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10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?

慈桜

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「青いウサギの魔晶石ぃっと」
「主君!それが界理術の贄ですか!?」
「あぁ、多分な。もしこれが元々この地に生きていた生物だったのであれば対価としては十分だろ?あれだけの数があったんだから、それにこの水晶が示す服を着た兎なんていないだろ?この世界には」
「確かに…種の根絶を対価にと言う事ですか…」
 カルマと俺が考察を立てている横で一星が物凄い拗ねてる。 めんどくさい奴だ。
「俺あの黒い服のやつらと戦うのすげー楽しみにしてたのに…全力出せると思ってたのに…」
 体育座りでいじける一星の肩をそっと叩いてやる。
「過ぎた事だ、気にするな。」
「誰が原因だよ!誰が!!」
 星持ち達は自由に不動国跡地で遊んでいる。 二星は配下と共に残党探し、 三星は石松に乗ったままジェットスキーのように湖上を走り回り四星は迷宮に次元刀を突き立ててケラケラ笑っている。 五星は湖畔で瞑想をしている。
「しかしこれだけの爆発を起こしてなおも生きていたというのは驚きますね」
「あぁ。」
 そう呟いたのは時田さんだ。 当初の予定通り蟻人族の集落に向かうつもりなので、同伴してもらっている時田さんがふと呟いた言葉には深く頷くしかなかった。
 いくらなんでもあの規模の殲滅魔法を二回叩き込んで生きてるとか極悪すぎる。 そんな奴らが6000人もいたと考えると相当な脅威だったに違いない。
 迷宮がかなりの数を喰ってくれたからよかったものの、それがなければもう一発ねじ込む所だった。 俺が失敗したおかげでライがちょっとだけ怪我をしたのも腹ただしい。 まぁ、俺が悪いんだが。
「で、話しは戻ってこの魔晶石だが…なんなんだろうな。」
「主君は魔力が残っておられますか?」
「あぁ、もう回復してる。流してみるか?」
「青い魔晶石など聞いた事もありませぬ、やってみる価値はあるかと……」
 カルマの言葉に従って魔力を流し込んでみる事にした。 殲滅魔法を撃つほどにゴッソリと魔素を持っていかれると脳に響く世界にヒビが入ったような音が聞こえた。
 それと同時に燕尾服を着た白いウサギが目の前に現れたの。
 ウサギは、んーっと伸びをすると俺をじーっと見つめ始める。
「アイザック!!アイザックだなん!!会いたかったんだなん!!」
 そして俺の胸に飛び込んで来た。
「ちょ!違う違う!俺は師匠の弟子で!!リブラ!!アイザックじゃないから!ちょい!やめろ!服の中に入るな!!」
「んふー!!気持ちいいのだなん!アイザックは俺達をもふもふするのが好きなのだなん!!」
 ひたすらに顔を擦り付けてくる燕尾服の白ウサギはやっと我に帰ったのかもぞもぞと俺のローブから抜け出してじーっと俺の顔を見て溜息を吐く。
「アイザックと同じ波長の九芒星だったからアイザックかと思ったのにがっかりだなん。」
「なんかすまない。」
「いいのだなん。アイザックに頼まれて復活させにきたのだなん?って事はあのクソな管理者どもを完璧に殺せたのだなん?」
「管理者?何の話しだ」
「ひょーーーー。」
 俺の返事に燕尾服の白ウサギは目を丸くして口を開いたままに固まってしまった。
「何も知らずに掘り起こして復活させたってことだなん?」
「えと、はい。」
 師匠の関係者だ、変に言い訳するのはまずいだろう。 ここは素直に答えておく。
「ひょーーーーー。」
 また同じリアクションだ。 なんか面白いなこいつ。
「まずいことをしたのだなん。クソ管理者どもに深淵アビスを取られるかもしれないのだなん。」
深淵アビスを?どういう事だ。」
「俺達次元兎はこのエリミガリアをバックルにしてベルト状にクソ管理者の管理を制限する為にアイザックに頼んで封印してもらったのだなん。もし俺が復活して綻びを見つけられたら深淵の主帝釈天に迷惑がかかるんだなん。お前誰だか知らないが急いで管理者を殺すんだなん。クソ管理者がエリミガリアに立つ気配があるんだなん、案内するんだなん!」
 燕尾服の白ウサギは突然まくしたて俺の手を引っ張った。 そしてピクピクと耳を動かして目を閉じるとうんうんと頷く。
「このウザい暗い感じは月神だなん!!カルディアン帝国に行くんだなん!!」

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