~異日本転生~チーオタ少年はハーレムの為に国家魔法師に成る!

奈楼小雪

38「少年の夜遊び」




「立様、そんなの入らない」
「立君、私も限界……」
 結衣と美雪は、寝言を言いながら立のベッドに入っている。 当の立は、風呂に入って出た後に自室に戻り、寝ていた2人を見つけ呆然と立っている。 2人は、中学生が着るには少し早すぎるような素肌が透けて見える薄い赤と蒼のネグリジェを着ている。 フリルが付いた下着が、月の光に照らされる様は、まるで触ったら溶けてしまいそうな砂糖菓子の様な儚さを醸し出す。 普通の男子なら、某3世並みにジャンプしながら服を脱ぎベッドインするところ。 だが、立は悩んでいた。
「(良く有るラノベだと、着替えている所へ入ってしまいラッキーすけべを演出する所。此れはどうした物でしょか?パターンに無い!)」
 ベッドに腰掛け、2人の髪を撫でている。 テーブルの上で充電していたスマホが振動し、確認するとメールが来たことを知らせる表示があった。 【至急、君に依頼したい事が有り会いたい。今、君の家の前に車で来ている。寧桜達矢。】
 立は、2人に優しく布団を掛けると窓から飛び降りた。
***
 銀色の高級車が、夜の首都高を走り街灯が2人の顔を照らす。 助手席には、立と運転席には、美雪の兄、達矢が運転をしアクセルを思いっきり踏んでいる。
「で、お義兄さんは、僕の睡眠を邪魔したかったのでしょうか?」
「イヤな、君の部屋を観察していたら、妹が私にさえ見せない格好で君のベッドに居てな、妹の貞操を守る為に君を呼び出した」
「フギン……お義兄さんを荷電粒子砲で、ヤってしまいなさい!」
『了解マスター!今日は、目から出してみようと目から』
「冗談だ、冗談だ」
 達矢は、左手を上下させ笑いながら立をいなしす。 車は、更にスピードを上げながら立の前にディスプレイを展開させ、状況の説明をする。
「実は、君のドレース空軍元帥にあの要求を出した後に、各国が動き始めて居る」
「僕を狙う者達、とかですかね?」
「アアそうだ。だが、君の事だから問題は無いと思う」
 ギャリギャリと車がドリフトをさせると、立の躰が急激なGで座席に押し付けられる。 後ろの車も同じ様に、ドリフトをしているのが見えた。
「追いかけられている?」
「ああそうだ!今日の依頼は、君に囮に成って貰って動いている奴らを処分しようという内容で……もう少し躰を席に付けて」
 助手席側の窓ガラスが下がり、立が席にピッタシ付ける。 同時に懐から出した銃型MADを左手に持ち、追ってくる車のタイヤに当てる。 車は、バランスを崩し路側帯に当たる。 車は、土埃を上げながら回転しバラバラと部品を撒き散らし、爆発した。
「先ずは1台、ッツ」
 ドリフトから射撃の状態を終える。 目の前には、大型トラックが事故を起こしたのか道に塞ぐように止まる。 その前には、戦闘機のマスタングと同じ様な名前の高級車が止まっている。 街灯の光を受け見えるは、黒光りする何か。 身の危険を感じた立は、フギンに命じる。
「フギン、荷電粒子砲発射」
『目から荷電粒子砲!』
 車窓からフギンは、顔を出すと両目から黄色のビームを発射し、高級車とトラックをぶった斬り爆発炎上させる。 武器を構えていた人物は、爆炎に投げ出され、高架橋の下に落ちていった。 爆発の中を通り抜け、爆発で飛び上がったトラックが再び大地に落ちるのがバックミラーに見える。
「やるな、小僧!」
「まだ来ている!」
 ミラーには、インターからバイクが2台入り、片手にマシンガンを持った人物達が見えた。
「しつこいな……ポチッと」
 ボタンを押すと荷物入れが、開き何かがパラパラと道路に落ち、バイクはバランスを崩し転倒する。
「ビー玉とは古典的ですね、僕なら電池をバラまく所ですが……」
「フフフ、シンプルイズザベストという言葉も有りますが、君も中々アクドイですね」
 互いに何かを認め合っていると、パラパラと音がし、高速で何かが向かってくる音がした。 音の方を見ると、其処には未亡人製造機オスプレイがビル群の間を縫うように、飛んで来るのが見えた。
「車にバイク、ヘリと選り取りみどりですね、お義兄さん」
「ああそうだな、飛ばすぞ!」
 ギャリギャとイヤな音を立てながら、車は更に高速道路を走り、トンネルの中に入った。
*** ヘリに乗っている人物は、バレットM82のアンチマテリアルライフルを構えていた。
「チッ!トンネルか……出口に回せ」
 パイロットは頷くと、出口の方へ機体を向けた。 男は、横田基地から秘密裏に飛びった工作員の1人。 内容は、とある少年を確保する為の援護、という簡単な任務で有った。 だが、蓋を開けてみると、アレヨアレヨという間に残るは、彼と地上に居る数名だけ。 男は、出口で待ち伏せ運転者を狙撃し、少年を下の連中に確保させれば良いと思い暗視スコープを覗き込む。 そして、トンネルの出口に車が、出てくるのを今か今かと待っていたが、待てども待てどもやってこない。
 下の連中に連絡を取ったが「出口からは出た車も入った車もいない」と報告が来た。 疑問に思って居ると、入口方向から猛スピードで逃げるように走る車が見えた。 男は逃がすかと思いながらスコープを覗く。 其処には、日本朝に良くやっている、魔法少女物の星が付いたステッキを持っている男の姿が見える。
「何の趣味だかしれないが闇に沈め」
 トリガーを弾こうとしたが、急に躰がフワリと浮き天井に躰が付いた。
「何だ!何が起きている?」
「わ分かりません!制御不能!お、お、おちあまーす」
 やがて機体は、港近くにきりもみ状態になり地面に激突炎上した。 付近の住民から通報を受けた消防や警察車両が、サイレンを立てて急行する。  その様子を身体強化ボディストレングスで、見つめながら達矢は運転する立に話し駆ける。
「中学生が、車の運転を出来、しかも大人も難しい強化クラッチ車を運転とはな……」
「オヤジで、ハワイで習った」
「君達の間で、そのセリフが流行っているのか?」
 首を傾げながら、懐に持って居たプリ何とかに出てきそうなMADを仕舞う。
「で、何時まで、運転していればいいんですかねお義兄さん?」
「もう、暫く運転をお願いしようか?」
「何処までで?」
「秋葉原まで、君に合わせたい人が居る」
 立の踏んだアクセルの音は、夜の街道を景気よく走り出した。
***
 夜の秋葉原は、昼に比べ人は居らず多くの店はシャッターを降ろしている。 明日への英気を養っている中で、1店のアニメ店の2階だけ煌々とあかりが付いている。 残った従業員が、最後の仕事をしているのだろうか?
「此れが今季の人気アニメの薔薇シリーズ、此れが百合シリーズ」
 様々なアニメのポスターが貼られている部屋の中で、マスクにサングラスを掛けた女性が、同人誌を持っている。 階段を登って来る2人分の足音がし、女性が振り返ると其処には男と少年の姿が見えた。 男は何事かを言うと階段を下りって行った。
「リリカル」
本気まじかる」
 立の言葉に女性が、合言葉に応じる。 少年は傍に有った椅子に座り、女性は同人誌を選ぶ。
「米加国のドレース空軍元帥に、依頼した件についてお伺いしたいのですが?」
「ええ、どうぞ」
「5番目の日米地位協定の破棄、9条変更の為の政治的工作活動を行う事は、貴方の本心で?」
「やはり、政治家の方は其処に行き着きますよね。そういう事です」
「ふッ、米加国が絶対に飲めない事を書いて、上4条を飲ませようという訳ですね」
「そうかもしれませんねー何せ中学生の思いつきで、書いた物ですから戯言が多く入っています」
「そういう事に、しときます。そういえば私が書いた同人誌はどうでしょうか?」
 少年が居るテーブルに置き、少年は其れを見る。
「お幾らでしょうか?」
「薄くて高いのが、同人誌です。お代は裏側に、書いてあります」
 ペラっつと裏を捲ると少年はフッと笑う
「分かりました。之は少し高いですが、釣り合わない分の対価は、戴けるので?」
「抜け目の無い子ですね、ええ勿論……機密費で……」
「少しお待下さい、ちょっと抜いてきます」
 少年は椅子から立ち、トイレの方へ歩いて行き姿を消す。 暫くすると少し疲れた顔をし、スマホを出す。
「データを送るので、連絡を先を宜しく」
「連絡先は此処で」
「了解……送ります」
「受け取りました、内容を確認しました。ありがとうございます。此れがお代の追加の分です」
「ありがとう御座います。また会うことが無い事を願って居ます、喉越し健やかさんでしったけ?」
 封筒の中の札束を数えながら、少年が聞く。
「……」
「冗談ですよー豆腐総理さんでしたね……それでは失礼します」
 礼儀正しく礼をし、少年の姿が見えなる。
「アレが立という少年か……国防総省ペンタゴン内の空軍元帥と海軍元帥と大統領の会談の録画データ、書類を短時間で引っこ抜くとは、恐ろしいな」
 手元のデータを同人誌に、挟み込みながら呟く。
 草木も寝静まる丑三つタイム。 家に戻って来た立、新たな懸案事項に見舞われていた。 其れは、寝息を立てている美少女達をどうやってどかして寝るかという問題で有った。 悩みながら、ベッドの傍に座っていると、突然暖かい物に後ろから抱きつかれた。
「……女の人の匂いがする」
「女の人の匂いがする……」
「消さないと……」
「そうだね……」
 寝言を言う結衣と美雪に、ギュッと抱きしめられた。  ベッド中央に置かれ、マーキングするかの様に躰を擦りつけられた。 発達途中の蕾が当たる気配を感じながら、温もりの中で、意識を手放すのであった。

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