~異日本転生~チーオタ少年はハーレムの為に国家魔法師に成る!

奈楼小雪

33「バトルプログラマーリツ(BPR):前編」




 標的ターゲットは、北太平洋を移動中の新型魔法騎士マジカルナイトを運んでいる。 タンカー3隻、護衛艦はイージス艦14隻に軽空母2隻を使用。 新型魔法騎士マジカルナイトは、核と魔法力によって動くハイブリッド式。 非核三原則を掲げる、日本政府の方針に反している為、受け入れる事は本来なら有り得ない。 緊張するアジア情勢を巡る高度な政治的判断で、与野党が此等の事実を黙認し受け入れる事に同意した。 この事に我々は、よりアジア情勢が悪化すると反対している。 既に積荷は、ハワイオワフ島より出港し、3日後には横須賀の在日米軍基地に搬入される予定。 我々は、特殊部隊等を潜入させる事も考えた。 だが、同じアジアにおける同盟軍、米加国軍を襲撃する事など出来る訳が無い。 其れを鑑み、外部の信頼でき確実に遂行出来る組織に依頼をする事にした。
 依頼、【新型ニュー魔法騎士マジカルナイトの破壊】 【なお、我々が関与した証拠が残らない方法で、確実な事故に見える派手な物を期待している】
 達子先生からの追加情報
【魔力パターンから、立や結衣と美雪が直接攻撃した場合には、犯人が分かってしまう、可能性が高い】
【沿岸部は、入港するまで、各地の自衛隊や在日米軍が居る為、攻撃をすると通報される可能性が高い】
【情報源は不明だが、宇宙・海・陸・空から全てを監視し、3人の様子も逐一監視されている】
「立君、難しい顔しているよー」
「そうだよ、お兄様からの依頼何て、無視しても良いのよ?」
 千切りキャベツの山の傍に、大量に積まれた特大サイズエビフライの山から一尾を取りタルタルソースを付ける。 小さい口の中に、大きなフライを入れると、口の周りを衣が擦れる音がし、白いタルタルソースが口の周りに付く。
「雪ちゃんハイティッシュ」
「ありがとう」
 ティッシュで、口を拭く様子も何か掻き立てる、扇情的さを醸し出す。 立もエビフライを取り口に、入れるとさくさくとした衣がジュワと出、エビのエキスが口の中を占領する。
「美味しいよ!母さん!」
「立に気に入って貰って、良かったわ、今日もエウロパで、狩りに行ってきて良かった」
「え゛ェェーー」
「良く分からないけど、生態系のバランスが崩れて、今度はエビが大量に増えて頼まれたのよーリュウジョウさん曰く伊勢海老と同じだってー」
 母の道子が台所から持ってきたのは、何と伊勢海老の様な大きさの木星海老エウロパエビ
「頼まれて、あっちこっち掘ってたら、変な物が沢山見つかってね。リュウジョウさんも要らないっていうから、貰ってきたのよー」
 棚の上に置かれた、複雑な模様が書かれた紅い板の山を指す。
 立が解析サーチで、確認する。
【$%'(&%':……それを)】
【*+`)&%$:……制する者】
【&%$+*:宇宙を…する】
「(オカシイな……読み込めない?)母さん、何か分からない危ない物置いとか無いでよー」
「良いじゃない?別な危険な物じゃないしーそういえば、この頃パソコンが重たいの後で見てくれるかな?」
「分かったー見ておく」
 立は、2尾目のエビフライを取り、口の中に入れた。
 食後、立は母親のパソコンを見ると何者かにハッキングされ掛かっていた。 だが、頑丈なセキュリティによって、阻まれているのが見えた。
「母さんって、セキュリティソフト何処の入れているの?」
「エト、近所の姪っ子のお兄さんが、作ってくれてたの入れてるの!毎日アップデートされて居るわ」
「髪がボサボサで、細身のお兄さんだっけ」
「ええそうよ、この間も新しいセキュリティソフトを作って、販売していたわよ」
「へぇーーそんな人が母さんのパソコンのメンテナンスするんだ!」
「何か知らないけど、世界で一番、狙われているブログを持っているから何てね……冗談もよしこさんって感じよねー」
 立が、母のパソコンのハッキング相手を解析サーチで見る。 【国防総省ペンタゴン、CIA】【MI6】【公安】【ソビエト保安庁】【大漢民国工作部】
「(うぇーーそうそうたる面子じゃないですかー)そうだねー取り敢えず、クリーンにしとくねー」
 立は、自分の母のパソコンに自作魔術式アプリを使い、電気信号で自分とパソコンを直結させ、脳内に映像が展開させる。
「(もしかしたら、此れは使えるかもしれません。良いことを思い付きました。)」
 そして、0と1の世界に、ダイブをした。
***
 その頃、米国バージニア州マクレーンCIA本部地下。 多数のディスプレイが、並んでいる暗い部屋の中、多数の男達がパソコンの前に座り、キーボードを連打している。
「シット!また、弾かれた!」
「こっちもだ!何て、強力なウォールなんだ!」
「だけど、破らないと俺たちに、自由は無いんだ」
 愚痴を翻しながら、置かれているドーナツを口に投げ込んでいる。 彼等は、米国・カナダでハッカーやクラッカー容疑で捕まった者達。 司法取引で、【一般女性のパソコンをハック又はクラック】で、参加している超一流の情報技術集団サイバーエージェント
 中央情報局は、2年前に【一般人主婦のブログ】で世界中の工作員エージェントの情報等を暴露され多数の工作員を失った。 1942年から2110年まで、170年間の間で得たスパイネットワークを全て失い、寸断された。 更に、CIA長官が自室で美人秘書と情事をしている等、機密情報を暴露されるという大失態を演じた。
 また、国民を監視するシステム等が有る事も発見され、世論は沸騰。 議会も同調するようにCIAを責め立て、予算は最盛期の2分の1に減らされた。 多くの職員が去り、同時に暴露本を世に発表し始めた。 更にCIAの評判が、悪くなっていく中で、上層部は何とかして【一般人女性】のパソコンに侵入し、自分達の利を得ようとした。 しかし、厳重なセキュリティに阻まれ、侵入する事が出来なかった。 そういった経緯でネットに特化した、専門家達ギークズを使って工作活動をさせている。
 説明が長くなったが、突然ディスプレイが全て赤く変わる。
「オイ、どうした?」
「逆に、ハッキングされている」
「嘘だろ!反撃は!?」
「既にしている。だが……」
 突然部屋の全てのシステムがダウンし全てのパソコンの画面に
「我々は、鬼女だ」(We are the KIJYO)
「お前達は、監視されている」(You 're being monitored)
「抵抗は、無意味だ」(Resistance is futile) 
 3列の赤い文字で、示される。
 次に、大型ディスプレイには、蒼い地球と太平洋が映し出される。
「今度は何だ?」
「地球だよな……監視衛星の映像か?」
「おい……此れは……見てみろ……」
 1人の男の男が言うと、全員が其処に集まる。
神の槍グングニルあらため、鬼女の一撃マザーズクリティカル発動、方向修正中……】
と表示がされていた。
「おい、神の槍グングニルだって!」
 神の槍グングニルとは核兵器に変わる戦略兵器として開発された物。 タングステン・ウラン・チタンから成る全長7m直径30cm重量300kgの金属棒。 高度1000kmの低軌道上に配備された宇宙プラットフォームで現存する最強の運動エネルギー弾で有る。 しかし、宇宙兵器の保有を禁止する宇宙条約に反する為、機密に指定され存在せず、ゲームで良く有る創作物ファンタジーだと噂されていた。 だが、現在は、突如現れた謎の球体の方へ向けられ、次第何時でも発射出来る準備をしていた。 其れが反転し、地球の方へ向いた。 高解像度で、ズームされた先には、3隻のタンカーと多数の護衛艦が見える。
「おい!何とか成らないのか?」
「無理だ!俺たちには、どうにも成るわけないだろ!」
 言い合っている間にも其れはこまめに修正を行い、無慈悲なカウントを始める。
全目標オール・ターゲットまでの誤差修正、発射まで5・4・3・2・1・ファイヤ】
 太く黒光する物体が3本発射されるのが見え大気圏の膜を貫く為に向かっていくのが見えた。

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