女神に毒殺されたら異世界でショタ魔法使いでした
第十三話 双子と伯爵様
「誰か?」 「サンダーでございます。ご朝食をお持ち致しました」 「入れ」
扉を開けると、ベッドの上で一人の男と少年がまぐわっていた。 男の名前は、ジル・ド・レ伯爵。 女性の様に長い黒髪に丹精な顔が特徴的な男性で、ヒュマン国の北部辺境伯爵。 カートで持って来た蓋を取ると、パンとジャガイモや肉に野菜、ゆで卵と一人分の料理が顔を見せる。 次に、銀の大きめの杯をカートに置く。
「ご主人様、朝食の支度が整いました」 「そうか、少年よ一緒に朝食を食べようで、無いか!」 「ありがとうございます、伯爵様」 「サンダー、少年から食べせてくれ」 「ハイ、ご主人さま。君から食べようか」 「僕は……グッ」
少年は、胸を抑え、バタッと倒れると動きを止める。 私の右手には、先程まで少年の躰の中で動いてた心臓ドクンドクンと脈を打っている。 それを銀の杯の中に入れ、絞ると杯一杯に赤い葡萄酒が貯まる。
「ご主人様、朝食の用意が完了致しました」 「さて、食べようか。先ずは、パンを葡萄酒に付けようか」 「はい」
私は、焼きたてのパンをちぎり、銀の杯の中の葡萄酒に付け、伯爵様の口元に持っていく。 ご主人様は、口を開くとパンを食べ、葡萄酒が付いた私の手も舐める。
「流石、うまいぞ、サンダー」 「お褒め戴き、光栄で御座います」 「この少年も奴隷の身で、我が朝食で食べられ、血肉になるのは幸せだろう」 「御意」
この伯爵様は、奴隷の少年を気が向いた時に殺す事で、知られている。 貴族の社会で、奴隷が殺されるのは良く有る事で、問題は無い。 伯爵は、優れた地政で、領民を豊かにしている。 その為に、領民の間では、神へ生贄を捧げる神官様だと思われている。
「そういえば、先日のお主の元雇い主のパン屋が、死んでいたそうだ」 「そうなのですか」 「ゴロツキと喧嘩をして殺し、首を吊っていたそうだ」 「そうなのですね」 「王国警備隊が、雇われていたお主達の事を聞きに来たが、追い返した」 「ありがとうございます」 「ああ、勿論、君達から教えて貰った、土壌の改良手法に新種の麦。君達は、我が領を豊かにしてくれた恩人だ」
私達は、パン屋の仕事で、様々な貴族の家に出入りし、情報を集めた。 その中で、土地が痩せ、麦が育てられ無い土地を持つ、伯爵家を選んだ。 最初、魔法陣を渡した時は、伯爵は半信半疑で有った。 だが、私達の提供した魔法陣を領地の空き地で使った所、一ヶ月で土地が回復したと報告受け、伯爵は狂気乱舞した。 そして、新種の麦と美味しいパンの作り方の製法を手土産に、伯爵家に仕官を望んだ。 お陰で、現在は、伯爵家のメイド兼世話役として雇って貰えている。
「そういえば、今日は西部辺境伯のヴァン・ス・ティーヌ殿が来る」 「どの様な、お方なのでしょうか?」 「元は、貧しい男爵家の五男だったのだが、魔法に目覚め、アンデット龍を倒したり、新製品販売など、国王陛下の覚え目出度い少年だ」 「まさか、伯爵様……」 「流石に、私も麗しい少年とは聞いているが、其処まで愚かでは無い。第一、同じ魔法使い同士で戦うなど不毛だ!」 「サンダー安心しました」 「ハハh、其れでは服を用意してくれ、このゴミは、何時もの様に処分しとけ。後、頼みたい事がある」 「御意、何なりと申し付け下さいませ」
私は、ベッドの上の少年の髪を掴み、扉の外で待つ妹のボルトに渡し、伯爵の服を用意した。 伯爵は、闇属性魔法の魔法使い、だから着る服も黒に金色の線が入った物が多い。 落ち着いた振る舞いと、甘いマスクから【漆黒の騎士】と呼ばれている。
伯爵に服を着せ、来客の準備と頼まれた仕事を行うの為に、部屋から一度出た。 自室に行くと、妹が少年を食べていた。 既に胴体は、食べられ、頭だけが残ってた。 妹は、脳みそを見せながら、私の方を向いた。
「お姉ちゃん、食べりゅ?」 「イエ、いいわ。食べ過ぎない様にね」 「これ、食べ終わったら、私も行くね」 「待っているわ」
妹が脳みそに、グジャグジャとスプーンを突き刺すと少年の目が上をグイッと向き白目に変わった。 まったく、妹も困ったものだ……美味しい物が無いからと言い、旨みを感じるという人間の肉を食べるとは…… 特に、お気に入りは脳味噌の様だ。毎回、伯爵が殺した、少年達の脳味噌を最後に、食べている。 母さんを食材にした時も、最初に食べさせたのは、母さんの脳味噌のシチューだったし…… やがて、中身が無くなり、顔ごと周りからバリバリと食べるのを眺め、部屋から出て行った。
***
「安いよ!安いよ!処女の奴隷だよ!」 「文官奴隷も安いよ!」 「お好みの趣味に合わせて、調教するよ!」
私と妹は、そんな声が響く、奴隷市場に来ている。 つい最近まで、あちら側に居たのに今度は買う側、人生とは面白い。 私は、何時ものと同じ様に少年の奴隷を買いに、奴隷商の建物に入った。 妹は、別な自分様の、玩具奴隷を買いに行った。
「こんにちは!」 「嬢ちゃん、伯爵様のご依頼かな?」 「はい、そうです!」 「今日も良い物、揃っているで!」 「見せて、貰おうかしら?」 「ガッテンだ」
ボロ雑巾の服を来た、少年達が奴隷商に連れられてやって来た。 伯爵の趣味は、茶髪に青い瞳の少女の様な少年。 少年なのは、初恋の相手が何時も、男子の様に振舞っていた為。 初恋の相手は、五十年前の魔族と戦争後に、貧困に喘ぐ国の為に、魔法が使える奴隷として身を捧げた。 少女の名前はジャンヌ・ダルク。 何か……マスターの艦に居た副官の子に、容姿と名前が似てますけど、気のせいですね。
「脱がして、触っても、良いかしら?」 「もちろんですぜ、お嬢」 「お前ら、全員脱げ!」
少年達が、ボロ雑巾の服を床に置く。私は、彼等を触りながら解析する。 だって、伯爵様と妹が食べるのですから、病気等を持っていられも困りますから。 魔族は、一年に一回は奴隷も一般人も健康診断を受ける義務が有るのに……っと思いながら全員を見終わり、一人の少年を買うことにした。
「では、この少年を金貨五枚で買います」 「へへへ、ありがとうございます」
私は、首輪に血を垂らし、奴隷商に渡すと、少年に奴隷が付ける首輪を付ける。 少年は虚ろな瞳で私に顔を向け、私はそいつの首から付いた鎖を持ち、店から出た。
止めてた馬車に入ると、妹が中で、買った奴隷の少女の首に、歯を突きたて血を啜っていた。
「食べたりなかったの?」 「そうなのです!お姉ちゃんも食べる?お腹一杯なのです!」 「そうね、頂こうかしら?」
私は、少年奴隷に忘却の魔法を掛け寝させた。妹は、奴隷の少女を私に渡した。 私は、少女の少女の口を塞ぎ、中の物を思いっきり吸い込んだ。 胃、大腸、小腸といった物が全て、私の腹の中に入り始め、少女は躰を震わせ、目を文字通り白黒させる。 やがて、全ての臓物を吸い尽くすと、少女はペラペラの皮膚だけの存在に変わり、私は少女を丁寧に折りたたんだ。 最後に、その皮を魔法の火で炙り食べた。 マスターの所で朝食で食べた鮭皮の様なパリパリ感が出て美味しかった。
「さて、帰りますか?」 「満足です!美味しかったです」
満足している妹を見ながら私は、伯爵の元へ馬車を走らせた。
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