~異日本転生~チーオタ少年はハーレムの為に国家魔法師に成る!

奈楼小雪

幕間42.5「ダンジョンワン(DG-1)の長い1日」

 

 3人がホテルの鍵を返すとディスプレイには
【ありがとうございました】
【昨晩は、お楽しみでしたね】
【またのご利用をお待ちしております】
 と表示された。3人はホテルの入口の扉を開けながら
 「さて、2人とも今日も頑張りましょう。でも、明日は学校なので疲れ無い様にね」 「「分かったー頑張るー」」
 キャイキャイと光を受け、若さで煌きながら出て行った。
***
 その頃、外では、重苦しい雰囲気で会議をしている。 全員が、年配の男と女性で、厳つい鍛え抜かれた躰であるが、むさ苦しい姿。 その中の1人の男が、議長と成って会議をしている。
 「昨日の、技術チームのメンバーは全員が死亡しており。1人以外は首を折られていました」
 「その1人は、どういった死に方で?」
 周りが大佐を見ると手を横に広げた。
 「イヤ、一応気になっただけだ」 「殺されたのは技術チームの主任、死因は全ての臓器の破裂で、強烈な衝撃が全ての臓器を一瞬で、内部から破壊した」 「で、犯人は分かったのかい?」 「見たいただいた方が早いかと」
 男は手に持って居た端末を操作し、部屋を暗くした。 そこに映るは、白い髪に赤い瞳の10歳程の少女が突然現れ、技術員を殺す光景。 そして、P90を食べ、主任に一撃を加え、頭に何かをし光の粒と変わり消えた。
 「カーター、この子が犯人だとして頭からコードを出し、主任に繋げたのはどうしてだ?」 「大佐、恐らくは脳の情報を奪ったのだと思います」 「脳の情報を?そんなことが可能なのかね?」 「今の技術では難しいでしょうが……前にそれに近い物は大佐も見た覚えが……」 「ああ、あれか!だが、この子はどうして、現れたんだ?」 「分かりませんが、我々との接触を測り、主任の彼と行き違いが有ってのかもしれません。ですが、一番の驚異は、彼女が彼の情報を持っている可能性が、有るという事です」 「それが、何か問題でも?」 「大佐、彼が管理している物の権限を全て見ることが、出来ます、我々が集めた全ての物を……」 「クソ、そういう事か!」
 ダンと机を叩き、扉が開くと何か紙を持った兵士が男に渡す。
 「先程、主任のコードでサーバーにアクセスが有った!。場所は新宿駅だ!」 「大佐、彼女を捕まえないと!」 「ああ、そうだな!」
 4人は、立つと部屋から出て行った。
***
 日本で最も拡張され、増改築が日々されている駅。 それは、新宿駅。 新宿駅こそ、日本の本当の意味でのダンジョン。 新宿駅は、3次世界大戦でも退避様の施設や上部構造を格納の為の工事を行った。 その時に、当時の魔法使いが敵の侵入を許した時に備えた。 それにより、時間や日によって通路が無くなったり、秘密の部屋が出てきたりする迷路メイズ仕様にした。 その為、管理をしている会社ですら正しい施設の状態を管理することが出来て居ない。  度々、調査部隊を編成して調査を行っているが、多くの殉職者を出し社員からは魔王殿とも言われている。
 「成程、妾の【其れを制する者、宇宙を制する】シリーズは、彼等は持って居らぬ様じゃな安心したが面白そうな物があるのう……」
 そんな駅の構内の待合室の端末を使い、少女がデータを引っこ抜いている。 少女は、鼻歌を歌いながら呟いた。 しかし、画面にエラー表示が現れ、駅の構内放送では危険物が見つかった。 指定された場所の人達は、避難する様にと放送が流れ始める。
 「お客さんが来ましたかね?丁度イイや、協力して貰おう」
 口角を上げ、少女は、避難する人達の波に飲まれていった。
 新宿駅の入口は騒然とし、周りには消防車や救急車が止まり警官隊が当たりを封鎖する。 そんな中で、私服を来た4人の日本人でない人物達が地図を見ながら話している。
 「大佐、防犯カメラの映像からは、彼女の姿は見えません」 「カーター、何とかならんのか?」 「人ごみが邪魔で見つけられません!」
 そんな事を言い合っていると、ダニエル博士が大佐の肩を叩き、画面の中を指差す。
 「ジャック、彼女だ!」 「えと、何て書いてあるんだ?」 「地下の連絡通路と書いてある」 「よく分かるな」 「僕の本職は、考古学者だよ?」 「そうだっけ?何時も現地の女性を口説いているから女性ハンターだと思ってた」 「酷いよジャック!」 「さあ、行くぞ!」
 4人は大型のアタッシュケースを持つと、颯爽と地下に向かって行った。***
 人々が居なくなった構内を、4人の人物が銃を構え、慎重に慎重に歩いている。
 「出て行った人間に、彼女は居なかった」 「っという事は、この中に居ると?」 「ああ、間違えなく我々を誘っている」 「罠だと…」
 4人が状況を口に出しているとヴゥーンと唸り音が聞こえ、エレベータの下の文字が点灯した。 全員がハンドサインで物陰に隠れる。 暫くして、チンと音が鳴りエレベータが開いた。 コツコツと足音がし、中から戦国時代の武将が切る様な黒甲冑にマントを付け、いやカノ暗黒卿の様な異様な姿をした人物が現れた。
 その人物が、そのまま歩き始めようとした所で、大佐が銃を構えた。
 「おっと、其処までだ嬢ちゃん!」
 制止する為に現れたが、その人物は無視し、歩き始めた所で、大佐は銃を放った。 だが、その人物に弾は当たること無く地面に落ち、右手を出すと電流が生じ大佐を襲い吹き飛んだ。
 「大佐!」 「カーターやるんだ!」
 少佐は持って居たマシンガンを撃つが、その人物が出したブンブンと光る棒状の物で、全弾撃ち落とされた。 だが、其れは囮で有った。ディッグが、後方からナイフを持ちその人物に迫る。 だが、空いていた左手で、ディッグのナイフを取るとベキッと音をさせ、ナイフが折れる。 呆然としたディッグのスキを逃さず、左手をブンと振ると紙を飛ばすかの様に飛ばされ、壁に打ち付けられた。
 「上はがら空きだ!」
 ダニエルの声がし、見上げた先には赤く点滅している物が見える。 手を上げる前に爆発し、爆炎が其れを飲み込んだ。 やがて、静まり返る構内の中には、粉々になった黒い塊が残った。
 「やったのか?」 「ええ、その様です大佐」
 壁に寄りかかっていた大佐が尋ね、少佐が答える。  慎重に慎重に黒い塊に寄っていくと其処には、ドロドロの白い塊が残っていた。
 「良くやったわダニエル!此れで終わったわ」 「ああ、そうだね……」 「ダニエル?」 「いや、何でも無い……少佐。任務は終わった様なら明後日の事も有るから後は任せて良いかな?」
 踵を返し銃をアタッシュケースに仕舞い、私服に変えると出て行った。 連絡を受け暫くして残った破片を回収しに科学班がやって来た。
 「破片の1つも残すな!此処に奴がいた証拠を無くすんだ!」
 それを見ながら大佐は、彼等に言う。 暫くして、アタッシュケースに武器を仕舞い外の空気を吸いに外に出て行った。
 「本当にアレだけで、彼女は死んだのかしら……」
 少佐の疑問は予想は後に当たる……

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品