女神に毒殺されたら異世界でショタ魔法使いでした

奈楼小雪

第十七話 伯爵の最後



 「ンギギギッツ」 「今日はこんな、物か?サンダー」 「もう一人居ますが、どうします?」 「今日は、此れだけで良い」 「御意」
 伯爵は、白目を向き、口から泡を吹いている少年を私に渡す。 私は、何時もの様に少年の心臓を抉り、カップに入れ、伯爵に渡す。 伯爵はコーヒーの匂いを嗅ぐかの様に、カップの少年の血を嗅ぐ。
 「今日の少年は、一段と良い匂いだ」 「閣下もお疲だろうと、極上の物を用意致しました」 「流石、我がメイド。主を分かっておる」 「閣下のご教授の賜物で、御座います」
 トントンと扉を叩く音がし、伯爵が入る様にいうと妹のボルトが入って来た。 手に抱えているのは、多数の紙の書類。 妹は伯爵に紙を渡し、読んだ伯爵は、不機嫌な顔しながら、私に書類を見せる。
 アエルフィンカ合衆国とサンバルテルミ民主主義人民共和国の戦争は、既に総力戦の様を見せている。 戦闘は熾烈な物で、軍港のジェノスに陸空海で敵前上陸。 物量に任せた攻撃で、多大な犠牲を払い上陸は成功。 市街戦が、行われ戦闘によりジェノバの街は、市民と共和国軍VS合衆国軍の様体を見せている。 一般市民も武器を持ち参加し、合衆国軍は総殲滅戦を実行し、市民も敵も見つけ次第殺す様にしている。
 まあ、此処までは、私に取っては朗報。だが、次の書類は少し悲報であった。 人族連合の中で、此等に対して、非難の声がアエルフィンカ合衆国内で、出ているという物。 お陰で、合衆国軍の総殲滅作戦が、鈍りつつという物。 こんな事を報道するメディアという物は、糞ですね。 まぁ、いいや、ゆっくり殺ってくれれば……
 で、伯爵が不機嫌なのは、南部伯が援軍を求めている事だ。 どれだけとは、書いていないが、出来だけと書いてある。 出せない訳では無い、ただ、農民を出すと農作物の生産量が減少する。 だが、白金貨二千枚と対アエルフィンカ合衆国、ブリタニカ海賊王国との全権大使の権利を国王から貰った。 さて、この伯爵はどうするのかな?っと思った。
 「のう、サンダー。お主の妹に、頼みが有る」 「何なりと」 「妹の技量を見込んで、ある人物達を暗殺して欲しい」 「分かりました」 「ブリタニカ海賊王国、国王ヘンリー五世とヘンリー六世」 「内戦を起こすのですね」 「その通り」 「ボルト、聞いたわね」
 妹は、ベッドの上の伯爵の前に進み、膝を着く。  
 「はい、お姉さま、旦那様お願いが御座います」 「なんだ」 「争わせる為には、軍資金が必要です」 「幾らか?」 「白金貨五百枚」 「出来るか?」 「やります」 「分かった、必要な分を持っていくが良い」 「直ぐに立ちます」
 妹は、伯爵に礼をすると、部屋から出て行った。この伯爵は、一体何を考えているのだろう? メイドに、白金貨五百枚を渡す何て……っと思って居ると伯爵はベッドから出、私は服を着せる。
 「御主人様、妹に、あんな大金を持たせて、宜しかったのでしょうか?」 「構わぬ、我が闇の精霊ダークスピリットが、邪な心は無いと判断した」
 確かに、そうだろう。妹は、人族を苦しめる事が目的。今回は、伯爵の戦略に乗っただけ…… まぁ、イイや。赤薔薇ランカスター白薔薇ヨークも殺しあえ。
 「あと、今回の南部伯の支援には、暗黒騎士ダークナイトを使う。奴隷市場で処女の少女を百人程買ってこい!」 「了解致しました。所でこの少年ゴミは?」 「処分しとけ!」 「御意」 「私は、此れから召喚準備をする為に地下に篭る」 「御意」
 私は、地下に向う伯爵を見送った。白目の少年ゴミの目に、手を入れるとブチュと音がし躰が震えた。 目玉をくり抜き、口の中に含む。魔族の白玉子の様で、美味しい。 もう片方も抉り口の中で飴玉の様に転がしながら、少年ゴミを灰にした。 両性具有にしなければ、下の玉も魚の白子見たいに、食べれたのになー、と思いながら馬車に向かう事にした。
***
 「ノクト・エンス・サモンデ・ナイト・ダーク……」
 伯爵が、召喚呪文を唱えている。 召喚陣の中央には全裸で、処女の少女奴隷達が転がっている。 彼等は、皆、虚ろな瞳。彼女達の躰には全員、複雑な模様が描かれている。 伯爵に命じられ、私は全員の躰に、刃物で抉り、切りつけた。 柔らかで白い肌に、ザクザクと決められた魔法陣を刻み入れ、喋らず動かずを命じた。 口は言えなくても、躰はホント素直。ザクザク傷つけると、ビクンビクンと動く。 だが、殆んど全員が、精神が壊れてしまった。  命じると動くけど、意味不明な言葉を話す肉と化した。
 やがて、召喚陣が紫色に発行を始め、少女達の躰が飲み込まれ、召喚陣が発動始める。
 「グェッツ……貴様」 
 発動させると思った?伯爵?馬鹿なの?死ぬの?死ね! 私は伯爵を後ろから暗器で刺し、召喚陣に投げ込むと、伯爵も飲み込まれ消えた。
 「いい気味ね、伯爵。今日から私が伯爵よ」
 私が魔銃で、召喚陣を破壊すると陣はベキベキと音を立て、破壊され消滅した。
 「お姉ちゃん、成功したのです?」 「ええ、成功したわ、措置等は、内乱を実行して!」 「分かったのです!」
 念話で妹のボルトと会話を終え、魔法で、金属の躰を変化させ伯爵に姿を変えた。 鏡に映るは、女性の様に長い黒髪、丹精な顔が、特徴的なジル・ド・レ伯爵。 伯爵の領地の経営は、代官に任せる。そして、私は、闇の魔法を使いとして、参戦しましょう!
 流石に、メイド姿の私が最前線で戦ったら怪しまれる。 だけど、闇の魔法使いの伯爵なら怪しまれない。 魔法使いというのは、自分の手の内を見せてはいけない。 背を見せてはいけない。何故なら、自分が死ぬから。 伯爵は、信用し背中を見せたのが、死亡原因。
  私は、その足で、地下室の少年達の前に立ち、人差指を少年に向けた。 ピュっと音がし伸びた指が、一人の少年の額に刺さる。 少年は、呻き声を上げながら塵に変わる。 そばにいた少年達は、我先に逃げる。 だが、全員、九本の指が刺さり絶叫を上げ、塵に戻る。 指の中から、躰の中に高温のプラズマを注入し燃やすと、絶叫が聞け楽しい。 っと思いながら、誰も居ない地下室を後にした。

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