~異日本転生~チーオタ少年はハーレムの為に国家魔法師に成る!

奈楼小雪

10「少年少女達も努力する」

 東京と言っても、高層ビルが立ち並ぶ所、奥多摩の様に、東京なのか?と疑いたくなる様な所もある。どちらも、東京の一部である。
 立は、東京駅から車で、1時間程、田園調布都に住んで居る。
 今日は、近くの公園で、朝から、女の子と自主トレに励んでいる。
「立君、こんな感じでいいかな?」
 赤いジャージ姿の少女が、振り返る。少女の前には、倒れた大木が多数転がっている。
「ええ、結衣さんかなり良いです。どういう方法で、こんな大木を倒せたんですか?」
「えとー良くわからないだけど、私の頭の中で、物にマイナスの力を加えて壊しちゃえば良い、という考えが浮かんだの!うーんと」
 結衣は、素手の手を立に見える様に横を向け、左手に石を持って右手で触った。触った、石の部分が消えて無くなっていく。
「(これはもしかして対消滅、だがこの子にはそんな記憶があるわけっ)」
 立は、結衣の傍に居る洋人形に目をやる。
 人形は、目を逸した。
「結衣ちゃんは、もう少し頑張ってやってみてね!べにさん、ちょっとお話いいですかね?」
「わかったよー、今度は、きんせつかくとうせんじゅつというのをやってみるね」
 立は、洋人形を拾い、結衣を背中にし質問をする。
「紅さんや、僕の記憶をどこまで、引っこ抜いたのですか?」
『お主の正体が、900年以上生きていた、人工知能という所までじゃな』
「つまり?」
『お主の持っている記憶が、全て私、つまり結衣の中にある』
「っつ!」
『だが、そもそも儂は、其処までする気は無かった。原因は、お主と結衣の間に共有の強い回路が出来てしまった為に、止められなかった事にある』
「回路?」
『魔法使いにとって、相互回路の生成というのは3つある。魔法のMADの共感、魔力による循環、そして血による結束』
「でも、僕は結衣ちゃんとMAD、魔力のもしてない!血による結束も……キスをしたっ!」
『気がついたか?小僧よ、お主は結衣からキスをされた時に、血が流れ舐めたよな!血による結束、それには、条件がある』
「条件?」
『男女が、血を舐めあう前に、互いに願いを掛け合う!結衣は【弱い人を助けたい】、お主は【分かったよ助けるよ、でも僕が】と言ったな?』
「いったけど……」
『願いをし、成就させる、絶対の契約。魔法契約の中でも、血の契約は、女が願いを叶える男へ、身も心も全て差し出すのを前提に、創られた契約。将来を誓った、仲でしか行わない、秘儀の中の1つ。』
「という事はまさか」
『おめでとう!小学5年生にて許嫁ゲット立君!しかも、緋色の血族の最後の血筋。因みに契約を不履行した場合は、男は死ぬ』
 立の思考回路は、スパコン以上に、目まぐるしく変化する。
【不履行したら死ぬ】=【文化的生活アニメとラノベが、終わる】
 そして、結衣の母の容姿から将来像から、結衣とハッピーエンドを迎える事にした。
「分かった、何とか頑張る。ところで、緋色の血族って何さ?爆裂魔法が好きな子の血族です、って言ったら怒るよ」
『緋色の血族。大昔、この国で、古くから魔法を学んできた一族。1番の特徴は、赤い瞳。一族の子供の中で、継承者のみが、昔からの記憶を記録している。10万年程な』
「おかしくない?有史が、4万年前だから、そんなのある訳無い」
『有る訳無い……米国は、我が娘の1人を奪い、娘は我が一族の秘密と妹を守る為に、その命を散らした。有史4万年間中で、人間は何回大戦争をしたと思う?』
「3回?」
『近代では、3回の大きな大戦争をした。もっと、有史以前は、多くの命が失われる超魔法大戦争が10回程有った。多くの、氏族が消滅した。だが、幾らかは生き残り命を繋いだ。だが、古代の魔法の体系や術式は、失われた』
「まさか?」
『そうだ、結衣の中には、本人は意識していないが、古代の魔法の体系や術式が全て詰まっている。そして、お主の知識を入れ、過去・現在・未来の全ての知識が合わさっている』
 やばい、と立は悟った。過去の失われた魔法、立の知っている900年後の世界の技術。この子は、アカシックレコード並みに人々が求める存在である。
なんとしても、自分の手元に、置いとかないとと思った。
「見てみて立君、凄いでしょ!」
 結衣の声で、人形を持ちながら振り返る。そこには、未来から来た、暗殺用の銀色に赤い眼の人型機械がいた。目にも止まらぬ速さで、結衣に殴り掛かる、結衣はまるで止まっているかの様に躱す。機械の躰に、パンチをする、機械の躰が光の粒となって消える。
「(対消滅のパンチ!)凄い凄い結衣ちゃん(後、有れは2900年に投入された人型兵士じゃないですかー)」
「ありがとー立君。でも不思議なんだよねーこの間まで、こんな事をしらなかった。でも、急に頭の中に湧いてくるの……元から知っているみたい…」
 ふらっと結衣の躰のバランスが崩れ倒れ、立が素早く寄り結衣を支える。
脳処理限界キャパシティオーバーですね。でも、丁度良かったです、アドラーさん?」
 夕日で、照らされた木陰の根元が歪んだ。
 三つ編みお下げのメイド長が姿を現す。
 立は、寝息を立てている結衣をアドラーに渡す。
「完璧な隠蔽で、さっきまで気が付きませんでした。後半に不審者が、現れてから殺気出しすぎです」
『気ずかれていましたか!流石です。で、貴方は、どうされるのですか?』
「僕も、少し運動をしたい、不審者の処分は任せて下さいな」
『其れでは、お気を付けて』
『夕飯が楽しみぞい』
 人形が、メイド長に抱きつく。メイド長の姿は、消え居なくなった。
「ムニン・フギン自主練習をしましょうか?今日は良い獲物サンプルが入ったようですし」
 立は、両手の骨を鳴らし、悪い笑顔をした。

「うぁああ:;@:%&''%%」
 部下の断末魔が聞こえ無線が切れた。男は焦っている。任務は簡単、標的の少年か少女のどちらかを拉致し、本国に送れば良いというものだったはず。
 最初に見つけたのは少年、周りには誰も居らず少年を多数で包囲し、追い詰め自由を奪うという判断を下した。11歳の少年相手、軍所属の大人に掛かれば容易いと思っていた。それが、普通の11歳●●●●●●成らば正しい答えだっといえる。
「フムフム、ロシアの方でしたか。中々良い近接戦法のシステマをお使いの様で」
 果たして、木の枝に乗り、大人の男の頭だけを片手だけで持つのが、普通の11歳と言えるのかは疑問がある。立は躰は11歳だが精神的には既に911歳である。
 男は、銃型MADを構ている。
「どうやったか知らない、まだMADも持っていない子供じゃ無いか!無駄な抵抗をやめて、おじさんと一緒に来なさい!そうすれば、君の身の安全は保証しよう」
「そうですねー私に勝てなら良いですよ!」
 立は、男の方へ空中を歩き出す。男は、立へ魔法を撃ち始める。男が撃った魔法は、霧散霧消うんさんむしょうし消えた。
「中々、高威力のスタン魔法をお使いの様で、私の様な幼気な子供●●●●●に撃ったら、心臓発作で死んでしまいます。自分で、体感して下さい」
 パチンと右手を鳴らす。男を多数の光が貫き、男は大地に倒れる。立は、倒れている男の頭をもう片手に持った。
「【ブリュンヒルデ】」
 周りの木々をなぎ倒すかの様に、超弩級大型の戦車が現れ、二人を砲塔の中へ投げ込む。
「ムニンとフギン宜しく、目標位置は、東京在日大ソビエト国家統合体大使館」
『あいよ、人間砲弾をリアルで見れるなんて』
『昨日見たアニメでやってたな』
『『フィヤー』』
 二人の男たちは、仲良く空を飛んでいった。

 此処は、東京在日大ソビエト国家統合体大使館。バリバリバリンと音がしガラスが割れる。音を聞きつけ、警備員達が集まる。そこで、先程、任務で出かけけた、工作員が転がっているのを見つける。
「どうして、こいつらこんな所に居るんだ!任務じゃなかったのか?」
 警備員達が、どうするかの相談をしている。その間に、二人の男達は立ち上がり、虚ろな瞳で銃型のMADを持ち、警備員達に向って撃ち始める。倒れる警備員達、何かが爆発しサイレンが鳴る。大使館は、上に下に大騒ぎである。
 立の方は、家に帰りながら肩の上でゲームをしている2羽に聞く
「ムニンとフギン何のゲームしてるんだい?」」
『最新のゲームだよ!』
『凄いんだぜ、実写感が有ってね。ステージは、東京在日大ソビエト国家統合体大使館だぜ』
「遊ぶのは良いけど、程程にね。さて夕飯は何だろう?」
『大ソビエトさんは凄い、色んな所に銃型MADが隠してある。ムニン、これRPG型MAD上げる』
『アリガトウ、フギン!さて、壊れるまで、遊び倒そう』
「この匂いは揚げ物、夏だから素麺かもね」
 立は、暗く成った空を見上げ、2羽に言いながら家に入った。

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