SSSランクパーティーのおっさん剣士だけど、新人達に追い出されので亜人の国で魔王になります
おっさん、覚醒すル
俺は何のために戦ってきたんだ……
魔王を倒したあと、仲間の勇者と魔法使いが結婚し普通の生活に戻り、他の仲間たちも冒険者を辞めた後も俺は1人で冒険者を続けた。 この職業が好きなのもそうだが、再び災厄が訪れた時に備えて強い戦士を作らなければいけないと思ったからだ。
魔王を倒して得た富も新人の教育に全部費やし、恋人も作らずこの年まで続けてこのザマか。
『憎いか?』
誰だ?
『奴らが憎いか?』
まあ誰でもいいか。 そんなに聞きたいなら答えてやる。
憎いさ! 奴らが憎い! この手でぶっ殺してやりたいぐらいだ!!
『貴様の願い、確かに聞き届けた』『力を授けよう』
その言葉を聞くと俺の意識は浮上していった――――――
◇
「!?」
目が覚めた瞬間、俺は異変に気付いた。 体から傷が無くなり、力が溢れているのだ。
30代後半になってから体に力が入らなくなってきたのが嘘みたいに体が軽い。 肩こりもなくなり老眼も治っているようだ。
そして何より驚いたのが魔力をまとっている事だ。
俺には生まれつき魔力が無かったはずなのに……なぜ?
『気に入っていただけたかな?』「誰だ!」
夢の中で聞こえた声が耳に入り、驚いてあたりを見まわしたが誰もいない。
『そう叫ぶな、私はお前の中にいる。声に出さずとも心で思えば聞こえる』
俺の中に!? いったいお前は何者だ!!
『私の名はサタン。貴様が殺した魔王の力の結晶だ』
魔王の力の結晶? なんでそんな物が俺の体の中にいるんだ!
「人間は知らんだろうが魔王は代々後継者となる者に自分の培ってきた能力を渡すことになっている。そしてその継承方法とは魔剣で魔王の息の根を止めることだ」
……あ。 そういえば直前の四天王戦で俺の剣が折れてしまい、魔王戦では四天王が使ってた魔剣で挑んだんだった。そしてトドメの攻撃は俺の魔剣と勇者の聖剣で同時に決まったんだっけか。
……待てよ。という事は、
『おぬしは第67代目魔王という事になる』
「嘘だろ!? 俺が魔王!?」
『気に入らないか? せっかく若い姿に戻ったというのに』
え? 俺は試しに覚えたての魔法で鏡を作ってみると、そこに映ったのは20代前半の頃の最も強かった時の自分の姿だった。
「す、すげえ……」
『どうやら気に入ってもらえたようだな。魔王になれば永遠にその姿を保っていられるぞ」
それはとても魅力的だ。 でもなあ、英雄の俺が魔王かぁ……
「……悪くないなあ」
『同意したとみなすぞ。それでは目的を達成しに行くか』
目的? 何のことだ?
『決まっているだろ? 復讐さ』
ドクン!!
「ぐう!!」
俺の体に熱い何かが流れる感覚が走る。 全身の筋肉が膨張し、体中に黒い文様が浮かび上がる。
「あが、あががが」
そして頭に再び湧き上がる負の感情。 そうだ、奴らを殺さなくてはいけないんダッタ。
何でこんナ大事なことヲ忘れていたんダロウ……
「殺ス!!徹底的ニ嬲リ殺シテヤル!!!!」
『ふふ、久々に楽しめそうだ」
魔王を倒したあと、仲間の勇者と魔法使いが結婚し普通の生活に戻り、他の仲間たちも冒険者を辞めた後も俺は1人で冒険者を続けた。 この職業が好きなのもそうだが、再び災厄が訪れた時に備えて強い戦士を作らなければいけないと思ったからだ。
魔王を倒して得た富も新人の教育に全部費やし、恋人も作らずこの年まで続けてこのザマか。
『憎いか?』
誰だ?
『奴らが憎いか?』
まあ誰でもいいか。 そんなに聞きたいなら答えてやる。
憎いさ! 奴らが憎い! この手でぶっ殺してやりたいぐらいだ!!
『貴様の願い、確かに聞き届けた』『力を授けよう』
その言葉を聞くと俺の意識は浮上していった――――――
◇
「!?」
目が覚めた瞬間、俺は異変に気付いた。 体から傷が無くなり、力が溢れているのだ。
30代後半になってから体に力が入らなくなってきたのが嘘みたいに体が軽い。 肩こりもなくなり老眼も治っているようだ。
そして何より驚いたのが魔力をまとっている事だ。
俺には生まれつき魔力が無かったはずなのに……なぜ?
『気に入っていただけたかな?』「誰だ!」
夢の中で聞こえた声が耳に入り、驚いてあたりを見まわしたが誰もいない。
『そう叫ぶな、私はお前の中にいる。声に出さずとも心で思えば聞こえる』
俺の中に!? いったいお前は何者だ!!
『私の名はサタン。貴様が殺した魔王の力の結晶だ』
魔王の力の結晶? なんでそんな物が俺の体の中にいるんだ!
「人間は知らんだろうが魔王は代々後継者となる者に自分の培ってきた能力を渡すことになっている。そしてその継承方法とは魔剣で魔王の息の根を止めることだ」
……あ。 そういえば直前の四天王戦で俺の剣が折れてしまい、魔王戦では四天王が使ってた魔剣で挑んだんだった。そしてトドメの攻撃は俺の魔剣と勇者の聖剣で同時に決まったんだっけか。
……待てよ。という事は、
『おぬしは第67代目魔王という事になる』
「嘘だろ!? 俺が魔王!?」
『気に入らないか? せっかく若い姿に戻ったというのに』
え? 俺は試しに覚えたての魔法で鏡を作ってみると、そこに映ったのは20代前半の頃の最も強かった時の自分の姿だった。
「す、すげえ……」
『どうやら気に入ってもらえたようだな。魔王になれば永遠にその姿を保っていられるぞ」
それはとても魅力的だ。 でもなあ、英雄の俺が魔王かぁ……
「……悪くないなあ」
『同意したとみなすぞ。それでは目的を達成しに行くか』
目的? 何のことだ?
『決まっているだろ? 復讐さ』
ドクン!!
「ぐう!!」
俺の体に熱い何かが流れる感覚が走る。 全身の筋肉が膨張し、体中に黒い文様が浮かび上がる。
「あが、あががが」
そして頭に再び湧き上がる負の感情。 そうだ、奴らを殺さなくてはいけないんダッタ。
何でこんナ大事なことヲ忘れていたんダロウ……
「殺ス!!徹底的ニ嬲リ殺シテヤル!!!!」
『ふふ、久々に楽しめそうだ」
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