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10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?

慈桜

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変なウサギに導かれるままに、俺たちはカルディアン帝国を目指している。
ヨルムンガルドに飛んで近道しようと言ったんだが無視しやがったこのウサギ。
「じゃあお前クラウドとリリスの息子なんだなん!だから優しい感じと恐い感じが混ざってるんだなん」
俺の話しをちゃんと聞こうか?ウサギさんよおぉ?なぜどうでもいい話しは聞いて、肝心な話しは無視するのだ。
「おい、なんで転移したら駄目なんだ。」
「もしアイザックみたいなヤツが世の中に5柱いると考えるのだなん」
師匠が5人?って事か?何それ怖い。
「まぁ、管理者共はアイザックが恐くて、色々媚売ったりしてたんだなん。だから同列に並べるのは駄目なんだなん。けどあくまでもそれに近いと考えるんだなん」
「言わんとする事は大体わかったが、如何に強しと言えこの面子で挑めば容易く勝てる気がするんだがな」
ウサギはプルプルと首を振るう。
「あくまでもお前の仲間達の戦力は、やっと舞台に立てるようになった程度だなん。特に管理者との戦いは相性が大きく関係するんだなん。」
相性って。どう言う事だ?そのままに属性的な話しか?だとすると、こいつは俺たちを見誤ってるぞ?大っぴらに強い強いと言いたいわけではないが、カルマ、ライ、星持ち、それと時田さんのおかしな事になった武器。属性的な弱点など無いように感じるのだがな。強いて言えば、オーバーキルと言う言葉が似合う者達であろう。
「あいつらは陰と陽、どちらかの力を持つのだなん。陰の属性である鬼に月神は辛いんだなん。だからこの中で月神と戦えるのはお前とこのワンコだけだなん。このおっさんも陽だけど弱いから論外なんだなん」
時田さんを指差し毒を吐くウサギに時田さんは言葉を返す。
「弱いとは心外ですね。己の弱きを知りながらも敵を討つのが我らの生き方。これでも命を捧げ戦いに身を置く者としては相手がソ連だろうと神だろうとこの身が朽ちるまで鉛玉を撃ち込む覚悟はありますよ」
時田さんの鬼気迫る気迫にウサギはウッと後退するが、目を尖らせて反論する。
「だとしてもだなん!あいつら相手には戦い方と勝ち方があるんだなん!」
「でも結局3000年経って元気に復活しちまってんだろ?じゃあ勝ち方とか気にせずにボコっちまえばいいんじゃねぇの?」
一星の言葉に各自が頷き、燕尾服の白うさぎだけが違う違うと反抗するが、無視だ。
このメンバーで揃いながらにテント張って野営って言うシュールさはどうなんだろうな。適当に砦を作る要領で寝所を作ろうかって話しになったのに地面の方が色々わかるからと言ってテントになった。
まぁ、こんな晩飯にもなりそうもないワケのわからんウサギに振り回されてる俺たちも俺たちだ。
いかに俺が師匠アイザックにビビってるかを如実にするような出来事だ。
細かい事は気にしないで置こう。さっさと月神とやらに退場して頂いて、俺たちはGETした土地の管理をしなければだな。
「主様、我らが竜と共に不寝番をしますゆえ体をお休めになられてください。」
「あぁ、二星ありがとう。二星達も交代で睡眠はとれよ?無理したって良い事ないぜー」
「心配り感謝致します、それでは。」
テントに入ると先にカルマとライは眠ってしまっていた。
こういうの見ると逆に可愛らしいなとか思わんでもない。魔界的な所で何千年も生きてたのかも知れないが、まだまだ子供なのだなと思い知る。
俺も先日回復した魔素があまり体に馴染んでないのかどうかは分からんがここ数日はやたらと眠たい。
今日はゆっくりと眠ろう……。


トランポリンで遊んでいるのだが、トランポリンの部分が硬くて体が痛い。俺はトランポリンで遊ぶのをやめたいのに、トランポリンに吸い寄せられる。
なんだこの意味のわからん空間は。
あっ!夢か!
「痛いぃ!なにぃ!!!」
眠りからすぐに脳みそを活性化させて事態の把握をしようと目を見開き体を起こすとライとカルマが転んだ。おそらく俺を起こしていてくれたのだろう。俺は寝起きが悪いからな。
ただ、おかしい。そらぁあんな夢を見る。地面が波打っているんじゃないかと錯覚する程に揺れているのだ。
「何があった?!」
テントから飛び出すと二星が竜に跨り六騎槍の面々と飛びたとうとしていた。
「わかりませぬ!ただ、ここからではよくわかりませぬが、巨大な何かがこちらに向かっている事だけはわかっておりますぞ!」
「月神の気配がするけど月神はあんなでかいのじゃないのだなん!!」
「おそらく敵は新手だぞ!!確認が取れたらすぐ帰ってきてくれ!迎え撃つ!!」
「御意に!!いくぞ!!」
『応っ!!』
6頭の竜が空に舞い上がり、星持ちの面々も装備を整えはじめる。俺に気づいた一星はニヤリと笑って歩みよる。
「ちんたら歩いて4日ぐらいの距離みたいだけど、どうも向こうはまってくれねぇみてぇだ主。」
「迎え撃つぞ、このクソウサギに俺たちの力を見せてやろう!」
「おう!!」
その傍でクソウサギが頭を抑えながら首を振る姿に苛立ちを覚えながらも、遥か遠方に揺れる黒く巨大な影を睨みつけた。





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