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大統領フルスイングで殴ったら異世界に転生した件。

慈桜


『よくやった。こうして帰ってこれたのもお前さんのおかげだ』

 真っ白い空間で薄い意識の中、飛行機に居た痛いジジイの姿が見えた。

『ちょっと図抜けた人間に触れ合ったようだが、いいだろう。第2の人生、楽しむが良い』

何言ってんだコイツ。てか俺死んだんじゃ……。

『間違いなく死んだ。何をしたかったのかは知らんが、お前は一部の気狂いの連中の中では伝説を残したようじゃの、まぁ気付きと言語理解は特別に与えてやる。じゃあの』

待て!何から何までわからんぞ!!おいジジイ!!

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 目を覚ますと茶髪のかわいいチャンネーが俺を覗きこんでた。

 なんて役得。

 イタダキマス。

 神よ、いいご褒美じゃないか。

「うふふ。可愛い子。ママですよぉ!」

…………………………。

 あぁ、なんと言う劣悪な冗談だ。

 これは転生と言う奴だな。

 綺麗なママでよろしかったでございやすが……。

 クッソォ。

 記憶消しといてくれよぉぉぉぉぉ。

 てか、ここテント?

 凄まじい環境で産みやがりましたか?

 こう言うのは貴族スタートがセオリーじゃないの?

 見るからにボロいテントで汚い毛布……どうやらベリーハードモードでのスタートのようだ。

「コナンあなただけは私が何に変えても幸せにしてみせる」

うん……ありがとうおかん。

 しかし俺の名前は名探偵か?

 確かに頭脳は大人かも知れんが。

 まぁそれはいいとしよう。

 俺も迷惑かけないように頑張るよ。

 まぁ、前世では親なんか知らなかったわけだし、考え方変えれば新しい人生は上々かも知れないな。

 とか思っていた時期はありました。

 一歳になるまでの間、おかん達の会話を聞く限りじゃ、ここは戦火に巻き込まれた戦争難民が集まる集落らしく絶賛餓死者続出中のイカレタ場所らしい。

 徴兵で親父殿は戦死。

 今日食べるパン屑ですら取り合いの状態でおかんはなんとか分けてもらった固い固いパンを唾液でふやかして食べさせてくれる。

 自分はお腹が空いているにも関わらずだ。

 これはなんとしてでも早く動き回っておかんにお腹一杯食べて貰う必要がある。

 クソ、なんで子供なんだ……。
 
 自分の無力さを呪っても仕方が無い。

 なんとかしなければならないんだ。

 ここの難民達は女子供老人達が多いが、薬草摘みや弱い魔物、動物をジジババが魔法で狩って定期で来る国からの援助隊や行商に売る事でなんとか生計を立てている状態らしく、力さえあれば生きていける場所だ。

 うちのおかんは戦闘力無し+こぶつき俺だよの為、俺を抱きながら薬草や山菜を摘んではパンや水と交換している。

 量が少ない為、足元を見られてはいるが、ギリギリ生きていけてると言ったところだろう。

 そう、驚いた事に俺が生まれた科学の科の字も無いこの意味不明な世界は魔法があるのだ。

 薬草摘みで奥に入りすぎた時、近所のジジイが手から火を出して魔物を撃退した時はしびれた。なんじゃそれは……ってね。

 でも魔法を見た時に思い出した。

 俺には何かがあった筈だってね、気付きを与えたとかなんとか。

 それを考えた瞬間に見えたビジョンを見て人生楽勝を確信した。

拝啓おかん、先立つ親孝行の数々をお許し下さい。

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