~異日本転生~チーオタ少年はハーレムの為に国家魔法師に成る!

奈楼小雪

41「少年少女達とプニプニ達」

 

 ピンク色と翠色のプニプニした物が、大地を這いずっている。 少年少女達は、茂みに隠れながら其れを見る。  途中で、【ご自由にお取り下さい】と表示され、置かれて居たモンスターパンフレットを眺めている。 パンプレットには、ピンク色はスアマスライムで、躰を触手の様にし攻撃をする。 緑色のは、クサモチスライムで中に詰まった粒あんを弾の使い攻撃を行う。 両方とも、通常の物理攻撃等は効かないが、特殊な成分で造られた刃物や矢や魔法は効くと書かれている。
「立様、特殊な成分というのはソルトで良いのかな?」
「うん、そうみたいだね」
「分かった、ちょっとやってみるね」
 結衣はソルトスティックを掲げた。
 【我が魔力を糧とし我が敵を白き粉にて昇天させよ、ソルティパウダー】
 呪文を唱えスアマスライムに向けた。

 結衣の足元に魔法陣が現れ、スアマスライムの上に、塩の粉がドサッと落ちる。
『ギュアア』
 悲鳴と似つかない声を上げ、躰を捩らせたがベチャッと音を立てた。 その後、光の粒と成って消滅し、結衣の周りにキラキラと何かが集まり消えた。
「此れが、SPソルティポイント…10ソルト入ったって頭の中に聞こえる」
「成程、次は私ね!」
 スアマスライムの悲鳴が、聞こえた方を見てるクサモチスライムへ弓を向けた。
 【我が魔力を糧とし白い一閃にて敵を貫け、ソルティアロー】
 現れた矢を引き離すと、吸い込まれる様にクサモチスライムに飛んで行った。
 ボスッと刺さるとプルプルと震え、翠色の皮と黒い餡が其処らに散らばり、やがて白い光に変わった。
「本当だ、SPソルティポイント…15ソルト入ったって聞こえる」
 美雪が、ポツリと呟いていた。 暫くそれらモンスターを狩っていると、ゴロゴロと音がし振り返ると黒くて硬そうな丸い物が、転がって来た。
「アレは……」
「「コクトウ饅頭スライムだね、此処の1階のボスかな?」」
 其々が呪文を唱え、その黒いスライムの上に塩の粉が落ち矢も飛んでいくがカツンと音がし弾かれた。 やがて、プルプルと躰を揺らすと塩の粉が落ちる、此方にスパイクタイヤの様に刺を出し、転がりながら向かってきた。
「どうして、効かないの?」
「前に聞いたことが有りますわ!黒糖饅頭は、揚げるから表面がパリパリして美味しいと」
「僕に任せて2人は避けて」
 向かってきたコクトウ饅頭スライムを2人が転がる様にして避け、立は構えた。
 【我が魔力を糧とし白き刃金よ、全てを切り裂け】
 唱えると刃が白く光り、コクトウ饅頭スライムは立の横を通り過ぎ、立のブレザーを少し破いた。
「「立くん!」」
「大丈夫だから、安心して。手応えは有った、最後は任せた」
「「分かった!!」」
 通り過ぎた後には、硬い表面にパックリと傷が付き、内部の餡子がはみ出しているのが見える。 2人が呪文を唱え、塩矢ソルティアローが傷口を広げ、更に大量の塩ソルティパウダーが一緒に雪崩込んだ。 やがて、内部からメシメシと音を立て、表面を壊すような音がし、ポップコーンが弾け飛ぶ様に中身を撒き散らし、3人の上に落ちる前に光の粒と変わる。
 【第1層攻略完了!】と表示がされ、3人の周りを光が、キラキラと舞った。
「僕は、100ソルトが入りました」
「結衣は90ソルトだった」
「美雪は85ソルトですわ」
 立が、ふと生徒手帳を見て見ると現在ポイントは【100SP】、レベル1から2に上がり【次の経験値まで30SP】【パリィ】を覚えたと書かれて居た。
「2人も手帳を見てみて下さい、ポイントとレベルと技を覚えた場合は記載されて居ます」
「本当だ、私は現在ポイントは【100SP】、レベル1から2に上がり【次の経験値まで20SP】で【強塩ごうじお】を覚えたって書いてある」
「私も現在ポイントは【100SP】、レベル1から2に上がり【次の経験値まで30SP】【強弓ストロングアロー】を覚えたって書いてある」
「2人ともパーティ以外の周りの人には、そういった情報は大切に扱いましょう」
 口の前で左人差し指を立て言わない様に2人に注意をした。
「「分かったー」」
「其れでは、もう少しレベルを上げてから次の階層へ行きましょうか!」
「「おー!」」
 3人のレベル上げが始まった。
***
 3人がレベル上げをしている最中に外では寝ていた大佐が目を覚ました。
「ん?此処は…」
 周りを見ると、3人がベッドの上で寝ていた。 傍には看護師が座り、起きた彼を見ると外に出て誰かを呼びに行った。 暫くして、軍医の女性が彼の元へやってきて、ポケットからライトを出し瞳孔の動きを確認する。
「バイタル、脳波も以上は有りませんが何が有ったんですか?」
「イヤな、翠色のモチモチした物に躰中をチーズの様に穴だらけにされたと思ったら意識が落ちてな」
「大佐、お疲ですか?やはり、将軍に休みを頂いた方が……」
 女性の言葉が遮られ隣のベッドの女性が絶叫の声を上げてながら布団をガバリと取りながら起きた。
「は、は、躰が裂けてない。私は一体、大佐もご無事で」
「少佐も死んだのか?」
「は、はい躰を触手に真っ二つに裂かれて痛みで気を失った所で……」
 残りの2人も呻き声を上げながら起き上がった。
「ダニエル博士、生きていたのか?」
「躰が、千切れたと思ったら意識を失って……」
 大佐は女医の方を向き
「そういえば、私達には其々、ライブカメラが、付いて居たハズだが、どうなっていた?」
「さぁ?私には分かりかねます。詳しくは技術班に聞いてください。4人共、暫く間は絶対に安静です!」
 女医は、大佐の口に医療用MADを差込測定を始めた。
***
 女医が言っていた技術班の連中は、訳が分からない自体に頭を抱えていた。
 彼等の現在の状態と彼らのダンジョンでの最後が、完全に違うからである。
「まず、このピンク色のスライムにダニエル博士が食べられ死ぬ。 そして、次にディッグ氏が刺されて死亡。 次にオーニル大佐が、翠色のスライムの投射物で蜂の巣にされ死亡。 極め付けは……サラマンドラ少佐が真っ二つにされて死亡……」
 ディスプレイで、展開されているのは、之でもかという位の凄惨な映像。
「だが、全員が戻ってきて時は肢体に損傷は無く、意識を失っていたのみであった」
 入口がパット光り4人が、仰向けで倒れている映像が展開される。 そして、1人が置かれているP90を棒でつつきく。
「しかも、戻って来た時に彼等の銃だが、ベタベタすると思い疑問に思った兵士が持って来た。何と成分が、砂糖の原料のグラニュー糖だ!」
「信じられん!物質を原子レベルで、変化させたのか?元素レベルまで、分解して再構築したというのか!」
 同僚の話を背に聞きながら、彼はそんな事がもし出来る成らば、水銀を金にし凡ゆる物質を変換し生み出すことが可能に成ってしまう…… と思って居るとパリパリと音がし振り返った。 そこには、白髪に赤い瞳に白いワンピースを来た10歳程の少女がP90を銃口の先から食べ、他の連中は首を変な向きにし、床の上に倒れている。
「君がやったのか?一体?何者?」
『#+?*+#?』
 少女は、彼の傍に来て何かを言うと笑顔を見せ、彼も笑顔を返した。 瞬間、ボキャメシメシとイヤな音がし、少女の白く細い腕が不健康な男の腹に食い込む。 男は、上と下から濁流の様に何かを出し、躰を前のめりにさせ倒れた。 少女は、何処からともなくコードの様な物を出すと自分の首に刺し、男の頭に差すと暫く男はビクンビクンと動いた後に動きを止めた。
 暫くして少女はコードを仕舞うと
『成程、何処の国の者かと思ったらアメリカカナダ連合国という国なのか?妾も10万と2114年ぶりに、結衣をベースに躰を作った。だが、昔と勝手が違って強く進化したようじゃな……立という男の記憶に有る胸に七つの傷が有る男が戦うアニメでは肉体言語ボディランゲッジによる相互理解が可能だと言っていたが、こいつ等と来たら脂肪が多すぎてブヨブヨだし、妾の存在すら気が付かず殴ったら過ぐに壊れた。全く、そんなんで、死んでしまうとは情けない!来世では、自己啓発をするのだぞ!あと日本語も勉強するんだぞ!妾も此れから秋葉に行って知的好奇心を満たす為に、同人誌とかラノベとやらを見てくる。其れではサラダバ』
 パッと少女が光り、姿は消えた。 其処には、多数の男達の死体が残った。 やがて、巡回で来た警備兵が彼らを見つけ、緊急事態を知らせるボタンを押した。

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