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大統領フルスイングで殴ったら異世界に転生した件。

慈桜

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一糸乱れぬ隊列。真剣な表情のオバナ1000名が肩にRPGを担ぎ行進する。伏兵でスラムにアイシクルを持たせたオバナを送ったが、ただの杞憂で終わるだろう。
俺はこの戦いに必ず勝たねばならない。俺のオカンを強奪し村のババアやみんなをゴミクズのように殺し燃やしたフィンブルスルを俺は絶対に許さない。どんな強敵だろうが関係ない。どんな卑怯な手を使おうが勝ちをもぎ取ってやる。それがこの世界にそぐわない兵器を使ったとしてもだ。
アルフレッド、お前が如何に最強であろうが井の中蛙大海を知らずと言う言葉をお前に送ってやろう。
長い行軍ではあったがフィンブルスル正門に到着した。俺はアイシクルを抜き魔力を込める。アイシクルは使用者の本質を示し術者のイメージを介して力に変える。オバナは蛇が見えるらしいが、俺は・・・・・。
「じゃあ制圧しますか。アイシクル、やってしまいなさい。」
魔力を込めて剣を舞わせる。正直ツライ。オバナは蛇、バカは薔薇。なんで俺の魚やねん。大きく言えば海の生き物ならなんでもイメージできるみたいだけど・・・。正直最初落ち込んだ。海ってかっこいいじゃんって思ったけど、カワハギミサイル飛ばして気付いたんだ、ダセェってね。いくらなんでもこれは・・・。でも、莫大なMPを使った場合になると結構な威力がある。基本メンドクサイからニシンの群れをイメージするけどね。
「うおぉぉぉ!!!!あの氷の魚に触れるな!!!凍らされるぞ!!!」「それより見ろ!!アレは噂の魔族じゃねぇのか?」「急げ!魔法と矢をありったけ打ち込め!!!あいつらに吸収されたらあの顔になるぞ!!!」
どんな噂が広がってんだ?まぁ、それはいいか。
姉御の船で夜に遊んでてあみだした技、氷の魚群、まさに俺のアイシクルへの信頼度圧倒的魚群だ。円を描くように魚群が外壁を貫き凍てつかせ薙ぎ払う。その猛攻は全てが終わるまで止まる事は無い。
氷の橋を架け息を吸い込む、さぁいこうか、世界警察署長。お前の極限たる銃刀法違反でアルフレッドを爆殺しろ!!!!
「いったれやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
『イエスボォォォォォス!!!!!!』
氷のイルカに乗って指示を出すとオバナは一斉に走り出す。地獄絵図もココまで来ると清清しい。ビシッと動きは整っており、体術も相まってか流れるような速度はめまぐるしく爆破跡へオバナを送り込む。
やはり待っていたか・・・。イルカで空を泳ぎ後方の位置に陣取ると宙に浮かぶアルフレッドの姿が目に飛び込んでくる。
「馬鹿な男だな、なんの捻りも無く前回同様の手で来るとは!!」
「前回同様かどうかは喰らってから決めな。」
空気を読んだのかオバナが発射態勢に入る。抉れたクレーターのような爆破跡の中心に浮かぶアルフレッド。オバナ達は上空へ向けて構える、追跡弾は避ける術は無い。
「ウチカタヨーイ!!!ファイヤー!!!!!」
一斉に放たれた改変せし対戦車ロケット弾1000発が上空に放たれるやいなや、弧を描きアルフレッドの襲いかかる。
「おっつ、ぐっばい。」
「なっ!!!!!?????」
1000発の弾は爆発を繰り返し爆音と共に大きな黒煙をとめどなく巻き上げる。今なお続く爆発は次第に空を赤く染め・・・ってヤバイ。言ってはいけない事を言ってしまいそうだ・・・・・。でもこんなの確定だからいいよね?
「やったか?ってね。」
赤く燃ゆるマグマのような色彩を放つ爆破が最大級になったその時・・・。突如二点に吸い込まれ続ける焔、それはどう見ても二羽の巨大な焔の鳥が爆炎を喰らい尽くしているように見える。渦巻く底の見えない奈落に跡形も無く吸い尽くされるかのように。いやぁ、そんなんずるいっよ。胃がキリキリ痛いわ。神よ、願いが叶うなら俺にロキソニンを下さい。
「いや、SP使って勝手に作んなし。」
絶対的にジジイは最近、俺を監視してると思う。いや、そんな事はどうでもいいけど・・・・・・。補足だが薬は飲んだ。なんでアイツ上半身裸でキンキンに熱を持った赤白い光の籠手かざしてドヤ顔してるんだか。
「いい炎だ、ご馳走様でしたとでも言おうか。少し驚いたぞ?次はなんだ?」
うぅん、まずいなぁ。俺が行くしかないかぁ。でも受け止める為に地面に足着けてるし、とりあえず。最悪俺がサインを送れば伏兵が氷の蛇を叩きつける予定だが、それには隙を作る必要があるだろう。
「おい、オバナ。全員で殴りかかれ。」「イエスボス!!!!!」
飛ばすまいと一斉に殴りかかるオバナ。だがアルフレッドは右拳を振りかぶった。なんかわからんけどあれはマズイ!!!!
「アイシクル!!!全魔力を」
イメージするのは鯨。最大の鯨を何頭も作り出す。あれはおかしい、嫌な汗が吹き出る。思考を正す間も無い程の速さで巨大な焔の鳥が突き抜けていく。

音も無くただ空間を眩く真っ白に染める。











かろうじて・・・・かろうじて耐えた。文字通り俺の立つ場所から正門までの道は何も残されていない。俺が持っていたアイシクルが限界を迎えたのか粉々に砕け散る。これ、絶対壊れないんじゃねぇのかよアレン。圧倒的、ただただ圧倒的としか言えない。
「いい力だったろう?お前から貰った分を半分返しただけだがな。」
あっそ。じゃあソレ俺がもらうわ。
究極盗技アルティメットスティールってあれ?」
アルフレッドの口角がゆっくりとあがる。
「なんでスキルが使えないんだって所か?それは俺が存在する契約に繋がるんだが、お前が知らなくていい事なのだが、ヒントをやろう。」
なんで・・・・なんで・・・・なんでだよ!!!
勝てない・・・・・俺は・・・・・勝てない・・・・・。
「くくく、膝をつく程絶望したかコナン、だから児戯に等しいバカな遊びをやめろと言ったんだ、まぁコレを喰らえば理解するだろう。」
霞む視界で左手を振りかざすアルフレッドの姿が見えた。でも、もう打つ手が無い。何をしても俺に待つのは死。
死ぬのか・・・俺。死ぬ前に母さんに・・・会いたかったな。
涙で前も見えないや。でも眩しさでわかる・・・。
「おかん・・・ごめん、俺死んだ」

「なぁに辛気臭ぇ事言ってんだよ、相棒」
一面が巨大な氷の薔薇に包まれたと同時に声が聞こえる。
「あれん・・・・なんで・・・・」
「泣くなばぁか」


氷が全く似合わない温かい笑顔の男に俺は命を救われた。

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