白と華と魔王と神と

アルマジロ@小説書いてます

訓練開始


「パーティー登録完了しました!これでお2人は晴れて冒険者パーティー【白銀の華】となりました!新たな登録者ができた場合はちゃんと報告してくださいね?」
「あぁ、わかっているさ。世話になったな。ありがとう」
「ありがとうございましたー!」
そう言ってギルドから出る。
来た道をまた、屋台な買い漁りながら帰る。


辺境伯邸へ帰ると既にアルフレッドとアルグレスが庭で待機していた。
「待っていたぞハクヤ、昼食まではまだ時間がある。早速始めてくれ」「お、お願いします!」
「はぁ、お前ら気が早すぎるぞ。うん。じゃあまず屋敷の周り1周してこい」俺は魔力で作り出した監視カメラみたいなものを彼らを自動追尾するように設定する。ついでにストップウォッチも。
「屋敷の周りを1周ってかなりの距離だぞ?」
「走る能力やら、まぁ足腰ってのは何においても基礎能力の基礎の基礎なんだよ。最終的にはよゆーで1日全力疾走できるようになってもらわなきゃ困るからな。つーわけだ。はい、よーいドン。行ってこーい」
「「は?」」
なんか唖然としてるけど無理やり走らせる。そう、走らせる。
そーいってストップウォッチをスタートさせ2人を走らせる。そもそも屋敷の周り1周ってウォーミングアップ程度だろ。
10分ほど経って息の乱れたアルフレッドが帰ってきた。
「遅くね?9分51秒もかかってるけど」
「はぁ...はぁ...当たり前だ!何キロあると思ってる?」
「ほんのちょっと」
「まずその認識を直してくれ。殺す気か」
まさか、異世界だから地球あっちよりも身体能力も全体的に高いだろうしこれくらい余裕だと思ったんだがな。ダメだったか。
「ふむ、わかった。しばらく休んんでてくれ。昼飯の後2時間後から再開する」
「わかった」
そういうとアルフレッドは屋敷の中へ入っていった。
さて、アルグレスは大丈夫だろうか?元から走りきれるとは思ってないが。アルフレッドでああなるってなると心配だな。少し様子を見てみよう。魔動カメラ(今名付けた)からの映像をモニタリングする。フラフラとしながらもなんとか走っているようだ。3/4もよく走っている。ギリギリ1周いけるかもしれないな。
そのあとしばらくしてからようやく門のところへアルグレスが現れた。
「はぁはぁ...はぁ...は...はぁ」
「よく走りきったな。まさか走りきるとは思わなかった」
「いえ、途、中...はぁはぁ...何度も、立ち、止まりましたし」
「それでもいい。さぁ昼飯まで休め。昼飯の2時間後に再開するからな」
やはりアルグレスは芯がある。心が強い。いいモノを持っている。これは強くなるだろうな。かなり。気合入れて指導しなきゃな。
アルグレスを担いで風呂まで連れていく。
「汗を流しておけよ。あと、風呂の中で寝るなよ?」
「ありがとうございます」
アルグレスを風呂へ連れていったあと部屋へ帰って考える。色々と考え直さなきゃならない。アルフレッドの完成度が思ったより低い。異世界で武才に優れるならば...とか考えが甘かった。アルグレスの気合と根性は賞賛に値するものだが如何せん身体ができて無さすぎる。魔法都市へ向かう話も華音が今は忘れて楽しんでいるみたいだから構わないがいつ思い出すかわからないからな。なるべく短い期間で鍛えなきゃならない。
コンコン
「どーぞ」
考え込んでいるとノックが聞こえたので上の空で返事をする。
「はくー?」
「はくーー?」
「はくーーーー!!!!」
「はっ、あ、、すまん。」気づくとすぐ側で華音が俺の名前を叫んでいた。
「何考えてたの?」
「2人の身体についてだだよ。思ったより完成度が低いんだ。」
「あのね、魔法都市のことなんだけど」
やべぇー盛大なフラグ回収かよぉ...
「気にしなくていいからね?」
「え?」
「その代わり私にも闘えるように訓練してほしいの」
「お前は魔法じゃないのか?」
「近接もできるようになりたいの!たしか、鳳凰院は棍術とか杖術もあったでしょ?」
「まああったし俺は鳳凰院皆伝したからできるけど、お前に危ない目には合わせたくないし」
「だからだよ!近接でも戦えるようになれば危険は減るでしょ?」
よく良く考えればそうか。
「わかった。降参だ。明日から始めよう」
「やった!ありがと!!!!」
そんなわけで華音にも戦闘訓練をすることになった。これ、たぶんエリスにもする流れだよなぁ。考えとこ。
そのあと昼食に呼ばれ、華音が参加することを知ったエリスが案の定自分も、と言い出したので仕方なくだが4人もの生徒を持つことに...教師とかそーゆー経験したことないのに...
午後、エリスと華音は様子見として外周をやらせた。で、そのまま言いくるめて今日は休ませた。アルフレッドはとりあえずひたすら筋トレと走り込み。泣きごとなんざ言わせない。あの筋肉量ではまだまだ剣を握らせもしない。アルグレスはとりあえず腹筋とスクワッド、腕立て伏せをできる範囲で休ませながらやらせた。とりあえず夕食の時間の30分前に呼びに来るようにと頼んだメイドさんが呼びに来るまでやらせた。汗を流させて食事である。げっそりした顔で男二人がご飯なんか...とかほざいておったので無理矢理食わせた。動いたり鍛えて体を壊したあとは食事をしっかり食べて回復させてもらわなければ困る。
「ほら食え、たーんと食え、死にたくなるまで食え、限界まで食え」
「とびっきりの笑顔でやると怖いよ。ハク」ん?なにやら周りからの視線が奇妙な感じだが...まぁ構わんかな。うん。
もちろん、俺もたーんと頂きましたよ?普通に美味しいご飯を逃すわけがないてしょう?


夜、街が寝静まってからが俺の鍛錬の時間だ。ある程度の筋トレと素振り、ランニングをする。それが終われば型を一通りか、2通り納得出来なければさらに納得するまでやり続ける。そんな中声をかけられた。
「ほぅ、誰か中庭のおると思えばハクヤ、何をしているんだ?」
声の出どころを観れば辺境伯がこちらへ歩いてきていた。
「見られたか。まぁ、見ての通り鍛錬だな」
「なんでこんな時間に?」
「見られたくないから、だな」
「なぜだ?別に人がおってもすることは変わらんのだろう?」
「色々あるが...単純に集中出来ないんだよ、人から見られてるとな。動きの中にあるすべてのズレを数時間で直すんだ。極度の集中力が必要になる。まぁ、師匠からの受け売りだし師匠にそーやって言われてるから1人で鍛錬してるだけなんだがな」
「それは、邪魔したな。すまん」
「それで、あんたはなんでこんな夜更けに中庭に?」
「あぁ、ちょっと一杯ひっかけにな。こんな飲み方すると怒られるのでな。夜更けに1人中庭で飲むんだよ。お前もどうだ?」
「じゃあ、頂くとするかな」
エールがジョッキになみなみと注がれる。
「「乾杯」」
「ぷはぁー美味いなぁ!」辺境伯はごくごくとエールを飲む。
「いい飲みっぷりだな」それを横目にちびちびと飲んでいく。
「しかしこのエール美味いな」
「当たり前だ。俺の選りすぐりだぞ。趣味コレのためにわざわざドワーフの国の高級酒屋から取り寄せてる」
なるほど、そりゃ美味いわけだ。
ある程度飲んだあと汗を流したいので風呂へ入ると言うとそのままついてきて風呂でも少し酒を飲む。
ん?未成年飲酒だって?こっちでは15歳で成人だから別に俺は酒飲んでいいんだよ。へっへー地球のヤツらざまぁみろー!
............酒が回ってきたか?
一旦落ち着こう。うん。水をかぶったら割と覚めた。
風呂から上がって談話室でそのまま酌を交わし続ける。あーだこーだと、約30ほど歳が離れているとはにわか信じ難いほどに気が合い喋り続けた。
くだらないことも真面目なことも喋ってそんなこんなで夜も遅くなってきたので解散し部屋に戻ってベッドへ潜る。
少し、呑みすぎたかな...
そしてそのまま眠りに落ちていった。




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