大統領フルスイングで殴ったら異世界に転生した件。
43
一瞬で状況を見て我に返った。
「アレン!!逃げよう!!あいつには勝てないよ!!!それに怪我もしてるだろ?どうやってココまで来たんだよ!!」
俺は色んな思いが一気に溢れ出て自分でも何を言ってるのかわからない状態だ。けどおかしいだろう?俺は姉御にアレンを船に絶対に乗せないでくれって言ったんだ。鶴の一声でアレンはフリーズからの船には乗れないはず。オバナに監視させていたし・・・ここに来れるわけがない。それに事故って全身バッキバキだったはずだ。そして何よりアレンがあいつに勝てるわけが無い。苦笑いしてるのが何よりの証拠だ。
「わかったからいっぺんに喋んな!!それに、俺はあいつとは相性がよくてな、正直負ける気しねぇんだわ!」「絶対むりだから!逃げようって!まじで!!お前死ぬって!!」
向こうでは方眉を上げて笑ってるあいつがいる。無理だ、一瞬期待したけど駄目だ。アレンが来た所で何も変わらない・・・。現実を叩きつけられただけだ・・・。
「久しいな、親友。相変わらず気色の悪い氷だな」「誰が親友だボケが!おめぇは死んで更に目ん玉気持ち悪くなったなぁ!おい!」
二人は俺なんか視界に入ってないとでも言うように二人の世界に入る。いや、質問に・・・・、まぁいいか。
「貴様に言われたくはないんだが、まぁいい。とりあえずコナンが質問に答えて欲しそうにしている、答えてやれよ。ゴミクズアレン」「誰がゴミクズだ、このカマ野郎が!!!」「俺の髪は好きで伸ばしているわけでは・・・・ふん、やめだ。早く話しを済ませろ!!あの日の続きをここでやってやる。」「何回やっても結果は同じだ。でコナン、なんだった?」
緊張感なさすぎんぞ・・・・。しかもあいつもあいつでなんだよ!!!さっきまで殺そうとしてやがった癖に質問に答えてやれとか。
「怪我・・・・してたよな?」「あぁ、おかげさまで全身バッキバキだったが高い金払った治療魔術でこの通りだ。」「どうやってここに来たんだ?」「氷で道作ってコナユキ乗ってきた。」「あいつに勝てるのか?」「うーん。まぁお前のおかげで勝てるかもなぁ、まぁ逃げとけ。」
やっぱり。俺が思うにこいつは俺を逃がそうとしてくれてるだけだ。そんなのは絶対にだめだ。あいつにアレンは絶対勝てない・・・。
「お前死ぬ気だろ・・・・?」「なんであんなやつに殺されにゃならんのだ?・・・・はぁ、コナン、お前は俺を舐めすぎだ。」
言葉と同時にアイシクルを地面に突き立てると巨大な薔薇の氷が砕け散り一面が氷と雪の白銀世界に変わる。その空間を見てアルフレッドが大声を出して笑う。
「おい、狡賢くなったな!!必死でもがくってやつか?」「黙れカス、神核使うのに一々断り入れるルールなんてねぇだろ!!」
俺はどうすればいい?とりあえず一刻も早くここから逃げたい自分とアレンを置いていけない自分がいい感じに混ざり合って足が動かん。アルフレッドが拳を地に叩きつけると次には向こうが炎に包まれ爆破跡にマグマが溢れる。
赤と白。両極端な世界が目前に広がる・・・。
「まぁいい、お前は己の弱さをあの世で噛み締めろ・・・・焔拳」
アルフレッドの右拳に全ての炎とマグマが吸い込まれていく。
「あぁ、そういやコナン、お前が作ったアイシクルなぁ、欠点があったんだ」
今?今まさにぶち殺されそうなこの時にそんな話し?・・・・まぁ、でもこいつに救ってもらった命か。最後の話し相手ぐらいなってやるのも吝かではないな。
「欠点?まさか!どんな欠点だ?」「あぁ、あれな、死んでるんだ。だから普段のアイシクルの複製でしか無い。東方上位種の核は神核と言ってな、本来はこう使うんだ。」
アレンがアイシクルに手をかけると周囲一帯の白銀世界が一瞬でアイシクルに集約される。それはアルフレッドと同様に全てを喰らい尽くす姿。
「氷剣」
「おい!!なんでそんなに早いんだよ!!!」
アルフレッドが叫ぶのも仕方無いだろう。明らかにアレンの集約は早すぎる、一方あちらさんは未だに吸収を続けてる。どうでもいいけどこれはまずい。それだけは確定してる。ここは危ない、すぐに離れなきゃ・・・。
「お前やっぱバカだねぇアルフレッド!!こっちは既にアイシクル50本分の氷喰わして来てんだよ!!最初のんで気付けよ!!!お前がそうしてる時が一番狙いやすかったんだよバカ野郎!!!」「クソがぁ!!だがなぁ!!お前も余裕こいて喋りすぎだ!!!」
アレンは掌でアイシクルを突き出すと次第にアイシクルは姿を変え薔薇の鱗を持つ巨大な龍が現れる。その姿は途方も無く美しくそして他を寄せ付けない圧倒的な力をその身に宿している。威圧感で背筋が凍りついたような感覚に襲われて動く事も出来ない。それに返すようにアルフレッドも拳を振りぬく。
「氷柱龍」「紅焔鳳凰」
壮大な大技の打ち合いに放心状態になった。太陽が間近に迫ったと錯覚させるような鳳凰の熱と全てを凍らせてしまうような冷気が混ざり合い生暖かい無音の空間の陥る。これ、どっちにしろ巻き込まれて死ぬんじゃね?互いの攻撃がぶつかりあったと同時に視界が真っ白に染まるやいなや、控えていた伏兵オバナ達が一斉に俺に覆いかぶさる。何この地獄。約50名が一度に覆いかぶさるこの状態。これなんてメテオ?オバナで圧死するなら焔か氷で死にたい。
だが、数人は粉塵に帰したが思ったより被害は少なかった。互いの力量が拮抗し掻き消えたようだが・・・・。
「強くなったなぁ?お前!!」「クソアレンが誰に口聞いてんだ!!」
それでも若干アレンが押し勝ったのかアルフレッドには所々傷がある。若干ボロボロだ。互いに力を使いきったのか息が荒い。
「便利だなぁ、いつものお前なら三回は死んだんじゃねぇのか?」「ほざけ、お前の技など掠りもしていない」
あぁ、俺がチョイスミスだったって事か。あんな能力あるなら、あんだけ追い詰められて当然だわな。よし、二人が楽しそうな間にやっつけちゃおう。って。おい。
なんかオバナがアルフレッドの後ろにそぉっと寄って・・・・。肩をトントンと叩いて・・・・・何してんだ?あいつ。
「ヨウメーーーーン!!!!!」
殴ったぁぁぁぁ!!!!!弾丸殴り返されて首飛んで煌きながら消えたけどあいつとんでもねぇぇぇぇ!!てか肉弾戦効果あんのかよ。アレンが真剣に俺を睨みつけてくる・・・・。なんだよ。
「コナン、男の戦いに水をさすな。」「いや、あいつが勝手に・・・。」
俺は間違ってないはずだ。よし、この際どうでもいいや。機関銃かなんかでアルフレッドを撃ち殺してしまおう。オバナが殴れるなら弾は当たるでしょ。
「まぁいいアレン。引き分けにしておいてやる」「逃げるのか腰抜け!!お前はガキの時からずっとそうだな!!カス!!」「あぁ??お前はいつもズルをしなきゃ俺に勝てんだろうが!!いつもいつもいい所で邪魔しやがって!!!」
うぅ。やりずらい。
「まぁいい、コナン。お前が今回何を学んだかは知らんが、それでも母親を取り戻し復讐すると言うのであれば、1週間後に城に来い。蛇剣十神衆が一同に会する日だ。全員殺せば結界は解ける。まぁ、横の汚れに頼めばうまく行くんじゃないか?お前だけでは勧めんが。」「誰が汚れだ!!!!コラ!!!!飛ぶなクソ!降りてこい!!ああああ!!ムカつく!!あいつ相変わらずむかつく!!!」
上空に浮かび上がったアルフレッドが笑う。
「はははは!アレン!お前にはガキの時から思っていた事がある!!」「なんだ!!勝てないから子分にして欲しいってか?」「ほざけ!!お前はいつも俺の邪魔をしすぎだ!!!」
眩い炎に包まれてアルフレッドが姿を消す。それを見て少し笑いながら地団駄を踏むアレン・・・文句を言いまくっているんだが・・・・こいつ。
「若干嬉しそうな気がするんだが・・・。」「うん?まぁ、幼馴染だったからっちゅうのもあるが、前回はラッキーみたいなんがあったからな。次はちゃんと俺が勝ちたいっちゅう気持ちが無いわけでもないが、そんなことはどうでもいい。あのなコナン、もう心配すんな、俺はお前を止めないし汚れ役も俺が引き受けてやる、だからお前は母ちゃんに会う事だけ楽しみにしてろ。俺が何をしてでもお前を支えてやる。」
・・・まぁ、純粋に嬉しいが。だが、アルフレッドに関しては不安が残る。オバナが殴れたのはいいのだが、あいつは底が知れん・・・それに。
「でもあいつは死んでも生き返るんだろ?」
「心配すんな、あいつはちゃんと俺が殺す。ってあるぇ??」
いい所でアレンがぶっ倒れた・・・・・。こいつTUEEEとか一瞬思ったけど取り消させてもらう。やっぱりこいつは・・・・・めんどくせぇ。でも。
「ありがとな。」
「どういたしまして。」
「寝とけや!!!!」
「いだい!!!蹴るな!!!」
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