大統領フルスイングで殴ったら異世界に転生した件。
21
「そう言う事なら姉御に頼むのが一番だな!!!」
私的な理由でフィンブルスルへの物資搬入を阻止したい旨をガッシュに伝えると、当たり前かのように言い出した言葉だ。姉御と呼ばれる人間は所謂盗賊の頭領であるらしいが、ありとあらゆる抜け道を使い切れすぎる頭でフリーズの裏をかくスペシャリストで金さえ払えばなんでもしてくれるらしい。簡単に言えば、フリーズの盗賊ギルドの元締め的な存在だろう。
「まぁ、ガッシュの言い分はわかった。だが、そこまでの盗賊であれば相当な依頼料がかかるんじゃないか?」「うん、最低でも金板1枚はいるんじゃないかな。」「1億か・・・。用意できん事もなさそうだが・・・。」「あっ、でもコナン。だめなんだ。」
そこからガッシュから聞く話しは馬鹿げてるの一言だった。姉御とやらはフリーズの賭博の利権にも大きく絡んでるらしく、博打で浮いた金の依頼しか受けないらしい。なんでも人のもん盗んで飯にありついてる家業は運に大きく左右されるとかなんとかで、験担ぎに景気のいい金を集めてるんだとかなんとか・・・。いや、ええがな。俺の金なんか量産品ですやん。泡銭ですやん。
「それで、コナン坊。姉御を納得させる作戦があるんだけど、乗る?」「あぁ、その姉御とやらの力はどうしても借りたい。藁にも縋る思いとはこの事なんだろうな・・・いや案にもよるが。」「じゃあ担当直入に言う、コナン坊のスレイブラッド・・・ニトロを明日のレースに出すんだ。」
どうやら俺の可愛いニトロは馬じゃなくスレイブラッドっていうスレイプニルと馬の掛け合わせで出来た競走馬の種らしい。差し詰めサラブレッドと言った所か。それで、明日のレースにガッシュのとこからもスレイブラッドを出す予定なのだが飼葉食いが落ちてガレてきてるらしい。俺も見させてもらったがニトロと同種とはまったく思えない。ちょっと骨格のいい馬程度だ。レースは馬の登録では無く、厩舎からのレース登録で有る為、ガレた芦毛のシューネホップリの変わりにニトロを出して、大穴ニトロに大枚をかける。ガッシュの厩舎は一度も優勝した事は無いそうなんで、高い確率で高配当になると予測できるようだ。
ふむ、悪くないんじゃないだろうか?伊達に俺も3日3晩ニトロに乗っていたわけであるし、ある程度の騎乗は出来るつもりだ。
「いいだろう。レースに出ようじゃないか」「そう言うと思ったぜ!!じゃあ弟を呼んでくる!!」「まてぇい!!弟ってどう言う事だ?」「え?ウチの厩舎の騎手だけど??」
盲点だった。騎手は厩舎からの登録騎手ってどう言う事だよ。しかも10歳からって。5年待ってもらえませんか?うまい騎手は取り合いになるとかなんとかで給金まで払って所属させるとかプロか!ってプロだわな。そんだけの金が動いてんだろな。もし日本で競馬場行って乗らせろって言ったら警察呼ばれそうだし。馬を預けるのに関しては馬主の感覚か。なんか配当の話しとかもしてたし。つーかそんな事はこの際どうでもいい。ウチの二トロが俺以外の奴に懐くワケが無い。
そうなると可哀想だが、ガッシュの弟の言う事聞くように先に命令しとくか。ガッシュがいない今のウチに済ましておくべきだろう。
厩舎に入ると信じられない光景が目に飛び込んできた。ガッシュを二回りぐらい小さくしたthe平民な男の子が二トロに髪の毛をハムハムと毛づくろいされているのだ。見た目はズタボロにされた後のように見えるが・・・なにこのNTR感。
すると小坊主は俺を見るなり笑顔で話しかけてきやがった。
「あ!!はじめましてコナンさん!!僕はここの厩舎の息子でシューマです!」「あぁ、初めまして。俺の名前はガッシュから聞いたのか?」「え?お兄ちゃんですか?お兄ちゃんには今日は会ってませんけど。でもコナンさんがいるって事はお兄ちゃん帰ってきてるんですよね?」
ん?なんだこいつ。おい二トロ、なんで隠れるんだよ。
「コナンさんはすごいですね!5歳なのにあの氷剣のアレンをおもちゃにするなんて!!」「待てシューマ・・・だったよな?アレンの話しを誰に聞いた?」「やだなぁ。二トロに決まってるじゃないですか!」
電波ちゃん?ドリト○見すぎた?え?どう言う事?でも内容は事実に近い。
「あれ?お兄ちゃんに聞いてませんか?僕、動物言語のユニークスキル持ちなんですよ。それで二トロに色々聞いてて、見ての通り始めはボッコッボコにされましたけど。」
てへへと腫れた右目を撫でるシューマ。こいつが言ってる事は恐らく本当だ。スキルもちゃんと存在している。没収するような事は勿論しないが、話せるのであればウチのじゃじゃ馬二トロ君も多少懐くのはわかる気がする。
「俺は預けていただけなんだが何故話そうと思った?」「最初は寝藁の交換と馬糞掃除に来ただけで、二トロならレースでいい競馬するだろうなって話ししたら出たいって言うから競走馬だと思ってしまいました。すいません。」「そうか。シューマ、お前二トロに乗ったら勝てる自身はあるか?」
俺のその言葉に瞳に涙を浮かべながら100万$の笑顔で言い放つ。
「もしこいつに乗って負ける奴がいるなら騎手失格ですよ」
素直に引き込まれた。ガッシュのような愚兄を持ちながらこんな素晴らしい弟が存在するのだろうか?ジャ○とケンシロ○ぐらいの差がある気がする。まぁいいだろう。こいつなら二トロを任せられる。
「よし二トロ、スペシャルメニューで飯を作ってやる、明日のレースでシューマと格の違いを見せ付けてくれ!!」「プルルルルルルルルルン!!!」「うわ!二トロかわいい声だせるんだ!!」「ブヒッ!!」
こうして騎手との顔合わせが終了した。遅れてきたガッシュが今更な弟自慢を始めたが時既に遅し、二トロに厩舎の外に投げ捨てられていた。
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