~異日本転生~チーオタ少年はハーレムの為に国家魔法師に成る!

奈楼小雪

16「母親達の雀会」



 「カンカンカン!嶺上開花!オール8000」
 「うえぇー飛んじゃったーー」
 「咲ちゃんは、やっぱりつよいねー」
 『成程此れが、麻雀という者なのですね!』
 「麻雀ってやっぱり楽しいね!」
 此れは、立が達矢と問答を交わし、結衣と美雪が仲良く寝ている間の事。
 眼を覚ました美雪の母親の美咲●●、立と結衣の母の道子と愛鈴は、4人●●で、麻雀をしている。
 「でね、咲ちゃん、木星の近くに送られたのよー、立が作ってくれた有酸素魔術式アプリを使って息を繋いでいたら、近くに水の惑星があったよ!其処で、出会った親切なこの人が、家まで送ってくれたのよ、折角だから愛鈴を連れて此処に戻って、来たわけよ」
 『みなさん、こんにちはわたしは龍驤りゅうじょうと申します』
 3人の女性陣が椅子に座り、自動雀卓で麻雀をしているのに対し、その龍驤という者は座って居らず立っている。意地悪されている訳では無い、その者は黒い長方体まないたの形状をしている為に、座ったらホントの意味で腰を折ってしまう●●●●●●。それは、器用に緑茶と雀牌を浮かばせ、何処に有るのか分からない手で、牌を切ったりしていた。

 『其れにしても、道子さんのお陰で助かりました。せっかく、陸を作ってたら訳の分からない生き物達に襲われてしまって……』
 「でも、此方は味噌が効いて美味しいよー」
 「あらー美味しいわージュシーな味わいね」
 「こちらは、コリコリして美味しいわ」
 雀卓の横のテーブルの上にカニとウニとナマコが置かれ、食べている。そう、道子は木星の衛星エウロパ●●●●に降下し、龍驤を助け、そのお礼にやっつけた生き物達毎、此処に送って貰えたのだ。
 『我々のルールでは、育てた生き物に手を出すのは禁じられてます。道子さんが、居なければ此等の海獣に躰を蹂躙される所でした……』
 「所で、質問いいですかー?」
 『はい、愛鈴さんでしたっけ?どうぞ!』
 「龍驤さんは、元からその名前だったんですか?」
 『イエ、元々我々に、名前は無いのです。道子さんが、私の上にこのヌメヌメしたナマコという生き物が乗っているのを見て、まな板だなと言われ。その後に息子さんが見ていた動画投稿サイトで、まな板の事を龍驤って言ってたし、カッコイイからそうしなよ、って言われリュウジョウって名前のかっこよさに引かれ、その名前にしました!』
 立が、見ていたのはニラニラ動画で、旧日本帝国海軍の艦艇を美少女達の姿にした動画。その中で、その関西弁のキャラに変質的な愛着を持った人達が、ニラニラ動画内の流行に合わせて作った物。だが、此処に居る人間は知らないので問題は無い。
 『私は、此れで帰ります。また、道子さんに、お助け戴く事が有るかと思います。今回のお礼の品は、家の方へお送りしときました。其れではまたー』
「「「またねー」」」
 その黒い立体は、パット姿を消した。 其れが、家に送ったお礼の品で騒ぎに成るのは別な機会に紹介したい。 そして、道子は疑問に思っていた事を2人に聞いてみる事にした。
 「2人共、黒くて立体な物が、話しても驚かいないって凄いね!」  「慣れたよーそうだよね美咲ちゃん!因みにー私は、みちさんが空母持ってイージス艦だっけ?有れを殴っているのを見てから、もう何も驚か無く成ったよー」
「私も慣れちゃいましたわーみちゃんが、通学中に取り押さえに来た自衛隊の特殊部隊の人達を、装甲車ごと首相官邸に投げ入れるのを見たら、もう何も不思議なんて事ないわよーだって一番驚く事はー」
「「だってあのタダシさんと結婚した事ですから」」
「えーそうなの?」
「成績優秀に容姿端麗で、女子に絶大な人気だったけど、何事にも興味を持たないタダシさんがデートに誘って、プロポーズして結婚して」
「そして、赤ちゃんまで作っちゃって、可愛い男子で、タダシさん似でスクスクと育って」
「「娘達と一緒に寝ている、何て……何処のファンタジーストリーよってね」」
「私ならそんなストリーを書いた人間が、居るなら脳内カッさばいて機械に置き換えるわ……」
「私なら、そんな三文小説書いた奴は、若い衆に頼んで骨まで砕いて貰ってアスファルトにしちゃうますわー」
「酷い!言われようー私は一般的な主婦の1人よー」
「「イヤイヤ、ご冗談をよしこさん」」
  2人は眼を合わせ、言い合っているとスっと襖が開き、銀髪碧眼の老婆が現れた。
「「お久しぶりですおばさま」」
「お母様、こんな所にいらっしゃる何て、珍しいですわね」
 老婆は、空いている椅子に座り。カニの殻を剥き、ポツリと質問をした。
「そういえば、道子さんに愛鈴さん息子さんの進学先は、決めたのでしょうか?」
「「えーと、近くにある国立先端魔法教導中等高等学院に頑張って入学させようと思っています……」」
 道子と愛鈴は、仲良く答えた。
「美咲さんや美雪は、何処に行く予定でしたっけ?」
「代々、我が家の女子が行っております、私立アイギス魔法女子学校の予定です」
「美雪も国立先端魔法教導中等高等学校に行かせます」
「おばあさま!?」
「代々其処に行く、それになんの意味が有りましょうか?愛を育むラブクラフトするには、男女は一緒にいた方が良いのです?」
 ブーっつと道子と愛鈴はお茶を吹き出し、美咲は口をアングリ開けていた。
「アラアラ、話に聞いた所によると、立君と結衣さんは将来を誓い合った中で、既に同棲しているという話ですがね」
「「何故其れを!?」」
「私の古い友が教えてくれたのですわ。そして美咲、我が家の乙女の間の結界が揺れ魔法が解かれた。」
「何ですって!?」
 美咲が声を上げるのを聞き、老婆は美味しそうにカニを口に頬張りついでとばかりに美味しそうにウニとナマコを食べた。
「美味しいわ!っという訳で、美雪も明日から道子さん貴女の家で生活させるから宜しく。既に転入手続きは行わせているわ安心してね」
 言い終わると老婆は空いている雀卓に座ると肩を慣らした。
「私が、勝ったら全部理由を教えてあげるわ、でも負けたら一点に付き1000円で!後は、美雪を理由無しで、受け入れて貰うわよ」
 挑発をする。
 「「「受けたわ!!」」」
 3人は乗り、雀卓を4人の雀気がパリパリと音を立て振動する、老婆は右腕をヒュんヒュん鳴らす。
「不肖、寧桜家当主、寧桜美照ねおみてる!老いたといえ、まだ健在成り」
 晴れていたはずの空が、彼女達が卓を囲んでいた所から曇り始め、雷雨が発生しはじめた。
 やがて、雷雨が晴れると其処には老婆に点棒を全て奪われた母親達が雀卓に顔を突っ伏している。
「強い……さすが咲ちゃんのお母さん」
「機械だって、右手のあのコークスクリューでツモ出来ないよー」
「お母様、容赦ございませんね。正月のお年玉の時に、子供達から賭け麻雀で巻き上げてる以上のやる気ですよ」
「ホホホ……可愛い孫娘達の為ですからね。全員仲良く3200点×3で9600点でつまり私は約1億円の利益ですね。其れを、みゆきを預かってくださる道子さんへ当分の生活費としてお渡しします」
 老婆は、パチンと手を鳴らすと執事服を来た老人がアタッシュケースを持ち入り、雀卓の上に広げる。其処には、1億人の福澤諭吉が顔を覗かせていた。
「こんなの美照おばさま受け取れませんわ!負けた以上は、責任を持って何も聞かずに立と一緒に生活させ過ごさせます」
 道子は慌てながら、アタッシュケースを老婆に返した。
「貴女の事だからそう言うと思っていた、でもお金は幾ら有っても足りないという事は無い、そして何より国や家の為に、奥に篭もり長い間孫娘と遊んでやれなかった私の贖罪でも有るのよ……」
 老婆は笑顔を見せながらアタッシュケースをもう一度道子に押し付けてウィンクをして手渡し踵を返すと入って来た襖を開ける。
「美咲さん、当分の間、私は奥へ篭るわ!その間は、貴女が当主代行としてしっかりしなさい!次に会うのは恐らく美雪の結婚式かしら?」
「はっつはいお母様!」
 美咲に、突然の当主代行を命じ、執事服の老人と共に去って行った。
 窓の外の晴れた夜空には、織姫の星であるベガと彦星のアルタイル、そしてデネブの夏の大三角形が仲良く宇宙そらで輝いていた。

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