天才鍛治師は今日も…

96うさぎ

4話 リンクスタート!

 7月も終わりが近づき、今日ついに夏休みが始まる。それと同時についにザ・オルタナティブ・オンラインの第一波が始動する日でもある。

 テスター契約を済ませた英は今日までの間に運営が出してる事前公式情報やゲーマーがした予測に至るまで情報を漁りつくしていた。

 リアルの健康状態や身体情報はかなり細かくゲームに影響を与える事を知った英は普段から追い込んで鍛錬を欠かさないにも関わらず上乗せするように自分を追い込んでいる。




 はぁはぁ……今日のノルマ終了だな。さてともう一息やるか!




 英は腹筋をしようと寝転ぶ。




 バァン!っと扉が開くとそこには奈穂が仁王立ちしていた。




「お兄ちゃん!いくら何でも追い込みすぎだから!今日からやるのに疲れてどうするのよ」




「……っは!」

 (俺としたことがつい癖で追い込んじゃうとこだったわ)




「今ちょうど終わるところだったさ!それと我が妹よそこに足を広げて立つと白いパンツが丸見えだぞ」




「今、っは!ってそういえば見たいな反応したのにあたかも気が付いてますけど?みたいな反応はなんなの!」

「それにお兄ちゃんのエッチ!もう見たいならそう言ってくれればいくらでも見せてあげるのに」




 奈穂はもじもじした動きをしながらスカートを持ち上げるそぶりを見せる。




「そうか?じゃあ遠慮な…………く……」




 奈穂の後ろには可愛い顔立ちを般若はんにゃのようにした香奈が立っていた。




「何を遠慮しないのかな?ん?……私、教えてほしいな?」




「な、何のことかな……?」




 英の頬を一筋の汗が伝う。




「はぁ……もう何であなたたち兄妹はボケると乗らずにはいられないのよ!バカやってないでゲームやる前にお昼にするわよ!」




「お……おぉ……」




 英は奈穂に目線で訴える。




(今のはヤバくなかったか?俺ちょっとびびったぞ!)




(お兄ちゃんも?私は漏らしそうだった!)




(漏らすのは勘弁してください!)




(本当に漏らすわけないでしょ!)




 目線を香奈に向けると怒ったような表情で立ち止まっていた。




「奈穂ちゃん?私ブラコンは気にしないけど英にちょっかいをかけるなら私にも考えがあるわよ?」




「滅相もございません!お兄ちゃんは御姉様のものです!」




 半泣きの様子で奈穂は即答し敬礼をする。




「よろしい。じゃ食べにいくわよ!ご飯冷めちゃうでしょ」




「「はーい」」




 俺には選択権がないのか?と言う疑問を口に出すことなく状況を飲み込んだ英はこうやって尻に敷かれていくのかと思いながら一緒に食事に向かう。

 席に着くとそこには珍しく両親である、尻に敷かれた愛妻家またの名を稀代の天才鍛冶師であるかじ劉生りゅうせいと料理がプロ級で香奈の師匠でもある梶希美のぞみがもう席について待っていた。




「英早く席に着きなさい。ご飯が冷めてしまうだろう」




「あ……あぁごめん」




 家の食事は全員が揃うときは家族での食卓がルールとなっている。最近はここに料理を教わってる香奈が混じっての5人で食べる機会が増えてきている。




「ところで英、かなり大きなゲームを買ったみたいだが他の事もちゃんとやるんだぞ」




 完全放任主義の両親にしては珍しく言ってくるとは……多少の不安はあったみたいだな。




「安心して大丈夫だよ。今までどうりやることはやるし何より夏休みが終われば奈穂も頑張ると約束したから悪くなることは一つもないよ」




「そ……そうか。英がそう言うなら安心だな!」




 安心した表情で笑う父を見てなんだかんだと子のことを心配してるんだなと再確認する。




「あなた。だから英に任せておけばだいたいの事は大丈夫だって言ったでしょ」




「だって!心配なものはしょうがないじゃないか……」




 そんな談笑をしながら食事を終えて、入浴を済ませた英はラフな姿で身体スキャン情報を更新するためにゲーム始動前1時間前にカプセルに入ろうとするとそこに香奈と奈穂がカプセル機3台が置いてある部屋に入ってくる。




「お兄ちゃん何してるの?」




「身体スキャンを開始前にやって最新の情報で遊ぼうかと思ってな」




「なるほど……私もやっておこうかしら」




「お姉ちゃん 最初の町で何をするか話そうってさっき言ってたじゃん!」




「言ったけど私たちが身体スキャンしてからだいぶたってるじゃない」




「だからもう一度行っておいたほうがズレがないような気がするのよね」




「こんな短い期間で人間変わらないよ!」




「そうかもしれないけど……ここぞという時の英の感は馬鹿にできないと私思うのよね……」




「それは……そうかもしれないけど……分かった。じゃあ皆でやろ」




「どうでもいいがもう始めないとリリースに間に合わなくなるぞ」




 注意すると二人は顔を見合わせて急いでカプセルに入りスキャンを開始する。




 英達はリリース2分前というギリギリの時間で身体スキャンがおわりゲーム機の横に置いておいた飲み物で少しのどを潤しそのままオルタナが始動するPM2時までそのまま待機する。




 英は普段ゲームをしない事もあって事前情報だけで自分の想像を超えてくるだろうとわくわくしてると2時になり予約していたアラームがカプセル内に鳴り、両隣にいる二人と目配せをしてゲームに行くための言霊をいう。




「「「リンクスタート!」」」




こうして同じ時間にゲームを開始した英、香奈、奈穂、美鈴、巧の5人がバランスブレイカーになるとはこの時は誰も思いもしないのだった。

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コメント

  • ノベルバユーザー311916

    〜|リンクスタート|〜
    そしてここからデスゲームが...

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