~異日本転生~チーオタ少年はハーレムの為に国家魔法師に成る!

奈楼小雪

7「鬼女に侵入者達が出会ったら?」


 燃え上がる燃料タンク、響き渡る警報の音、逃げ回る人達の悲鳴が聞こえている。
 観艦式をVIP席で見ていた突然の事に高官達は、呆然とその光景を見ている。突然、黒ずくめの二人組が、湧いたように人波から現れる。
 傍までやってくると、一人が肩にロケットランチャー式のMADを掛け、もう一人が、弾のMADを込め、VIP席目掛けて発射した。
 やがて、爆炎と煙が上がった。
「やったか」
「なんだ?」
 男達の声がし、煙が晴れる。其処には、右手を翳していた女性がいる。
「2人とも後は頼んだよ!ちょっと片付けてくる」
 その女性は、背中越しに日米の軍トップに言い。VIP席から飛び降り、カバンからナックルを出し、彼等に迫る。
「撃て!」
 銃型のMADから、空から飛んでくる女性に向かい、数発魔法を撃った。だが、全て砕かれる。
「うそだろ!」
「逃…」
 2人が余りの光景に、驚いている間に、女性は、2人の懐に入った。
 先ずは1人、腹にナックルパンチを受ける。VIP席の壁に、グチョっと肉が、叩かれる嫌な音がしめり込んだ。
 もう1人は、赤い壁になった同志を見、アーミーナイフを構え。背後から、女性に、飛び掛った!
「遅いよ!」
 女性が、後ろ向きで、右手を合金製のナイフに当てる。
 パキンと音と共に、ナイフの刃が割れる。男の右手が掴まれ、ベキっという音がし、右手を引っ張られる。
 宙を舞い上がった男は、女性の前に躰を向けられ、両手を掴まれる。
「残念ながら、私は手錠が無いから、アンタを縛っとく。紐も無い、あんたの手で良いよね?」
 ベキメシメシゴキと音がする。
 男は両目を白目にし、股間から液体を垂れ流す。
「全く、あの中将の方が、同じ事やられても、耐えて口にMADを持って、抵抗した!最近の男は、ダラシがないわ、中将!これ任せるわ何とかしといて」
 両手を蝶結び●●●●●●された男を、将校らしき人物と話している中将の足元に、放り投げる。
「さて、坊やと可愛い子をお迎えに行かないと!その前に、此れを何とかしないと」
 振り返ると、襲撃者に奪われた。ビルの5階ほど有る人型のロボットが、VIP席の壁を突き破って現れる。
 このロボットの姿は、此処に居ない立の前世の日本で、かって豆腐になった人気ロボットに似ている。曲線的なシルエットに、翠色のモノアイの顔、チューブが付いたマスク、全高17m程の日米が合同で作った機体で有る。
 正式名称は、魔法騎士、読みはマジカルナイト(Magical Knight:MK)。
 決して、モ○ルスーツでは無い事を補足しておく。現在は、各国でも研究されている。将来的には、宇宙空間での移動に使えれば、新しい事業を展開出来ると期待されている。
 一方、立は
「見てみて、すごい、ロボットどうしがたたかって居る」
「ええ、凄いですね!(何時から、この国は、ジ○ンとの戦争をする事になったのでしょうか?あれ、どうみても、翠のアレです。でも、仲間同士で戦って居る?イヤ敵に奪われたのか!)
 テラスから飛び出んばかりに、躰を乗り出している結衣を一生懸命に支えながら思考を巡らしている。最初は、1体1で有った。やがて、2体目が現れると1体の方が押され始めた。
 立は、脳内回路で彼らと連絡を取る。
「(フギンとムニン、どっちが味方ですが教えて下さい!)」
『(こちら、ムニン1体の方が味方です)』
『(フギン、同じ様な事が多数の箇所で進行中)』
「結衣ちゃん、どうやら1体の方が、味方の様です。此処は危険なので逃げましょう!(まだ、小5なので取り敢えず逃げても誰も文句を言いませんし)」
「やだ!助ける!おじいちゃんが、何時もよわいひとをたすけないさいっていってた」
「え!でも(子どもの正義感というのは、やっかいな物ですね!此処は無理にでも)」
『流石、妾が、見込んだだけのある子だ!アッパレ成り!だが、お主だけでは、この状況は打開出来ない。だが、そこの坊主を使えばいいぞよ!』
「どうすれば、いいの?」
『そこの小僧とチューをすれば、妾が小僧の記憶を抜き出す。そして、適当な戦えるロボットを見繕う、この年齢の男子は、ロボット物が大好きと決まっている。若造も、協力するよな?』
「でも、僕達みたいな小さじゃ…」
 結衣は袖を引っ張り、顔は瞳をうるうるさせ、お願いする様な可愛いらしい顔をしている。
「おねがいーたすけてあげたいにょ」
『なぁ、坊主?子供だから逃げるのも至極真っ当だ!此処で、逃げたら男が廃るものだぞ、どうする?小僧一生逃げる人生を送るか?』
「分かったよ助けるよ、でも僕がなんと…」
 立の唇を、暖かく柔らかい何が当たった。人形の言った事を実行するために、結衣がジャンピングキスをしていたのだ。
「「イッタイー!!」」
 二人が同時に唇を抑える・
『よくやったぞい、小僧の中の記憶とお主が好きな、名前の機体を再現する』
 テラス前のボロボロになった道路の上に、幾何学模様が書かれた円陣が現れる。其処から一機の機体が現れた。
 その機体は、ビル6階程で躰全体が赤紫色、関節と肩が白く、直線的なシルエット、人間の両目の様な物、額にVの字の金色の飾りの様な物が付き、瞳の色が翠色で有った。その機体は、立と結衣の方を見た。
「額に七生報国と書いてある……(それ以外どうみても、自由と対を成すあの機体だ!!やだーこの子の名前は、緋色結衣ちゃんであって、吉良君の友達じゃないですよ!)」
『どうもーまさよしです。正義せいぎと書いて、まさよしと呼びます。完全独立支援魔法ユニットまさよしです!宜しくお願いします。』
「おじいちゃんと同じなまえだー、おじいちゃんいつもていねいなことばつかってたってきいてたー」
『其れは奇遇ですね。お嬢さん危ないから私の中にお入り。ちっ!男が居る、よく見たら、君の魔力は良い予備電池、イヤ魔力供給源に成りそうだ』
 腹部がパカット開くと、人が二人入れる分の操縦席が用意されている。
「(ねぇ、今舌打ちした挙句、電池っていったよね!何処のダブルゼロさんの所の二重人格さんですか!)』
 立は思ったが、操縦席に入ると画面が360度展開される。
 其処には、奮戦していた魔法騎士マジカルナイトが今にも撃たれそうな状況が見える。
『弱い者、イジメはいけないな、まさよし介入する』
 その大きな巨体から信じられない速さで、あっという間に1体の魔法騎士マジカルナイトに迫り、マジックサーベルを出し、操縦席付近をぶった切る。
 敵魔法騎士マジカルナイトは爆発した。
『大丈夫か?』
 通信回線が開かれ、ディスプレイには額から血を流した男性パイロットが映る。
「ああ、何とか……君は一体?」
『儂はまさよし!七生報国のモットーに戦う老人じゃ!』
『さすが、お爺さんですわ』
『誰かと思ったら、紅婆さんでは無いか!再び会えるとは感謝じゃおっと」
 後ろから、現れた機体が撃つ弾を避け、マジックブーメランを投げると真っ二つに裂け、爆発する。
『少年よ、君なら敵味方分かるだろう?あとどの位居る』
 立は脳内のデータを見る。
「敵、後5体だね。でも、何故か一箇所に集まっている。一網打尽に出来る。地図にマーキングしたから其処に向かって」
『了解した!其方の魔法騎士マジカルナイトに乗っている君に告ぐ!他を制圧する為に、君を置いていくが良いか?』
「問題ない、支援に感謝する!」
 敬礼すると画像が切れる。
『さて、行くか!!』
「(まさか、母さん相手に、5体の魔法騎士マジカルナイトと戦って居るなんて思いたくない……)」
 高速に移動する風景を見ながら、立は思った。
***
 何時の時代でも、嫌な予感と言うのは、的中する物である
「化物め!」
 中国語で、悪態を付きながら魔法騎士マジカルナイト内の男は、トリガーを引き向かってくる女性に撃つ。
 全弾弾かれ、カメラが見えなく成り、ベキベキという音がする。やがて、操縦席前の装甲が剥がされ笑顔の女性が現れる。
「はーい!お仕置きですよー歯食いしばれや!」
「?&%&%$*+`」
 パイロットが、絶叫する前に、操縦席がドスンの鈍い音と共に揺れる。
 魔法騎士マジカルナイトは膝を付き地面に倒れた。
「あと4体か!ママ頑張ちゃうぞー」
 両手のナックルを当て火花を散らし、魔法騎士マジカルナイトを睨む。
 4体の魔法騎士マジカルナイトは後ずさりを始める。
『後ろが、がら空きだぞ!兵士諸君!幾ら魅力的な女性が居るといえど、戦場では、其れを死を意味する』
 声がし、1体の魔法騎士マジカルナイトの操縦席部にマジックサーベルが刺さる。ポッカリと腹部に穴が出来た機体が2体の付近に投げられ魔法騎士マジカルナイトは爆発する。
 残りの一体は、マジックガンを喰らいチーズの様に穴が空き、大地に躰を撃ち付け爆発した。そして、爆風を浴びバランスを崩している、2体の魔法騎士マジカルナイトへ大型のバス程もある黒くて四角い何かを其々投げる。
 投げた物体は、2体の魔法騎士マジカルナイトに吸い込まれる様にくっ付き、同時に爆散飛散した。
 爆炎と煙が晴れ現れたのは、赤紫色の機体。
『流石、粘着性魔法式高性能爆弾!やり遂げたぜ!』
「なんなの…これは」
 女性が、呟くとその機体は、女性の方を向きながら
『それがしは、【まさよし】と申す機体で御座います。少年から、多数の敵が居ると聞き参上したしだい』
「まさか……立じゃないでしょうね……」
『まさに、立という少年です!私の記憶が正しければ、可愛い曾孫の一緒に乗っている少年の名前は立です!』
 機体の腹部が開き搭乗者の姿が現れる。其処には、黒い髪に蒼い瞳と紅い瞳の少年少女がいた。
「お母さん大丈夫そうで何よりです」
「道子おねえちゃんだいじょうぶ?」
 一般人女性は、笑顔を見せながら、複雑な顔をした。何故なら、二人の唇にはキスをした様な血の痕が付いていたからである。
「(後で、立には何が有ったかを聞かないと行けませんね)」
 少し安心していると、海側から太い紅色のレーザーの様な物が、港に停泊してた艦船に当たると爆発した。
「やれやれ、まだ居ましたか…」
『敵か!どこぞ!』
 立の母、まさよしと名乗る、魔法騎士マジカルナイトは、沖を睨んだ

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