１９

引っ切り無しに人が中から出てくるフリーズの巨大な西上門。門内の大きな階段が込みすぎている為に外回りで西中門、西下門を目指しているらしいが・・・・。
「ってな具合よ、坊主は家の手伝いかなんかか？」「そんなとこですね、はいギルドカード。」「おう、しっかりした坊主だなぁ、俺は昼間いつでもいるからわかんねぇ事があつたら聞きにきな」「ありがとうございます、じゃあ早速、厩舎って何処にあります？」「厩舎なんぞそこら石投げたら当たるよ大陸中の馬が集まるんだからよ」「言われてみればそうですね。有難うございます」「おう、いい商いになりますようフリーズの神に祈ってるよ。」

さて、早速ニトロを預けてフリーズ入りしたわけだが、予想以上の大国家に多少、戸惑ってしまっているのは仕方無いのではないだろうか・・・。厩舎でニトロが駄々を捏ねたのでむりやり命令した話は省くかせてもらうが、俺が当初考えていたのは、フィンブルスルへの物資の搬入を止めてやろうと言う算段だった。しかし、予想の数十倍の規模を見せ付けられて、思考が停止した。フリーズは大陸での協定があって、とても安易に武力行使をしていい国じゃない。うまくフィンブルスルに擦り付ける事が出来ればいいが、リスクに対してリターンが大きすぎる可能性もある。国が完膚無きまでに滅ぼされた場合は、オカンどころの話じゃなくなる可能性がある。最低でも俺の入国、ベストとして終戦を宣言させて、鎖国を解かせるべき。中に入る事さえ出来ればフィンブルスルの民には悪いが、オカン救出と同時に完膚無きまでに叩き潰してやる。
まず重要なのは、フィンブルスル行きの船を調べる事、出来れば協力者を得て阻止したい。これだけデカイ街であれば黒い組織もありそうなんだが・・・。
悪くて弱そうな兄ちゃんに声をかけてみるか。子供モード発動。笑。路地裏歩くガニマタチンピラはけーん。
ガッシュ　１８歳　所持金１０３２ＧＨＰ２１/２１ＭＰ１３/１３ＳＰ１０/１０魔法生活魔法　火水土風スキルLV１短剣術LV１体術
こいつでいいか。
「ねぇねぇ、お兄さん！」「あぁ！？なんだよガキィ！！！」
うん、むかつくな。チソコ蹴り上げてやろう。
「フグオッ！！！！！！」「なぁ？銀板１枚で情報屋やらね？」「ううううう、うん、うん、やるから髪の毛引っ張らないで・・・。」
ガッシュが落ち着くまで少々お待ちください。
「で、コナン坊は何が知りたいんだい？」「フリーズには闇ギルド的なもんはあるのか？」「・・・まぁ、あるわな。全部揃ってるって言ってもいい。何を求めているかはわからんが仲介はできるぞ？」「そうか。ふむ。まぁ、話しは変わるが、ガッシュはここが地元か？」「あぁ、そうだ。フリーズ生まれフリーズ育ちだ。」「ふむ。じゃあ金は払う、暫く泊めてくれないか？」「そう言われちゃことわれねぇわな、けど下だけどいいのか？」「あぁ、構わない。馬がいるんだが近くに厩舎はあるか？」「まぁ、あるわな、っていうか俺んち厩舎だわな。家は親とは別だけどよ」「うん？お前ボンボンか？」「なんでそうなるんだよ！下の厩舎なんか貧乏家業の代名詞だよ」「そうか、じゃあ相棒を迎えに行くからついてきてくれ、ガッシュの家で話そう。」「へいへいー！」
馬道を使い東下門へ抜ける。どうやら東下門はガラの悪い街のようでゴミが人のように歩いている。バルスと言ってあげたい衝動はグッと堪えた。
「なぁ？コナン坊は混血だろ？何の種族なんだ？」「は？人だが・・・・。」「ははは！そんなわけねぇだろ！子供があんな怪力なわけねぇじゃねぇか！怪力のユニークスキルでも持ってるってかい？」「いや、人間だ。生まれて５年目だ。体術のレベルが７だからな、多分それでだろ。」「えぇぇぇ。それが本当なら絶対人族じゃねぇぞ？Sクラスの冒険者レベルじゃねぇか、まぁ言いたくないならいいけどよ！天職はなんなんだ？」「いや、まじで人だ。天職ってなんだ？」「あっ、そっか。コナンは外国出身だもんな。あの滝の裏の祠でお祈りしたら天職がわかるっうて言うか、授けられるんだぜ？行ってみるか？」「ふぅん。わかったところでだろ？」「いやいやとんでもない！俺は盗賊だったけど、短剣術と体術が身についたし！数種類の中から天職を選ぶと、それに見合ったスキルが手にはいるんだぞ？」「まじか・・・。家を教えてくれ、後で一人で行ってくる。」「いやいや、心配しなくても一人ずつしか入れないぜ？並ぶし早めに行ったほうがいいよ」
うるさいなこいつ。仕方ないな、行くか・・・・。俺はこれ以上スキルは手に入らないような気がするけどね。