グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第64話 困惑の地上と説明★

  地上で、作業をしていた兵士とオペ子は呆然と立っている。 車を運転していた者は、脇見運転で傍の建物に突っ込んだ。
 どんな事でも動じない訓練を受けた指揮官級でさえ驚いた。 何故なら、近くの山ごと吹き飛んだのだ。 
 ロケットの様に下から巨大な光を発生させ、飛んでいく。
 <a href="//19656.mitemin.net/i235256/" target="_blank"><img src="//19656.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i235256/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
 山はそのまま、空に飛んでいき姿を消した。
 『一体何が……起きたの?』
 持っているタブレット端末を叩く。 温度、湿度、磁場異常無し。 異常は……マギウス値のみ。
 超高濃度マギウスの反応。 パターンは、白虎乙姫びゃっこおとひめ。 そして、至誠賢治しせいけんじ
 『これが、特定人的災害特S級のグンマーと首都圏首席の力』
 呟いているとドンという音がし、大地が煙に包まれる。
 「何だ!」
 「ビーストか?」
 兵士達が、一斉に銃を構える。
 土煙が晴れ、現れたのは3人の少年少女達。
 「装備無しで、大気圏超えは疲れた」 「ハハハ、千葉のスペース何とかより凄かったな」 「首席、東京首席を何とかして下さい。幾ら命が有っても足りません」
 賢治に乙姫、銃子が言っている。
 『全員、銃を下ろしなさい!』
 兵士達は、一斉に銃を下ろす。
 オペ子は、3人の元に歩み寄った。
 『一体何があったのですか?』
 「それはだな!地下でひももがががが」 「乙姫ちゃんは、少し黙っていようか?」
 喋りかけた乙姫の口を賢治が塞ぐ。
 「ところで、貴女はセキュリティランクはどの位?」
 『私ですか?現在は、ランク5の最上級です』
 「では、コード666を要請する」
 『本気ですか!冗談では、済まされない事ですよ』
 「ああ、本気だ!取り敢えず、内密に話が出来る所に移動したい」
 『分かりました』
 オペ子は、3人を防諜設備の付いた指揮官車両に案内する。
 ◆  ◆  ◆
 コード666、グンマーと米国の間で結んだ首脳会談トップ。 互いに、何時いかなる時でも呼び出しを受けたら会談する物。
 『で、何を大統領閣下と話したいのでしょうか』
 「まずは、此れを見てもらいたい」
 スマホから、映像を展開する。 様々なデータやガラス管に入った少女達。 最後には、日本以外の箇所に赤い点が数箇所ある。 北米はアラスカ、南米はボリビア、アフリカはルワンダ。
 『これは、まさか……違法人造人間研究所ホムンクルス
 「乙姫首席、彼女はどう思う?僕はシロだと思うけど」 「そうだな、シロだろ?嘘を付いていたら重圧で死ぬはず」
 乙姫は、何時の間にか大剣をオペ子の影に指していた。
 「虚偽の重さジャッジ・オブ・グラヴィティだね」 「心の隅に少しでも、罪の重さを自覚していると死ぬ」 「怖いわーー」 「ただし、僕は悪くないと開き直る真性のクズには、効かない」 「誰の事かなー」 「お前のことだー!グンマー首席」
 『!?』
 オペ子は、驚き恐怖した。
 (この子達は、また私を敵だと思っていた?)
 心臓が動悸し、今にも飛び出しそうなのを息を吸い抑える。
 『これについて、話したいと?』
 「その通り、早急に頼むよ!」 「私からも頼むよ!米国が動かないなら私が動く」 「また、月に投げるの?」 「今度は、火星へ投げるマーズアタックだ」 「もう止めて!銀河はがHPライフはゼロよ」
 乙姫の【私が動く】以降の会話はオペ子は聞いていなかった。
 日本に赴任した時に、前任者からこう言われていた。
 【グンマー校と首都圏の2人はヤバイ】 【彼等は、一度動き始めたら止まらない】
 最初は、大袈裟な冗談だと思っていた。 だが、5年間の間に嫌という程思い知った。
 オペ子は、タブレット端末から緊急回線を開く。
 「ん?おはよう、どうしたのかね」
 年配の男が寝ぼけ眼で、オペ子を見る。
 『大統領閣下サープレジデント、コード666です』
 「ん?666か?ロクロクロク!?」
 『ハイ、大統領閣下サープレジデント
 画面越しの大統領は、ベッドから転げ落ち映像が消えた。
 『ちょっと待ってね』
 「「ハイ!」」
 オペ子は、大統領プレジデントの醜態に頭を抑えた。
 (父さんの馬鹿ストゥペットファザー
 どうやら、オペ子の父親らしい……。

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