女神に毒殺されたら異世界でショタ魔法使いでした

奈楼小雪

第二十一話 地獄の戦線3





 今日も、心地の良い朝を迎えている。
 眼下に広がるのは、死体の山、山。 周りにいる、将兵達は、顔色が悪い。 中には、折角の朝食を食べたのに吐いている者もいる。
 私サンダー事、ジル・ド・レ伯爵は、その光景が見える高台で、昼飯を食べている。 昼飯は、合衆国のハンバーガーという物。
 「伯爵様は、随分、お強い様で、うっぷ」 「肉も滴る程が、美味しいですが?」
 アイゼン将軍は、口を抑え今にも吐きそう。 まったく、あちこちに、黒く焦げた死体が有る。 だが、食べないという選択しは無い。
 「将軍閣下、見てください、あそこは肉が、片面しか焼けて、無いですよ」 「え、うげげげて」
 将軍は、光景を見、ついに堪えきれずに、吐き出す。 私は、ハンバーグを片手に、それの傍まで、歩いた。
 転がっているのは、少女の片脚の様だ。 片面だけ、真っ黒で片方は白い肌、典型的な焼き損ないという奴。 そう思って居ると、元パーツの少女の匂いがし、手が見えた。
 私は、手を引っ張り出すと其処には、小綺麗な少女が息をしていた。 もう片方の手で、少女の腹から胃を抜き出した。 次いでに心臓も抜くと、少女は、浄化された。
 私は、右手のハンバーガーを食べ終え、少女と少女の胃を将軍の元へ持って行った。
 「閣下、此れを見てください」 「伯爵、其れは……」 「其処で、生きていた少女から、持ってきました」
 引きずってきた、少女を見せ、胃をペーパーナイフで切る。 胃の中は、何も入ってなかった。将軍は、また吐いた。 机に、少女の死体と胃を置き、全員に見せる。
 「食べ盛りの少女の胃の中が、スッカラカン、相当な飢餓状態」 「伯爵……」 「更に、見てください、此処と此処の筋肉が減り始め」
 私は、少女の躰の部分をクチュクチュと弄り見せる。 将軍は、もう気を失いそうだが、ちゃんと説明をしてあげる。 躰のあらゆる所を出し、説明した頃には、少女の中身は、全部テーブルの上に出ていた。
 「っという訳です。このまま飢餓作戦を実行すれば」 「……」 「お疲の様で、誰か閣下を幕屋まで、連れて行って上げて下さい」
 私が、彼を預け、魔法で机の分解された少女ゴミを魔法で片付けた。 やがて、歩き始めると、道が左右に綺麗に別れた。 まるで、私が狂った人間の様に、周りから白い目で見られている。
 医学の歴史は、この様な人体の探求という物から来ているというのに。 まったく、人族というのは、早めに浄化しないといけない種族だ。 っと思って居ると、ある人物が、私の前に来た。
 白い仮面を左側に付けた、童貞卒業したエルフの勇者君だった。
 「……お前……着いてこい」 「分かった、何処にいくのかい?」
 勇者君は、自分の肩を差す。私は、彼の肩に手を置いた。 ヒュンと風音がし、私は、空に居た。 どうやら、空を飛んでいるらしい。
 「……あの街、襲う……」 「ほぅ」
 どうやら、内陸の街を襲う様だ。 見える先には、少し発展した建物達が、見える。
 「……どっちが……殺せるか……勝負」 「分かった」
 彼から離れ、都市の中央に降り立った。 目の前にいるのは、可愛らしい少女、私に笑顔を向ける。 私も、笑顔を向け、少女の額を撃ち抜く。 少女は笑顔と驚いた複雑な顔をしながら、大地に躰を撃ち付けた。
 母親が悲鳴を上げ、私は少女の元へ速やかに送り、母親も浄化された。
 取り敢えずは、どんな人がいるのか、情報を取り、逝かせよう。 パーティは始まったばかりだ。
***
 「死にたくないうぁああ」
 この都市のトップだった男が、大地に落ちていく。 一人ぼっちは可哀想なので、妻と娘も落とす。 ああ、何て、人の絶望の顔は美しいんだ。 
 三匹は、ズシャッツと音がさせ、大地に、脳漿を撒き散らす。
 さて、ゴミの様な人間は浄化しないといけない。 両手に80cm列車砲ドーラを展開し、大地に撃つ。
 ドゴォンンンと音がし、都市区画毎吹き飛ばし、警報のサイレンが鳴り始める。
 バンバンバンバン、撃つごとに変わる街並みに心を奪われ、撃ち続けた。 気がついたら、回転式の装填器の冷却が間に合わず、停止していた。
 そして、周りを見ると瓦礫の街しか、残っていなかった。  
 「……やりすぎだ…お前の勝ちだ……」
 勇者君が私に言う。確かにやりすぎた、誰一人として生きていない。
 「殺して何が、悪いのかね?君だって、殺したでは無いか?」 「……ヤリすぎは、……ヤリニクイ……」
 私は、その時は、勇者君が言っている事は分からなかった。 だが、次の日、突然の帰国命令が合衆国陸軍アイゼン将軍によって、言い渡された。
 「伯爵、君は、やりすぎた」 「総殲滅作戦のはずでは?」 「誰も、一晩に都市の六十万人を殺せとは、言っていない」 「結局は、殺すなら良いのでは?」 「物事には大義名分が有ってだな、こんな記事も出た」
 【虐殺伯爵、六十万人を虐殺、悪魔の所業】
 「悪魔とは、闇の魔法使いに取って、名誉です」 「とりあえず、君は落ち着くまで帰国してくれ」 
 私は、後ろで銃を構えた衛兵に両手を上げて見せ、転移した。
***
 私は、何時もの伯爵の家で、主人が座って居た椅子に座る。 暇だ、暇過ぎて死にそうだ。 暇は人を殺すというが、無敵な私も暇で、死にそうだ。
 「お姉ちゃん、任務完了したのです」
 妹のボルトが、戻って来た。暗殺及び、扇動に成功。 ブリタニカ海賊王国では、血まみれの大戦争が、起きてるそうだ。
 「次は、何をする?伯爵は死んだし、海賊王国は内戦中だし」 「いっその事、ヒュマン国も内乱を起こすのです!」 「うーん、それも良いけど、何か合法的に人を殺せて、面白い事ないからしら」 「冒険者をやってみるのです!」 「そうね、私、冒険者にやるわ、替りに今度はボルトが伯爵やってね」 「どうやれば、良いのです?」 「南伯爵が、奴隷情報網スレイブ・ネットワークて内政やってたわ」 「分かったのです!」
 私は、普通の少女に、妹は伯爵と姿を変えた。 そして、必要な武器、お金を持ち、私は伯爵の屋敷を出た。 あの時は、妹ボルトが、内政が出来る子とは、正直思って居ませんでした。

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