~異日本転生~チーオタ少年はハーレムの為に国家魔法師に成る!
34「バトルプログラマーリツ(BPR):中編」
太平洋ミッドウェーといえば、多くの人は、太平洋戦争の分岐点の海域と思う。 ミリタリー好きの人からは、日本の正規空母が眠る海域と思いを馳せる所。 そんな海域をイソイソと進む艦隊が居る。 彼らは、米加国太平洋艦隊。通称、第7艦隊。 彼等は、極秘任務を依頼され、現在は、日本の横須賀へ向かっている。 旗艦の強襲揚陸艦ワスプ内では、定時のブリーフィングが行われている。 暗い部屋の中、将校の服を着た男が、スライドの前で、説明をしている。
「……此等事から今回の新型魔法騎士の搬入は、日本政府は歓迎をしている。だが、自衛隊の一部は、アジア地域の不安定さが増すと反対をしている。其処で、彼らの一部は、ある生徒達に依頼をした」
スライドが変わり、3人の少年少女達の顔写真が映る。
「彼等はシャイニング・ウィザーズという中学1年生のパーティ。彼らは、優れた魔術師、魔法騎士を倒したという噂である」
「ハッつ!魔術師が、魔法騎士を倒せる訳ないじゃん!」
兵士の1人で、パイロットスーツを着、軍人らしく髪を短く揃えた茶色の髪の少女が机に脚をのっけ背を反らしながら言う。 男は映像を変え、其処には魔法騎士が魔法騎士に切られ、爆発する映像が映る。 少女は、身を乗り出し、その映像を食い入るに見る。
「彼等は、此れを魔術式で創った泥人形。専門家は、恐らくはMODであると判断している」
「へぇー面白だねー是非とも戦いたいね」
「君に、興味を持ったいただけるとは幸いだね、マリエル。さて、彼らがもしかしたら襲撃を……」
ドンと重たい物が水の中に落ちる音がし、サイレンが鳴り響く。 部屋の中のライトが赤く変わり、点灯を始める。
「ブリッジ一体何が合った襲撃か?」
「イヤ、隕石?」
「何を言っているんだ?」
「此れを見てくれ!」
ディスプレイに、映像が展開される。 其処には、先端を真っ赤にさせた多数の物が、空から黒い尾を引き、落ちて来るのが見えた。 1つが、タンカーの中央に当たると、タンカーは船首と船尾を宙に浮かせ、轟沈した。
「ブリッジへ空からの攻撃か……魔力反応は?」
「此方ブリッジ、一切なし、純粋な物理攻撃だと思われる」
「衛星からの質量兵器攻撃か!何処の国か!」
「不明だが、このタイプの質量兵器は我が国が開発していたと噂だが……」
「ホワット!」
驚きの声と同時に、至近で落ちたのだろうか?鉄が擦れる様な音とゴゴと音がした。 艦が、急激に前にツンのめる様に傾き始め、彼等は壁に打ち付けられた。
***
一体何が、起きたのだろう? ブリッジでは、操舵手が必死に舵を切る。
「艦長!これ以上の回頭は、船体が持ちません!」
「やるんだ、このままだと狙われる一方だぞ!」
「YES、サー、方位0-6-0へ急速回頭!」
急激に舵を取ると、船体がメキメキと嫌な音を立てながら回転させる。 すぐ横を赤黒い物が通るのが見え、衝撃と金属が擦れる音がした。 ブリッジのガラスが、割れ海水がビルの3階程まで上がる。 ブリッジのディスプレイが映し出すのは、直撃を受けたタンカーの船首が宙に舞う光景。 やがて、其れはワスプの艦首に落ち、ズシャベキベキとイヤな音を立て落ちると艦が前にツンのめった。
***
一方、日本の一般家庭の家では、立が母のパソコンを使いシューティングゲームをしている。 このゲーム、宇宙空間から神の槍という名の武器を使い、太平洋から侵入してくる敵を撃破する物。 敵の移動航路と弾道の予測、高度な情報処理を必要とし、恐ろしくリアルなゲーム。 横から、道子の手伝いを終えた美雪が顔を出す。
「立君何しているの?」
「えーとね、シューティングゲームをしてるの……」
「へぇー今のシューティングゲームって、随分リアルなのねー米加国国旗も有るし、炎上している、人も凄い綺麗に映っているねタンカーも後2隻ね……」
「そうだね……所で結衣ちゃんは?」
「居間で、お義母さんが持って来た板を並べて遊んでいるわ、私にもやらせて」
美雪は、立の膝に座る。 髪からはシャンプーの良い匂いが、立の鼻腔をくすぐる。
「ちょ!美雪ちゃん……此れは、まずいって!」
美雪は、立の言葉を無視しながら、パソコンを叩く。
「ねぇ、立君?ついでだからちょっと遊んでいい?」
「うん、いいけど……何をするの?」
キーボードをカシャカシャと叩き、各国情報部が持つ宇宙空間にある軍事衛星のデータを見せた。
「私にいい考えがあるの!」
操作を始めると、点で表示されていた衛星が奇妙な動きをした。 6点、6機の各国の衛星達が隊列を組み、地球へ向かって行ったのだ。
「三衛星攻撃かな?後は、立君に任せたわ」
予測落下位置に、其々2隻のタンカーが表示されるのを見ると、美雪は立の膝から降り、結衣の方へ歩いて行った。 美雪の【いい考え】によって各国の情報部は、混乱の局地に陥った
【打ち上げたばかりの衛星が、国民の血税が……(日本)】
【アイヤー、衛星が言う事を聞かないアルよ、自爆装置押したのに爆発しないアル。我が国にとって、歴史的快挙アルよ、物が爆発しないアル!(大漢民国)】
【何だと!衛星が降下を始めただと……設計者と開発者達の3等親まで、シベリアに送る準備をしようか?(大ソ連)】
【衛星が降下を始めたが、迎撃するべきかを民主主義的に、多数決で決めようか?(欧州)】
【衛星が、地球に降下している?ええ、我が保険大国は、保険掛けて有るので問題は、無いです(英国)】
【あ、NASAです。情報衛星が落ている?管轄はCIAさんですよね、我々は謎の球体を観察で忙しいのでお任せします(米加国)」
***
米国CIA本部地下は、全員がパソコンの前に座りキーボードを打ち込んでいる
「衛星の座標、入れ替えからの軌道変更、エラー」
「補助エンジンを使用し、変更不可、エラー」
「通信途絶……おい画面が……」
地球が写っていた映像が変わり其処には
【“君達”は、まだ我々鬼女に気がついていないらしい。 今のうちに、せいぜい時間稼ぎをさせて戴くとしようじゃないか。 ああ、すべては、天の確立の選択のままに。 エル・プサイ・キジョゥル】
赤い文字が、表示された。
やがて、先程の映像に戻った。 6機の衛星の中で、2列に並んだ先頭の1機が大気との摩擦で燃えているのが見えた。 先頭が消えると、2機目も燃えていき、2機目も燃え尽きた。 最後の3機目は其々、炎上しながらタンカーに突っ込んでいき、赤い炎と波がタンカーを海の中に沈めた。
「Oh マイ ゴット……」
声が静かになった部屋の中に、広がっていく。 そして、画面が変わる。
「我々は鬼女だ」(We are the KIJYO)
「お前達は監視されている」(You 're being monitored)
「抵抗は無意味だ」(Resistance is futile) 
赤文字が、再び羅列され続けるのであった。
***
「フゥ」
立は、息を付きながら、パソコンの画面を閉じる。
「デキター」
っと結衣の声がし、立が振り向くと並べていた板を完成させた結衣の姿があった。
「えーッつと、【其れを制する者、宇宙を制するpart1】どう言う意味なのかな?」
床に並べられていた板を眺め、言葉に出すと床一面の板が、パッと光る。 板が全て1枚の本の様に集まり、結衣の前に集まる。 瞳の光彩を、無くした結衣が話す。
『久方ぶりに我が遺産を得ました。10万年前は私は若かった、あの時は中学校2年生で、右手に包帯を巻いたり片目だけ色を変えたり眼帯をしたり。今なら、あの星が有ればノートの事を出来る気がする』
「何をする気ですか?part1という事は、後何冊有るのですか?」
『機密事項です?』
いたずらっぽく笑い、ノートを光の粒子にして消す。結衣は元に戻り周りを見渡す。
「あれーさっきまで有った板どこ行っちゃったの?」
「知らないなー、結衣ちゃん、依頼されていた任務終わっちゃたから見てみる」
「ウン!」
結衣は、立の方へテトテト歩いてくると立の上に座った。 美雪とは違うシャンプーの匂いが鼻腔を楽しませ、立は上機嫌で結衣に説明をしてあげるので有った。
コメント