10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?
77
「主君ー!!何かまとめて掻き集める魔法はないのでしょうか!?」
「いや、まとめただろうが。」
盲点だった。 海おもいっきり凍らせたら魚いっぱい取れるんだね。 今まで必死で網で漁をしていたのが馬鹿馬鹿しくなる程の茜鰯の群れだ。 もちのロンで鮫もゲットしたぜぇー。
氷の中から分離させて魚の山をスコップで箱詰めしてる最中なんだがカルマがうっさい。 ライにいたっては食いすぎてグロッキー状態だ。
まとめてフェアリーランドに入れろって? 馬鹿言っちゃいけない。 魚を氷から抜き取る作業が大変すぎてそっちに気が回らないのだよ。
「ウーシェン腕6つもあるんだからもっと頑張れよ!!」
「主よ……私のこの腕はスコップを使うには少々難儀でして」
まぁ、そうだろうな。 でも一番早いから素晴らしいの一言だけどな。
「旦那ぁ!!魚くせーっす!」
「頑張れとしか言いようがないな。いや、言いようがねーっす!」
「ひでーっす!」
項垂れるスーシェンを見て少し笑ってしまった所で風景に違和感を覚える。
いま、確実に氷の向こう側に緑色の何かが動いた気がした。
「主君!あれは蛙共では?」
「せぇーかーい!尾行するぞ」
カルマが小首を傾げる。
「尾行でございますか?殺すのではなく」
「そうだ。あいつらが何処に行くかで話が変わってくるだろう?本当に三日月島があるなら今回の件でつめていけば蛙を財布にできるだろうが!!」
「流石主君!!ご聡明であられる!」
「っとその前に。」
『集荷収納っと』
今回の収穫をまとめてフェアリーランドに納める。 カルマ、四星、五星は両手を広げて驚いてる。 だって俺一人だけしんどいのはいやだろ? 無意味な作業だとしても働けの一言だ。
「旦那ぁ!スコップがどんだけ大変だったか!!」
「黙れ黙れ!蛙追いかけるぞ!隠蔽魔法かけてやるからそこ並べ。でっかい声だしたり攻撃したりすんなよ?解けるから」
『付与式・光学迷彩』
「さぁ、蛙ちゃんと遊ぼうか」
氷がある部分だけ一先ずは距離を詰める。 結構速く動いてんのに余裕で着いてくるこいつら…。 すごいと言うのか、キモいと言うのか。 ただ、ライはお腹パンパンで遅いけどな。
なんとか氷の端まで距離を詰めると蛙の生き残り達の背中に追いついた。 蛙の飛び方そのままに水面をピョコピョコと跳ねる一段は群れている事で巨大な何かに見える。
「主君、あ、あいつら水の上を歩いておりませんか?」
「ん?だな。手と足があめんぼみたいになってんのかな?」
「どうされますか?やはりいっそのこと滅しますか?」
「あほか!そんなんしたらここまで来た意味がなくなんだろ。歩け」
俺は普通に親父に貰った靴で歩き始めると、何を勘違いしたかスーシェンが水に落ちた。
「ちょっ!旦那!つめたっ!」
「ははははっ!貧弱貧弱ぅ!」
ライは危険を察知したのか俺の足にしがみついてきた。 そしてカルマ達は致し方なしと極寒の海に飛び込んだ。
馬鹿だな。やっぱり。 こいつらの技量なら水面を歩くなんて容易いだろう。 普段から派手な技ばかり使おうとするから応用が効かないのだろう。 知らんけど。
数時間蛙の一団を追いかけていると大陸に上陸し始めた。 しかしどうなってるんだ? これまでの間に俺達は少なくない回数、魔物に襲われてるにも関わらず、あいつらは一度も襲われていない。 どう考えても向こうの方が美味そうだろう?
「おっと、また私の腕に槍鮪が。」
上顎が槍の様に伸びるカジキマグロ的な槍鮪が幾度と五星に襲いかかる。 その度に吻を掴み、腹を割り俺に渡して来る。
「五星はいいじゃねぇか!俺なんかずっとこれだぜ?地味にいてぇよ。」
五星のバタアシには深い所にいるはずのクエがかぶりつく。 此方も丸太クエと呼ばれる大きな個体だ。
カルマにはアオリイカに良く似たカタチの巨大な鮑烏賊が引っ切り無しに襲いかかる。
幼女に触手って誰得だよ。
「うわん、にゅるにゅるする」
俺得だよ、ファァーー!!!
俺とライには鱸をデカくした巨鱸がボイルし続ける。
差別だ、何故あいつら蛙は平然としてる。
まぁ、それはいいとしてもマッピングで見た結果俺達はあの高速船でグルっと真北まで来ているようだな。 ちょうど集落の真反対だ。
いや、話が合わないぞ? 一日やそこらでここまでの距離を詰めれるワケがない。 転移加速か?それなら俺が魔力の波動に気付くはずだ。 海を凍らせて距離を詰めたのは相当な距離なのはわかるが、ヨルムンガルドにすら届いていないように感じたのに何故。
いやちょっと待て。 リヴァイアサンと戦ったのは何処だ?
「おっと………」
「どうされました主君!!」
「ちょっとこれ見てみろ、ここがリヴァイアサンと戦ったところで、それまでの海路がここで途切れてる。」
「我々が発動に気付かず転移させられていたと?」
「恐らく魔力とは違う何かだろうな。折り紙で二つ折りしたようにちょうど真反対にいた事になる。」
でも、この感覚は知ってるぞ。 あの島で師匠に許可を取らずに覇王宮に踏み込んだら集落の砂浜に立ってる事があった。 確かAとBを繋ぐとかなんとか言ってた気がする。小さい時過ぎてあやふやだ。 何かを探し…そうだ、宝探しだ。 AとBを二つ折りにして繋ぐ場合に中心に宝があるんだ。
『世界の理を繋ぐ術ですよカタカタカタ』
そうだ。 嫌な思い出だから忘れてたんだ。 それまで迷宮主が居なかった平和な迷宮の温厚な魔物が全部死んだんだ。 泣きじゃくってたら師匠が死霊使いのネグロス先生を連れて来て…そうだ、だから俺は死霊術が嫌いだったんだ。
謎が解けた。
「カルマこれが終わったらこの中心に行こう。これは界理術だ、しかも大規模の。師匠が関係してるかも知れない。」
「はい!主君!何処までもお供いたします!!」
「いや、まとめただろうが。」
盲点だった。 海おもいっきり凍らせたら魚いっぱい取れるんだね。 今まで必死で網で漁をしていたのが馬鹿馬鹿しくなる程の茜鰯の群れだ。 もちのロンで鮫もゲットしたぜぇー。
氷の中から分離させて魚の山をスコップで箱詰めしてる最中なんだがカルマがうっさい。 ライにいたっては食いすぎてグロッキー状態だ。
まとめてフェアリーランドに入れろって? 馬鹿言っちゃいけない。 魚を氷から抜き取る作業が大変すぎてそっちに気が回らないのだよ。
「ウーシェン腕6つもあるんだからもっと頑張れよ!!」
「主よ……私のこの腕はスコップを使うには少々難儀でして」
まぁ、そうだろうな。 でも一番早いから素晴らしいの一言だけどな。
「旦那ぁ!!魚くせーっす!」
「頑張れとしか言いようがないな。いや、言いようがねーっす!」
「ひでーっす!」
項垂れるスーシェンを見て少し笑ってしまった所で風景に違和感を覚える。
いま、確実に氷の向こう側に緑色の何かが動いた気がした。
「主君!あれは蛙共では?」
「せぇーかーい!尾行するぞ」
カルマが小首を傾げる。
「尾行でございますか?殺すのではなく」
「そうだ。あいつらが何処に行くかで話が変わってくるだろう?本当に三日月島があるなら今回の件でつめていけば蛙を財布にできるだろうが!!」
「流石主君!!ご聡明であられる!」
「っとその前に。」
『集荷収納っと』
今回の収穫をまとめてフェアリーランドに納める。 カルマ、四星、五星は両手を広げて驚いてる。 だって俺一人だけしんどいのはいやだろ? 無意味な作業だとしても働けの一言だ。
「旦那ぁ!スコップがどんだけ大変だったか!!」
「黙れ黙れ!蛙追いかけるぞ!隠蔽魔法かけてやるからそこ並べ。でっかい声だしたり攻撃したりすんなよ?解けるから」
『付与式・光学迷彩』
「さぁ、蛙ちゃんと遊ぼうか」
氷がある部分だけ一先ずは距離を詰める。 結構速く動いてんのに余裕で着いてくるこいつら…。 すごいと言うのか、キモいと言うのか。 ただ、ライはお腹パンパンで遅いけどな。
なんとか氷の端まで距離を詰めると蛙の生き残り達の背中に追いついた。 蛙の飛び方そのままに水面をピョコピョコと跳ねる一段は群れている事で巨大な何かに見える。
「主君、あ、あいつら水の上を歩いておりませんか?」
「ん?だな。手と足があめんぼみたいになってんのかな?」
「どうされますか?やはりいっそのこと滅しますか?」
「あほか!そんなんしたらここまで来た意味がなくなんだろ。歩け」
俺は普通に親父に貰った靴で歩き始めると、何を勘違いしたかスーシェンが水に落ちた。
「ちょっ!旦那!つめたっ!」
「ははははっ!貧弱貧弱ぅ!」
ライは危険を察知したのか俺の足にしがみついてきた。 そしてカルマ達は致し方なしと極寒の海に飛び込んだ。
馬鹿だな。やっぱり。 こいつらの技量なら水面を歩くなんて容易いだろう。 普段から派手な技ばかり使おうとするから応用が効かないのだろう。 知らんけど。
数時間蛙の一団を追いかけていると大陸に上陸し始めた。 しかしどうなってるんだ? これまでの間に俺達は少なくない回数、魔物に襲われてるにも関わらず、あいつらは一度も襲われていない。 どう考えても向こうの方が美味そうだろう?
「おっと、また私の腕に槍鮪が。」
上顎が槍の様に伸びるカジキマグロ的な槍鮪が幾度と五星に襲いかかる。 その度に吻を掴み、腹を割り俺に渡して来る。
「五星はいいじゃねぇか!俺なんかずっとこれだぜ?地味にいてぇよ。」
五星のバタアシには深い所にいるはずのクエがかぶりつく。 此方も丸太クエと呼ばれる大きな個体だ。
カルマにはアオリイカに良く似たカタチの巨大な鮑烏賊が引っ切り無しに襲いかかる。
幼女に触手って誰得だよ。
「うわん、にゅるにゅるする」
俺得だよ、ファァーー!!!
俺とライには鱸をデカくした巨鱸がボイルし続ける。
差別だ、何故あいつら蛙は平然としてる。
まぁ、それはいいとしてもマッピングで見た結果俺達はあの高速船でグルっと真北まで来ているようだな。 ちょうど集落の真反対だ。
いや、話が合わないぞ? 一日やそこらでここまでの距離を詰めれるワケがない。 転移加速か?それなら俺が魔力の波動に気付くはずだ。 海を凍らせて距離を詰めたのは相当な距離なのはわかるが、ヨルムンガルドにすら届いていないように感じたのに何故。
いやちょっと待て。 リヴァイアサンと戦ったのは何処だ?
「おっと………」
「どうされました主君!!」
「ちょっとこれ見てみろ、ここがリヴァイアサンと戦ったところで、それまでの海路がここで途切れてる。」
「我々が発動に気付かず転移させられていたと?」
「恐らく魔力とは違う何かだろうな。折り紙で二つ折りしたようにちょうど真反対にいた事になる。」
でも、この感覚は知ってるぞ。 あの島で師匠に許可を取らずに覇王宮に踏み込んだら集落の砂浜に立ってる事があった。 確かAとBを繋ぐとかなんとか言ってた気がする。小さい時過ぎてあやふやだ。 何かを探し…そうだ、宝探しだ。 AとBを二つ折りにして繋ぐ場合に中心に宝があるんだ。
『世界の理を繋ぐ術ですよカタカタカタ』
そうだ。 嫌な思い出だから忘れてたんだ。 それまで迷宮主が居なかった平和な迷宮の温厚な魔物が全部死んだんだ。 泣きじゃくってたら師匠が死霊使いのネグロス先生を連れて来て…そうだ、だから俺は死霊術が嫌いだったんだ。
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