~異日本転生~チーオタ少年はハーレムの為に国家魔法師に成る!

奈楼小雪

2「この世界の魔法と歴史」

  天野橋立あまのはしりつは、前世がエシュロン、情報システム。
 情報として、人間の構造は知っていた。
 実際に躰を使ってみて、此処まで、脆い構造体は無いと思い知らされた。
 直ぐに、活動限界が来て眠くなる。
 立っても、頭が重いために転ぶ。外部装甲が、柔らかい為に、タンコブ成る物を生産する。タンコブが出来た時は、思わず痛みを発散させる為に、感情回路を使い泣いて涙を流すという現象を生むことも起した。
 其れは、周りから見れば、良くある幼児の通過儀礼という事を知った。自分が、人間の中の幼児という生き物で、有る事を再度、確認するに至った。
***
 そして、5歳に成った。
 無難なく、人間としての生を過ごしていた。そんな、立が情報体として興味を持ったのが前世に無かった
 "魔法゛
 である。
 前世では、高度な科学技術は魔法と区別が付かないと言われていた。だが、未だに、無から有を創り出す事は、出来ていなかった。
「お花さーん、綺麗にさいてくださいねー」
 母親の道子みちこが、カードを持って振る。カードから水が出、花々に水が付き、枯れていた大地が潤う。
「お母さん、カード見せてー水がカードから出ているー」
「あらあら、立も興味を持ったの?血は争えないわねー」
 母親は、天使の輪が出来て居る黒い髪を撫で、立にカードを手渡す。
 立が見たカードは、銀色、複雑な記号や印が付いた。
 首を傾げ、見ていると玄関が開く音がし
「ただいまー母さん帰ったよー」
 父親のただしの声がした。
 食事とお風呂が終わり、寝る少し前に、立は父親に質問をした。
「お父さん、質問が有ります。お母さんの使っているカードは、どんな仕組みに成っているの?」
 ただしは、ソファーで本を読んでいた。
 息子が、突然敬語を使った事に驚きを覚えた。だが、息子が興味を持った事に答えてやるのが父の勤めだと思った。
「其れは魔法と言う。魔素エーテル、空気と同じ様に有る物を使う、このカードで精製、魔力とし魔術式アプリへ流し込み、生む力の事を言う」
「魔力?」
 立が、戸惑うのも無理は無い。前世では、エーテルは存在しな。
 御伽の国ファンタジーの世界の語彙ワードで、有ったからだ。
「息子よ、此処にきたまえ」
 タダシは自分の膝の上を叩き、父親の膝の上にちょこんと座る。
 タダシが立の肩に手を置く。
「其れでは、魔力という物を流してみようかー」
「(此れは不思議な感覚ですね…躰の中に何かが伝わる様なん?)」
『(全魔術回路へのエネルギーの充填を確認……シーケンス発動……オールコマンドOK……システム異常無し……発動します)』
「(此れは…コマンド・シーケンス名について述べよ……一体何が……接続エラー……原因オバーフロウこの脳ではまだ容量が……)」
 立の意識は、此処で途絶える。
***
 気がつくと、薬品の匂いがする部屋に居る
「(良く有る物語だと知らない天井だ●●●●●●●と呟くところです。言いませんよ)」
『知らない天井だ、と我なら言うな』
『其処は、会えて言わないのが、我がマスターですね』
 声の主の方を見ると、白と黒のカラスが椅子の肘掛で羽を休めている。
 フギンとムニンである。
『元気そうで、何よりだ!』
『我が、マスターお久しぶり。中々呼ばれないので、気を揉んでおりました』
「フギンとムニン!元気にしていた!?」
 立は、飛んできた二羽を撫でながら聞いている。
「貴女は興味心で立を殺すつもりですか?」
「まさか、少し魔力を流しただけであんなんに成るなんて思わなかった」
 白衣を来た男性と道子と少しショボくれたタダシが入って来た。
「立!目を覚ましたのね」
「此れは、まさか立!MODか?」
 立に抱きつく母、フギンとムニンに、驚愕の顔をするタダシ。
 言葉の意味が、分からないで居ると二羽からデータが送られて来た。
 MODそれは。
 "Magical Organic Device゛
 日本名を魔法有機的精製装置で生体デバイスの事をいう。
 逆に生体デバイスで無い物をMAD。
 "Magiacal Atomatic Device゛
 日本名を魔法自動精製装置という。
 MODは、固有魔法でそれ以外は使えないという面が有る。だが、威力は絶大。
 逆にMADは、魔術式アプリを使用し複数の魔法を使う事が可能。威力はよほどの特化・偏重へんちょうをしない限り、ソコソコの威力を生む。
『その通り我らは』
『我がマスターより生まれし物成り!』
「ェェキェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!」
タダシが驚きの声を上げ二羽の前で両手をワキワキさせる。
「普通は喋らない、一体君たちは何者なのだ……ちょっと分解させぶへっ……」
「心電図、脳波、脈拍、その他生体バイタル等の異常は見られません。明日には退院出来るでしょう」
 道子の裏拳が鈍い音を立てタダシは頭に当たる。地面に崩れ落ちたタダシを医師は無視し、立に備え付けられている機械を見、経過を判断した。
「立は、まだ子供なのだから無理しちゃだめ。明日、迎えに来るわ。それまで良い子で、グッスリと寝ていてね」
 額にキスをし、道子はタダシの足を持ち、床に引きずりながら、医師と共に出て行った。
 残された立は、部屋が暗くなるとベッドに寝そべる。
「(コマンド、全世界を視界フリズスキャールヴ発動!フギンとムニンに命ずる、この世界の情報と国際情勢を報告せよ!)」
『『了解、マスター』』
 2羽から送られて来たのは此処が2100年の魔法という存在が有る日本。
 国際情勢は、第2次世界大戦は、日本を含む枢軸側の負けた。史実通り、日本は米国を含む連合国に占領統治後、独立した。
 その後は、史実通りに進む。だが、2045年に中華民国とアジア諸国、欧州での難民問題から国家間の対立が激化。なし崩し的に第三次世界大戦が起こった。
 国家の総力を上げた争いで、各国は魔法・質量兵器を30年に渡って使った。
 戦争で、地球の人口は半数に各国の人口も半分に減った。
 2075年に戦争の主体の六ヵ国
 大漢民国 アメリカカナダ連合国(ACC) 大ソビエト国家統合体(大ソUnion) ヨーロッパ連邦 英国 日本
 は其々休戦協定を結んだ。
 各種条約で、縛り合い六芒国ヘキサカントリーが、常任理事国と成り平和を維持している。
「(次に、この国の文化的教養アニメとラノベについて、ネット上で、展開されている情報を収集!)」
『『な!?、了解マスター』』
 脳内で、展開されるは、色鮮やかな金髪碧眼の少女達や少年が異世界で武器を取り戦う物語、異能や魔法を持った少年少女達が活躍する物語。
 其れを見ている立の顔は、目を爛々と輝かせ、可愛い口から涎が流れ、白い粉を吸って、イってしまった有様である。
「(此れが、私の望んだ黄金郷エルドラド!ビバ異世界!ビバ転生!世界よ、私は帰ってきた!!アハハハHA)」
 一人脳内で、大量に映し出された画像や映像の中で、笑う様は、某反逆の何とかで、ガウェンの機中で笑う、主人公の悪い笑顔と高笑と同じに見える。
『どうしてこうなった……』
『そりゃ900年間、俺達が電子データの海で拾ってきた一部は見れた。だけど、全てを見れるなんて、嬉しい以外の感情しかない』
 立は前世は、エシュロンの人工知能として900年の時を過ごして来た。
 彼は、時間が有る時、見ていた漫画やアニメは飛び飛びのストーリで有り、全体を見ることは出来なかった。飛び飛で有った事に、不満を覚え全部を見たいと思っていた。
 それは、魔法少女物で言うと、1話を見て次に見たのが4話で、何故か1人死に、少女達が泣いたり苦悩する物語展開で話が進でいて、訳が分からないよ●●●●●●●状態で感動の10話まで進み、残り2話という所で大震災が起きて11話12話が放送されなかった。
 その後、視聴者の原発の報道●●●●●災害現場●●●●より次を見たい、最後までの展開を、生者●●に見せてよ!というある意味で、知的潤いを求める、狂気の様な感情。
 やがて、立は一通りの文化的教養アニメとラノベを読破し、記憶●●すした。
「お休みなさい」
 二羽に言うと眠りについた。

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