~異日本転生~チーオタ少年はハーレムの為に国家魔法師に成る!

奈楼小雪

22「少年少女達の部活動勧誘騒動」

  パンパンと空砲が鳴り、多数の声が聞こえる。 校内の中では入学式から1週間が経ち身の回りに慣れた生徒達の為に部活動勧誘のイベントが開かれている。
 「全員、MADは持ったか!?」 「「「「「はい、会長!」」」」」 「其れでは、全員巡回作業を開始しろ」
 ドタドタと全員が出ていき肩には、生徒会と書かれた腕章が付けられていた。会長と呼ばれた、黒いストレートヘアに紅い瞳の美しい女性は、ティーカップを持ちながら外の景色を見ている。 ドアをトントン叩く音がし、入る様に言うと其処には、蒼い髪に蒼い瞳の少年と後ろには茶色に茶色い瞳のショートヘアの少女が立っていた。
 「あら、風紀委員長に秘書さん珍しいですねこんな所に来るなんて?」
 ソファーに座る様に促す、少年はドカッと座り秘書と呼ばれた少女はチョコンと立っていた。
 「あー今日来た理由だが、風紀騎士団が勝手に巡回を始めた様なので、一応、衝突しない様に許可を貰いに来た」 「あらあら、風紀委員長……先月の打ち合わせで、風紀騎士団は出さず。生徒の自治に任し、我々生徒会が管轄すると取り決めましたよね?」
 カチャッとティーカップをテーブルの上に置き、非難めいた眼を少年に向けた。
「私も生徒の自治には賛成だ!だが、風紀委員内も一枚岩で無い……内部には、生徒を管理するべきだという強硬派も居る」 「その強硬派が、生徒と衝突して双方に重軽傷を出したのが1年前でしたよねー風紀委員さんは、3歩歩けば忘れるのですか?生物委員でもやって、仲間の鶏の世話でもされたらいかがですか?」
 会長がテーブルに両腕を載せ、祈る様に手をクロスし、顔を乗せ片目を瞑ると少年を見上げる。横に居た少女声を上げる。
 「貴様、委員長を侮辱するのも大概に……」 「そうだな……強硬派の連中は、今度やらかしたら鳥小屋の鶏の管理でもさせるか?で、今回の事は強硬派が勝手にした事で我々風紀委員は一切関係が無い!」 「分かりましたよ……生徒会のルールで、彼等に処罰をするので……」
 ドーンバリバリバリと窓ガラスを震わせる様な稲妻の様な音がした。 会長と風紀委員長が窓を開ける、雲ひとつ無い蒼い空から膨大な魔力の塊が広場の方へ落ち、雷の様な光が生まれ悲鳴が聞こえる。
「あれは、まさか、風紀委員の秘密治安維持兵器ですか?」「バカも休み休み言い給え、有ったら良いと思う。そんな秘密兵器有ってたまるかってんだ!大体に予算を削っているのは、生徒会が……」
 会長と風紀委員長の通信用MADが光り、通信が入る。
 「何ですって!生徒同士のいざこざから生徒会と風紀委員と生徒が、戦っているって何を言っているの!」 「あん?風紀騎士団から応援要請が来ているって?無視しろ!委員長命令だ!」
 2人は向き合い互いに右手を出すと握手した。
 「「今だけこの事態を抑えるために共闘しようしましょうか?」」 「2人とも此処4階ですよーまってー」
 驚く秘書の声を背後に、会長室の窓から2人とも飛び降り広場へ向かって行った。
***
 何が一体起きたのだろうか?時間は、少し遡る。
 此処は中央広場、立と結衣と美雪も部活動勧誘のイベントに参加し、美雪は吹奏楽団の勧誘を受け、結衣と立は傍の魔道具研究部の展示物を見ている。
 「立くん見てみてこれ、ピコビリハンマーだよ!叩くと魔術式アプリが起動して、雷が起こるんだよ」
 結衣が黄色い所を持つ、紅いハンマー部を机に叩くとパチパチと火花が発生した。用途の所には、相方へ激しい突っ込みをしたい時に使用すると書いて有る
 「(激しいつっこみって、命がけですね)」 「あら、可愛いお客さんだこと?」
 声の方には、三つ編みに黒縁メガネに黒髪黒目。 実に、工学系女子といった感じで高校生で印の【H】の紋章がブレザーを来た少女が立っている。
 「【JH】という事は中学生の子達ね、私は幸子っていうの宜しくね」
 「幸子さん、私は結衣って言います。このハンマーって漫才以外に使う機会って有るんですか?」 「ふふふ、良い事を聞いてくれました。其処に寝ているのが、ウチの部の部長なのですよ、結衣ちゃんハンマーかして」
 結衣が、渡すと幸子という少女は部長の頭をパチンと叩く。部長は、ビクンと震えたと思いきや立ち上がり、周りを見た。
 「そう、これこそ、目覚ましハンマーなのよ!先生方には凄い好評で此れから実用化へ……」
 部長の少年は、2人に説明している幸子からハンマーを奪い取り、お返しとばかりに頭を叩いた。少女の躰に、電気が走ったかの様にパチパチと音がし幸子はフラつく。
 「部長!酷いじゃないでうか!」 「寝ている人間に、行き成りは無いだろうが!しかも是れリミッター外しているな」 「つい、やっちゃったぜ☆」 「うん、分かった、後で君の予算少し削ちゃうぜ☆あと君たちは真似しちゃダメだぜ☆」 「部長ごめんなさーい」
 キメ顔で立と結衣を見ている部長に幸子が抱きつき、抗議をしていると別な方から喧嘩声が聞こえてきた。
 喧嘩の場所は、体育会系の部活の勧誘場所から発生している。
 「あんだごら!腐れ草野球が」 「クラぁあ誰に言ってねん?ボール蹴るしか能が無いお前らが」 「おいごら!舐めんてんじゃねーよ、お前らの部活なんて1年生は全員ボール拾いだろうが何が楽しいだ!糞が!」
 どうやら野球部、サッカー部、テニス部が新しく入った新入生の女子生徒を狙って競り合いをしている様だ。
 「生徒会だ!お前ら何喧嘩しているんだ!ささっと持ち場へ」 「うっせーな生徒会!入ってくんな此れは俺たち体育会の問題だ!」 「「そうだそうだ!」」 「お前ら仲いいなー」 「「「フン、そんな関係者じゃないんだからね!ただ、体育会系と中の友人でも有りライバルでも有るだけだ!」」」 「はいはい分かったから、後の話は生徒会で聞くから部長を……」
 パシュっと音がし、生徒会の腕章を付けた1人の生徒が、大地に倒れる。 音の先には、黒い甲冑の様な格好をした人物達が現れた。 指揮官と思われる、馬の様な物に乗っている人物が声を上げる。
 「我々は、風紀騎士団だ!騒ぎを起こした物も其れをナアナアで済ませようとした生徒会も全員拘束する!!掛かれ!!」
 黒い甲冑の人物達が、銃や様々な型のMADを持ち構える。先程まで、争っていた男達が仲良く彼等を見る
 「あ!風紀委員さんよ?誰に物言っているねん!?俺達は許可を貰ってやっているから拘束されるいわれは無いぞ!やろうども畳んじまえ!」
 サッカー部は、どこかの少年探偵が持っている足に付けたキック力を上げる靴型MAD、野球部は10割り打てるバッド型MAD、テニス部は撃った玉が爆発するガット型MADを持ち魔力を込めると飛び掛った。
 「ねぇ、立君どうにかならない?」 「美雪ちゃん、戻ってきたの?」
 「皆さんもアソコの周りへ行っちゃった」
 体育会系部と風紀騎士団が戦って居るのを見、吹奏楽部は此れ幸いと戦闘している両軍を音楽で、応援している。黒や様々な色の服を着た者達が、倒れたり起き上がったりして、収集が付かなくいのを見た、立が判断を下す。
 「アレは、無理だねどちらを助けても、角が立ちそうだ」 「立君、さっきのハンマーから良い事考えたんだけど」 「そうなの?結衣ちゃん?」 「電気を流して、誰かがやったか分からない様にすれば、良いんだよね?」 「そうだよー出来るの?」 「うん、やってみる紅おばあちゃん耳貸して」 『分かった!イメージだとそんな感じか、後は坊主の持って居たイメージからやってみるぞい』 「おばあちゃん……」
 言葉を切り、結衣の瞳が突然虚ろな瞳に変わった。
 『べにがやらなくも妾ならもっと凄い物が出来る』
 『へっつ?(一体何がおこるんじゃぞい)』
 結衣が手を上げ、手が光り光は宙に飛んでいった。
 同時刻、国際宇宙センターの窓から月を見ていたISS職員は、とんでも無い物を目の当たりにした。其処には、宇宙空間が水が揺らぐように動いたかと思いきや、突然巨大な物60km程で表面が、液体でコーティングされた様な物が現れた。 其れは水の様に宇宙空間を映し出すと地球の方へ向かって行ったのだ。思わず声を上ずらせながら指を差す。
 「キャプテン有れを見てください!」 「何だアレは!宇宙船か星なのか?」 「早く、ケネディ宇宙センターに繋ぐんだ!」 「キャ、キャプテン」 「なんだ?」
「あれは……」
 おでんの大根の様な8本の柱が回転し、其処から光が生じる。弧を描きながら一筋の大きな光を生み、国際宇宙センターを振動させ、周りの人工衛星を破壊しながら地球の東京へ向かって行った。やがて、立が居る学院の中央広場上空で広がり、バリッと音が生じると同時に多数の光の束が生まれた。大地に落ち、争っていた人間は、バチッと音と共にプスプルす音を立てなが白目で大地を転がる。其れを見、逃げ様とする生徒達へ次から次へと光の束が当たり彼等の動きを止めていく。
 『どうじゃやるだろう……』
 ドヤ顔で言っている結衣の瞳に光が戻る
「おばあちゃんどうかしたの?」『イヤ、何でも無いがアレはなんじゃ?』
「よく分からないけど、頭の中の情報だと【イズレハラウ・ローン要塞】からの雷神の一撃トールハンマーって成って居るみたい」『お主が作ったのか?』「うーん良く分からない、デモ碓か昔の人が魔法で異空間を……」
 結衣は眠そうな顔に変わり、フラッとし立が結衣を支えると結衣は幸せそうな顔をして眠り始めた。
 『立や聞いたな?」 「うん、古代超文明の魔法使い達が作った【イズレハラウ・ローン要塞】をど うやって止めんの?」 『知らぬぞい」 「あん?」
『直ちに影響は出ないから問題は無かろうに……ぞい』
 光の束の第3射が発射され、周りに居た吹奏楽団に直撃し、楽器が粉々に成り楽団員は地面に倒れた。
 「直ちに影響は出ないけどこれまずくない?」 『各省庁と協力し、前向きに検討して行きたいと思いますぞい』 「政治家に成っちゃったよー」 「立君、良い方法があるよー」 「どうするの?美雪ちゃん」 「止められないなら、避雷針を作ればイイんだよ!」 「その手が有ったか!ムニン・フギン頼んだよ!大量のエネルギーを回収出来る2850年米製ネオエネルギージオフロント、運用する日本製VRMMOを合わせた的な物を魔法風マジカルテイストで」 『始めて大きな建築が始まるな、立!』 『それでは!』
 広場中央が光り、黒くて三角でのプラミッドが出来た。 光りが黒いピラミットに当たるとプラミッド下が淡い翠色を帯び、ポッカリとピラミッドに大空洞が出来始め、巨大な空間が見え始めた。
 「ふー此れで、当分の間は大丈夫かな(何かアレの第何都市東京の地下見たいですが後は、何とか成るというかしてください)」 「流石、立君凄いわ!私の意見から此処まで、するなんて私の見込んだ男だけあるわ!」
 両手を腰に当て、先程の結衣のドヤ顔に負けないドヤ顔をし、立に美雪が抱きついて来た。暫くして立は、寝ている結衣を背負いながら美雪と共に広場を後にした。

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