グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第16話 ようこそ、浪漫部へ★


 群馬県の西端、嬬恋つまごい村。 20世紀は、鉄と硫黄の街。 21世紀は、キャベツの街。 22世紀は、対ビーストの防衛都市で第三嬬恋つまごいと名を変えた。
 山岳部には、多数の外装武器ペルソナが、備え付けられている。 防衛都市を管理しているのは、3組織。 親衛隊、群馬警備グンマー・ポリス統合部・ユニオン
 そして、浪漫ろまん部。
 2組織は、長野・新潟方面のビーストの侵攻を防いでいた。 浪漫部は、この地で対ビースト用の武器開発等をしている。
 要塞は巨大な黒いピラミッドの周りに、街が広がっている構造である。 ビーストの戦闘時には、街自体が地下に降下する。 アダムとか使徒は、残念ながらいない。
 浪漫部のコンセプトは、浪漫が有る物を作る。 今日は、朱音あかね副首席が新型兵器視察に来た。
 「今日は、部長殿、宜しく」
 「朱音あかね副首席、お待ちしていました」
 朱髪に瞳の美少女が、白衣を来た少年と握手をする。
 <a href="//19656.mitemin.net/i234640/" target="_blank"><img src="//19656.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i234640/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
 「それでは、早速、お見せしましょう」
 倉庫が開かれる。 其処には、超大型の砲門が口を開いていた。
 「口径は100サンチ、超大型砲です」
 「随分大きいな」
 少年から見せられた、データを確認し言う。 口径は100サンチ、長さは10mという砲塔。 エネルギー源は、マギウスを使った精神。 黒地に金色の線が、入っている。
 「これでも、10年前の第2代ヤマトの200サンチより、小型化しました」
 「10年前は、凛書記の雷神の鎚トールハンマーで、何とか防げた」   「ハイ、此れは見本ですが、本物は前線に配備しました」
 「フフ、此れで、彼等に対抗出来る外装武器ペルソナが出来たね」
 「小型化高性能化し、1年後には1人で持たせる様にします」
 データを展開し、朱音に見せる。 大きさは20サンチで威力は10分の1、小型化した兵器が描かれている。
 「随分、100サンチにするのに、時間が掛かったね」
 「ハイ、小型で同威力というのには時間掛かります」
 「分かったわ、予算をつけるわ。より一層の努力を期待する」
 「ありがとうございます」
 「次は、今日の作戦に付いて」
 「ハイ」
 白衣の男は、説明を始める。 そもそも、何故に浪漫部が作戦まで練るのだろうか?
 浪漫部、彼等は一体何者……。 最初、第1次2次世界大戦時の武器を考察する部活だった。 やがて、外装武器ペルソナに落とし込む部活に変わった。
 その中で、武器がどの様に使われたのか考察し始めた。 そして、武器を使う用兵について、本格的に考察を始めた。
 分からない所は、親衛隊や群馬警備グンマー・ポリス統合部・ユニオンに質問し理解した。 10年間の間に、彼等は戦術・戦略的ストラテジ・テクニカル武装兵器屋・ウェポンズに成長した。
 今日の作戦骨子は、こんな感じで有る。
 ・ビーストと南関東勢、2正面で戦い続けるのは無理。  南関東勢は、千葉の監督官が辞任した為、動員完了が2週間ほど遅い。  だから、能登半島のビーストを先に片付ける。
 ・群馬県境付近にビーストをひきつけつる。  群馬の北側(右翼)に、戦力を集中し立山を突破。
 ・そのまま鎌で、草を刈り取るように進軍。  ビーストを包囲殲滅、能登半島を開放。
 (ここまで14日間!)
 ・その後、すぐに引き返して返す刀で南関東連合を始末する。
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 「素晴らしいな、だが南関東と戦うとは決まっていない」
 「ええ、分かっております、最悪の場合に備えた計画です」
 「この作戦の名前は?」
 「朱理之あかきことわりの計画で、朱理之シュリ・フォン計画プランでどうでしょう」
 「第1次世界大戦時、独逸の対仏計画だね」
 「良く、ご存知で」
 「勿論、副首席だから。計画に追加で、此れを入れてね」
 朱音は、データを少し変更し、彼に見せる。 それは、あるダムを決壊させるプランで有った。
 「副首席殿、やればビーストは一掃出来ますが、街に被害が……」
 「構わないわ、調査隊の報告では、インフラはビーストに破壊されてるわ」
 「割ける戦力は……」
 「私が出る!次いでだから、立山連邦の強そうなビーストも駆除するわ」
 「副首席殿の実力なら、問題ないかと」
 彼は、計画の変更を行い、全員にメッセージを飛ばす。
 「状況開始まで、1時間」
 「そうですね、ようやく日本海オケアヌスを見れます」
 各部隊の映像が展開される。 浅間山の山頂には、例の100サンチが置かれ、多数の人員が見える。 上空からの映像には、黒と金の線が入った部隊が、並んでいるのが見える。 浅間山から四阿山あずまやさんまでおよそ3,000名。
 精鋭中の精鋭、親衛隊が並んでいる。 4月の晴れ渡る青空の中で、親衛隊を示す桜の旗が舞っている。 <a href="//19656.mitemin.net/i237404/" target="_blank"><img src="//19656.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i237404/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
 今、グンマーによる、能登半島開放作戦が始まる。

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