「はいはい。マヤ様。それじゃ僕とマヤは一生一緒に居るんだね」「(!!!!!)もちろん!!!」そう言って、マヤは僕の腕に抱きついてきた。そして、少し顔を赤くして、「宿に戻ろう。どうするか決めないとね」「うん。」
マヤに手をひかれながら、朝の夢モーニングドリームに向う事にした。宿に着いて、マヤと二人っきりになって、いろいろ話をしようと思った。異世界の両親とマヤが僕の味方になってくれる。だからこそ、自分が転生者である事は言わないにしても、マヤには隠し事は少なくしたい。
「・・・・。」「リン。どうしたの?」「・・・・。」何から話して良いのか解らない。「リン。あのね。ゴメン。これ読んじゃった。」そう言って、リンはくしゃくしゃになっている紙片を出してきた。紛れもない。なくしたと思っていた、馬鹿が書いた物だった。「・・・・・。」「リン。私、知っていたよ。リンと本当の兄妹じゃないって事」「!!」「リンがそのことを知らないと思って黙っていたんだ。ゴメン。」「・・・いや、僕も、マヤが知らないと思っていた」「お互い様だね。」「そうだね。」「リン。それで、パパが書いている、子供を作るって....どういう事?」「あっそれは....。ニノサが勝手に思っている事で......。」「リンは嫌なの?」真正面からマヤが見つめてきている。本当に可愛い。正直に言えばすごく好みだ。神崎凛の記憶を取り戻して、余計に、マヤが可愛く見える。「そんな事ない。でも、」「でも?何?私はリンなら嬉しいよ。」「!!」「マヤ。」「うん。リンは気がついていなかったかもしれないけど、私が好きなのはリンだよ。」マヤを見つめた。言葉はいらないと思った。唇を合わせるような優しいキスをした。そして、マヤを抱きしめた。
どの位そうしていたのか解らない。「マヤ。」「リン。」見つめ合って......また笑いだしてしまった。
「マヤ。これからもよろしくね。」「もちろんだよ。お兄ちゃん」もう一度唇が触れるだけのキスをした。
「そうだ、マヤ。僕のスキルを見てほしいんだけど」「うん。」抱きついたまま、ステータスを見るように言った。「みたよ。」「覚えてくれた?」「うん。動物使いって珍しいジョブだね。」
隠蔽していた、念話を開放する。「もう一度見て」「うん.....え”スキルが増えてる?」「何が見える?」「う~んと、念話って私が持っているスキルと同じ物があるよ」「他には?」「ううん。」「真命は?」「”リン”とだけ書かれている。これも珍しいね。私のように出るのが一般的だって話なんだよね。」「そうか、う~ん。」どうしようかな。リンだけだと疑われやすそうだな。何か適当につけたほうが良いのかな?そうだ、ゲートの中で話しかけてきた神は親しみやすかったし丁度いいかな。真命を書き換えた”リン・マノーラ"。念話を隠蔽に戻した。これでどうかな?「マヤ。もう一度見てみて」「うん・・・・・・・・・・え”!!!!。真命が変わっている。それに、念話が消えている。なんで?なんで?」「マヤ。あわてないで一つづつ説明するからね。これから話す事は二人の秘密だからね。ニノサ達にも秘密だよ」「うん。キスした事と併せて秘密にするよ!!」
マヤに隠蔽のスキルがある事を説明した。併せて、自分の隠蔽のスキルが少し変わっていて、真命を少しだけ変える事が出来ると説明した。今、出ているのが本当の真命だと説明しておいた。「ふぅ~ん。そうなんだね。便利だね。」
「マヤ。そうだ、念話の実験をしてみない?」「実験。」「お互いに念話を持っているから、もしかしたら、頭の中で会話が出来るかもしれないだろ」「あっそうか!でも、どうしたらいいのかな?」「う~ん。(取説みたいな物はないだろうな.....あ!鑑定したら出るんじゃないかな)」
ステータスを表示して、念話を鑑定した名前:念話(隠蔽)レベル:1機能:言葉ではなく意識レベルで会話をする事が出来る。使い方:初めての相手のときには、相手と接触しながら念話を行う必要がある。その後は、念話と念じる事で会話可能な相手が表示される。範囲外にいる場合には、選択できない状態になる。
ふむなんとなくわかった。「マヤ。手を握ろう。」「??」「ほら!」少し強引に、マヤの手を握った。握った状態で”念話”と念じた。『『!!』』携帯電話みたいに呼び出し音があるわけじゃなくていきなり繋がった。繋がった事は解った。『マヤ?』『リン?』出来たようだ。『不思議な感じだね。話していないのに、リンと会話が出来る。』『そうだね。』
そこで手を離したら、念話が切れた事が解った。「あっ手を離したらダメなんだね。」「最初だけらしいよ。マヤ、今度は念話と念じてみて」「うん。あ!!、リンの名前がある。」「選んでみて」「うん。」
『念話:マヤ・アルセイドからのコールです。』念話と念じると、通話が繋がったような感じがした『リン。』『繋がったね。こうなるんだね。』『会話を終わるにはどうしたらいいの?このままなの?』『どうなんだろう?』『えぇ困るな。頭で考えた事が全部リンにばれちゃうんでしょ。恥ずかしいよ』『恥ずかしい事を考えているの?』『そんな事ないけど.....やっぱりダメ。』『もう一回念話と念じると切れるみたいだよ』『やってみる』
「あっ切れたみたいだね。良かった(そうしないと、抱きつきたい時とか好きって思った時とかバレちゃう。リンに触りたいって思ったり.....またキスして欲しいって思ったり....)」「いろいろ使えそうだね。」これで、何か有ったときにはマヤにだけ聞こえるように話す事が出来る。逃げる時とかでも、バラバラになる前に待ち合わせ場所を決める事ができそうだな。
「ねぇリン。お腹減った。」「はいはい。お嬢様。昨日と同じでいいよね?」「うん。夜の蝶だよね。美味しかった!!」「了解だよ。それじゃ行きましょかね。お嬢様。」
魔法の確認はここではできそうにないし、マジックポーチの中身も夜やればいいか、それにマヤも知っていたし、二人でやればいいか。
マヤと宿屋を出て、道を挟んだ夜の蝶に向かった。そんなに暗くなる前だったからか、客は一人も居なかった。店は空いているようなので、店の中に入って適当に空いている席に座った。

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