大統領フルスイングで殴ったら異世界に転生した件。

慈桜

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東下門、廃屋の一室での密会、いや間違えた、ガッシュの家だ。そこで姉御から二度目の成功の報を受けている。早くないか?この前かましたばかりだろう?と思えば臨時便だとかなんとかで。
人払いをして二人きりのこの状況、10年後であれば俺のパルスもエレクトしていたであろうが・・・。競馬場で見た本当の姿とは似ても似つかない、おさげにした碧髪のカツラに街娘の服装、さらしを巻いてボリュームダウンした胸。これはこれで俺の触手が・・・げふんげふ・・・。
「んで、深くは聞かないけど、あんたが言う森のお友達のおかげで助かったよ。国がこんな早い段階で緊急招集をかけちまったみたいでねぇ」「そうですか。それはよかったです!」「あんたいい加減猫被るのやめな!普通に話したらいいじゃないさ!依頼主なんだからドンとかまえりゃいいんだよ」「・・・・・・そうか、いいだろう。」「えっ!!そっち??それが素??」「あぁ、そうだ。子供っぽくって言うのは疲れるからな。まぁ子供だが。」
面白いものを見る目を終止ことらに向け続ける姉御。しかしひょんな事で感謝されるもんだな。純粋にミリタリーオバナが見たいが為に、情報収集、状況報告のオバナに軍服着せて野に帰らせていたんだが、結果姉御達の手伝いをしていたとは。
「まぁいいか。ちょっと話があるんだけどね、あんたの森の友達、剣を持つように言ってくれないか?」「いやいや剣を持たすなんてとんでもない。」「いや、この先かなりの交戦が予測されるんだ、でもあんたの森の友達が武装するだけで生存率は大きく変わる。剣術のスキルランクを見るかぎり絶対に剣を手に取ったほうがいい」「しかしだな、こちらにはこちらなりの演出と言うものが・・・・。」「わかった、じゃあ単刀直入に言う。1億返す。だからあんたの人造人間ホムンクルスの数を増やすか剣を持たす許可をおくれ」
ほう、深く深く斬り込んできやがったな。まぁ、あてずっぽう、下手な鉄砲も数打ちゃ当たるってヤツだろ。しかしホムンクルスとは良く言ったものだ。俺ですらなんなのかわからないと言うのに、わかっている事は黒人初のワールドリーダーって事だけだ。まぁ、この世界では魔物でしかないが。
「なんの話しかはわからんな。」「ふん!しらきる前にあいつらがあんたをボスって呼ぶの直した方がいいと思うけどねぇ。」
盲点だった。俺の命令下にあるぐらいの推測は容易いか。しかし会話までしているとは・・・。やはり双丘か。オバナ・・・お前のツボはパイザウェイだったのか。
「それはあだ名みたいなもんだ、深い意味は無い。」「イエスマム!ボスノメイレイニヨリ、ステゴロイッポンネ!!って言ってたんだけどねぇ。人造人間ホムンクルスは深読みしすぎだとしても、あれらには、なんらかの契約であんたに主導権があるんだろ?」
泥沼ー!!!しかもマムってー!!懐いてるぅぅ。これは仕方ないな。これ以上は見苦しい。
「・・・わかった。増員と剣の装備を許可しよう。それと金はいらん。この街にはいずれ帰ってくる、何があるかわからんから預けとくよ。好きに使え」「かっこつけちゃって、いい男演じるにはちょっと早いよ。」「ふん、口止め料だと思えばいい。逆にいい歳して可愛い街娘ノリノリでロールプレイしてるヤツに演技どうこう言われたくないな。」
姉御のクールな表情は一変、まさしくユデダコだ。くくく、所詮メスよのぉ。
「あんた・・・・ぶっ殺す!!!」「待て!!待つんだ!そうだ!これをやる!だから帰れ!!」
超絶かわいいテディベアを渡してみるが逆効果だった。両手で熊タンを見て固まりながらプルプル震え出した。これは逃げるしかない。
「お人形遊びなんてとうの昔に卒業してんだよ!!!待て!!逃げるな!!!!ガッシュ!!そいつ捕まえて!!」
「え??何処からか姉御の声が!!!???」
「ここだよ!!馬鹿!!!コナンを捕まえろって言ってんの!!!」
「え!!えぇぇぇ!!ぎゃはははははは!!姉御!!!あねごぉぉ!!!」
「お前も殺す!!!!!」
なんとか俺とガッシュのフライングDOGEZAのおかげで助かったが、熾烈なチェイスだった。これが噂のメスキャラ補正か。100tのハンマーとか持ち出されたらそれこそバキだった。
「じゃあ、森の配備は任せたよ」「あぁ、人形は持って帰るんだな。」「・・っ、商売に使えそうだから持って帰るんだよ!!」「そうか、成功を祈る。」「プークスクス。」「やめろ!ガッシュ!!死にたいのか!!」
楽しい楽しい熾烈なる鬼ごっこで日は暮れた。これより数日後、自分の蒔いた種が原因で平穏なるヒキニートの日々が終わりを告げるなんてこの時は思ってもみなかった。


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