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10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?

慈桜

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朝日が登り、黒い巨人の動きは愚鈍な物となった。ひとまず安心できる時間帯となったワケだ。
「困った事になりましたね」
「あぁ、本当に困った。」
時田さんの言う事はもっともだ。困った事になった。その一辺倒だ。
「なぁ?ウサギ。今あの巨人を壊しても良いのか?」
「それはわからないんだなん。あんな気持ち悪いのは見た事がないんだなん。」
どうするべきか。月神を引きずり出すには今しか無い気もする。けどそれが失敗だったら?俺と同等の魔法を何発も撃てる巨人の完成?それは笑えない。
「その管理者は他にどんなヤツがいるんだ?」
「あいつらは、月神、太陽神、蟲神、人神、老神の五柱、どいつも元々真面目すぎて神の仕事が無くなった馬鹿達なんだなん。」
「なんで仕事が無くなったんだ?」
「完璧なルールを作ってしまったんだなん。太陽が登り、月が相反して巡り、食物連鎖の均衡を蟲が司り、その上で人が繁栄し、老いて行く。他の神々は適当に干渉したから今でも真面目に働いてるんだなん。それが羨ましいんだなん。だから他の世界に干渉したがる。よくある事なんだなん。月が2つの世界だとか3つの世界だとかはそんな奴らの成れの果て。月が7つの世界なんて末期だなん。もう崩壊秒読みなんだなん」
「なるほどなぁ、けど太陽神までぐれてるって事は、あの巨人に干渉する可能性もあるよな?」
「わからないんだなん。あいつらは自分達の真面目さで暇を持てあましたせいできまぐれなんだなん。」
さて、どうしたものか。もうねぇ、ぶっちゃけ師匠に泣きつきたい。おい骸骨、あいつらをぶったおせ!ってね。こんな事言ってんのばれたら殺されるわな。てか、あのおっさん俺が神様達ぶっ殺したら強くなるとか思って英霊島から追い出したとかだったらマジでムカつくんですけど。
いやぁ、ちょっと調子に乗りすぎたなぁ。けど、どっちにしろこうなってたのかなぁ?
さぁ、どうすっぺがや。
正直に言えば紫龍数百は無理かも知れんが、それに匹敵する殲滅魔法は撃てるし、剣神流と武王流のコンボも一人で行ける。
親父と母ちゃんとジェルスさんの仕事は一人でこなせる自信がある。
でもだ、もしそれを放った後に俺が立っていられるかどうかと言う話しになれば別だ。
答えは未知数。そして、月神を引きずりだす前にそれなりに余力を残してあの巨人と戦うとなると…。
いや、待てよ?
ウサギは魔晶石の事を精霊石と言っていた。そして赤の魔晶石はこいつらのボスのカラーだと。
魔晶石は赤いのが普通だ。そういうもんだと決めつけていた。魔晶石は高い魔力媒体である、だが、その魔晶石の利用方法は一度焼き付けた術式を再度利用する程度の物だ。細工して形を変え術式を埋め込む。空気中の魔素を魔力に変換する力を持っている魔力媒体の魔晶石が知恵を持てばどうなる?そして絶対なる力である緑の魔晶石とやらを掛け合わせれば…。
「おいウサギ、緑の魔晶石は何処にあるんだ?」
「何を考えているかはわからないがこのベルト地帯にあいつを入れるのは駄目なんだなん。深淵が開かれるんだなん。」
あいつって、その次元の梟かなんかの事か?まぁ、駄目なら黄色である俺が黄緑になってあげましょうか。
ウサギの話しはいちいちワケがわからんが。
「決めた!巨人放置!!神域に帰るぞ!」
「だめなんだなん!なんとかしてあいつらを殺さなきゃ駄目なんだなん!我々ウサギが一度でもこの地を踏んだなら綻びはもう治らないんだなん!アイザックぐらいの界理術を使えなきゃ駄目なんだなん!!」
「そっか。つか他の神さんとかやらもなんかあんの?弱点とか?結局大事なのは速攻で陰と陽の反対ぶち込んだらいいわけだろ?」
「まぁ、そうなんだなん。飛びきり強いのが太陽神と月神で次は蟲神なんだなん、蟲神は蟲を植え付けて手駒にするんだなん。人神は月神の劣化版なんだなん、黄色の精霊石で触れた相手と同じ存在を作り出すんだなん、老神は触れた相手の時を奪うんだなん!!舐めてかかると痛い目にあうんだなん!!」
うーん、知りたい事は知れたし大体のプランは出来たし出たとこ勝負な感じにもなってきたしな、死にたくないからもがいてみるか。
「だから臆病者のお前の命を媒体にして帝釈天に世界を作り直してもらえばいいんだなん!」
「あっそ。つかお前うるせーわ。」
グチャ。
「良かったのですか?主君…」
「いや、もうなんかみんな揃ってんのに水さすだろ?こいつ。もうねぇー、語尾がだなんの地点ですっげーイライラしてたわけ。聞きたい事聞けたしいいかなぁーって」
そこに三星が石松と共にゆっくり歩みよってくる、
「主…これすげーうまそうなんですけど食っていいですか?」
「おぉ三星食え食え、お前昨日月見て相当参ってただろ?鉄分補給しちゃいなって!」
「あるじ、けっこーひどいな。」
「うざかっただろ?」
「うん、俺は何回か拳握りすぎて血出たけどね。」
一星笑い飛ばすと四星がうんうんと頷く。五星もそれに続き。
「私も主に対する口の利き方に何度震えた事か。」
「それを言うなら私もです。軍人としての矜恃を踏みにじられた思いでしたから」
「まぁ、大正解でしたと。」
そして胴体が真っ二つになった燕尾服の白うさぎを平らげた三星が目を見開き俺を見つめる。
「うわぁぁ、主。もっと早く殺しちゃってよかったかもしれませんね!」
「なんでだ?」
「俺すげー頭良くなっちゃったかもしんないっす」
ふんふんと頷き三星ははははと笑う。
「あいつの知識を得たって事か?」
「はい!と言っても、かなり古い情報っぽいですけどね?けど大体わかりますよ。色んな事」

まじか。じゃあ早く潰しとけばよかったな。まぁいいや。

「よし、神域に帰るぞ。俺に掴まってくれ」
覚えとけよ暇神共。ギッタンギッタンにしてやるからな。







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