大統領フルスイングで殴ったら異世界に転生した件。
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全ては主の為に・・・・。
俺の名はゲイツ。元はうだつの上がらないフィヨルムの兵。今はコナン様の為に身命を賭す、フィンブルスル特別遊撃隊の隊長だ。最強たるオバナ兵1000を引き連れて連携の訓練を重ね準備をし、この日を待ち続けた。勅命よいかなりの日数がかかってしまったが結果で返そう。
「ヤット、ウォーデキルネ、ミスターゲイツ」「あぁ、やっとだな。」「イイグンシダッタヨ」「ふむ、俺たちでフィンブルスルを落としてコナン様に喜んでもらおうとは思わんのか?」「ボスヨロコブカ?ソレ」「勿論だ、命令はフィンブルスルに攻撃をしろ。勝利は最高の結果だ」「オウ、ジャイアントキリングネ!オーケー!」
今俺達はオバナ兵きっての希望でピラミッドと言う陣形を取っている。クミタイソウと言うらしいが、意味はあるのだろうか・・。プルプル震えるし危険すぎる気がするんだ・・・。本丸として陣取るには見晴らしはいいが、俺は前線に出る。
「オウ!ノリワルイネ!!」「高い所は苦手なんだよ!!!」
さぁ開戦だ。作戦では不意打ちの形で氷剣で跳ね橋の代わりに氷の橋をかけ、そのまま跳ね橋を大破。の予定なのだが。
「ジャンピングイケルヨ、ヤッツケテクルネ!ヨジノボルヨ。」「駄目だ!!ここは深く流れが強い!!やめておけ!!」「オーウ!マイガッ!アトハマカセター」
何がしたかったんだあいつは!!激流に流されて行ってしまった。しかたない、これは仕切りなおす必要がある。しかしあいつの落下が開戦の狼煙になった。
王都フィンブルスルに氷の橋が架かる。
「いったれぇぇぇ!!!!!!!」
「なんだ貴様らは!!!!!」「おい!!こいつら剣の腕が普通じゃグハッ!!」
まばらに飛び交う弓矢を切り落としながら、斬り進む。30人の魔剣部隊が巨大な氷の蛇を乱発し外壁を吹き飛ばし衛兵を刈り殺していく。完全なる奇襲により、戦闘態勢が整っていないうちの奇襲だ、ここは成功しなければ困る。山間からオバナ兵の仲間の把握を利用して隊列を分ける事によって成功させた奇襲。
「一気に行くぞ!!!脇目も振らず駆け抜けあの城を落とせ!!!」
駆け抜ける最中、氷の蛇は幾度と城に突き刺さって行く。予測される常駐の兵数は5000、多ければ10000を越える可能性もあると非常に判断しかねる数字であった。しかし、一時休戦で各領地からの遠征軍は休暇を取り、常駐の王都兵は難民狩りでかなり人員を裂いているのはわかっている。そしてもっとも城から兵を吐き出した状態で襲撃そして武装を回収してから更にそのままの奇襲。数字的にはここまでしても絶望的ではあるがやれない事も無く感じる。
「ベリーコールドヨ!!マザファカネー!!」「ブーブーブー!!!」
やれる、魔剣がこのまま活躍すれば行ける。直属兵団さえ押さえられたら・・・・。
「オウ!ミスターゲイツ!!ベリーストロングガイ!クレイジーネ!!!」「何??どこだ???」「ワカラナイ!!シロニイル!!アイススネークゼンブロストネ!!」「くそ!!いちいち古代語使うから全然わかんねぇ」
刹那。
爆炎と共に黒髪の男が宙に舞う。おぞましく光る爬虫類のような赤い瞳、風に靡く美しい黒き長髪。ありえない、そんなはずは無い。俺は兵役中確かに見た、あの男の最後を。
「そんな・・・・。ありえない・・・・。」
あの男は先の戦の激戦の最中、氷剣のアレンに殺されたはずだ。
「何故貴様が生きている!!焔拳アルフレッド!!!」
「ほう、誰かは知らぬが俺の名を知っているとは関心だな。名残惜しいが消えてもらおう、せめてもの餞、焔の花弁として命を散らせるがいい」
「俺達は主の為に負けぬ!!!!!」
せめて一太刀、せめて一太刀あいつに入れる。コナン様が残してくれた投擲であいつの心臓を貫いてやる!!
「くらえぇぇぇぇ!!!!!!!」
やった!!!今のは確実に・・・・。
「生き様を感じるいい攻撃だったよ、油断していたとは言え俺の顔に傷をつけるとはね、貴様の主は誰か知らぬが冥土の土産にいい事を教えてやろう!!喜べ俺は最高に気分がいい!!」
火炎の雫がゆっくりと宙に浮かぶアルフレッドの掌から零れ落ちる。
「俺が率いる王下蛇剣十神衆、秘術によりこの世に舞い戻った!!大陸を戦渦に巻き込んでくれるわ!!!なぁに心配するな!憎きアレンの剣は俺達が使ってやる。」
駄目だ、主。関わってはいけない、遠くへ、遠くへ逃げて下さい。
「ふははははは!!!綺麗な花火ですよぉぉ!!って花火ってなんだ?」
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