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10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?

慈桜

69

 リブラ達がカエルと盛り上がっている頃、ロウエント・ビーステイルダムの連合軍は大炎の炎となりて動き始めていた。
 ロウエントから尖兵として送り出されたケンタウロス4万、ケライア3万、狼人族1万、狼牙族1万は国土から滲み出すように、新たに広がる土地の蹂躙を開始する。 山間を越え勘付かれぬように周到した奇襲であった。
「おいおいおいおい、あいつらまじかおい。」
「逃げ切れ…ねぇよな?」
 民間人が逃げ惑い、それを背後から長槍を振り回し追いたてる人身半馬の軍勢は目前に迫り来る何もかもをなぎ倒していく。
 民間人は切り裂かれ踏み躙られ、対抗する追跡者は集団で囲み嬲られていく。
「ここが国境か。」
「ムルバトス!!指示を!!」
「この街からアイルセムの神像が見えるリオまで一気に蹂躙しろ!!狼人族と狼牙族と合流すると同時にノースウォールを落とす!!」
 歓声と共にケンタウロスは機動力を生かし侵略して行く。
 そして空を埋め尽くすような黒い羽の鳥人。 黒いハーピーと言えばわかりやすいだろうか。
黒羽人ケライアか。流石に速いな。」
「ムルバトス!!準備を!!」
 ケライアと呼ばれた黒いハーピーが真上を飛ぶようになると、ケンタウロス達が民間人の首を斬り落としソレを投げ始めた。 ケライア達はそれらを受け取ると再び羽ばたく。
「むるむるぅーもっとちょうだいよぉ」
「ザングおめーその呼び方やめろっつったよな?」
 ザングと呼ばれた黒いハーピーはケンタウロスから人の首を更に受け取るとと甲高い笛を鳴らしケライアを上空へ集める。
 そして遠吠えと共に逃げた民間人を噛みちぎり民族的な血化粧をした狼の耳を持つ狼人族と二足歩行の狼牙族が土煙をあげて現れる。
「またせたなケンタウロス!!宴の時間だ。」
 割れんばかりの雄叫びと共に先遣隊は森へ軍を進める。
 そして本陣はゆるりと歩を進めていた。
 5千のミノタウロスが巨大な攻城兵器を牽引し、2万のリザードマンが物資を牽引、そして周囲の警備を受け持つ。 これらは亜人の国の始祖に見定められた氏族の者であり、野生のミノタウロスやリザードマンとは知能が根本的に違う。
 その背後からは犬、猫、兎、狐、狸、虎、と様々な動物の特徴である耳と尻尾を持つ獣人族が鎧に身を固め獅子と剣を象徴するビーステイルダムの赤い旗を掲げ行軍をする。
 その数20万。
 その背後からは二足歩行の獣人である亜人達が竜人の精鋭の指揮の元アイアンクロスに獅子が噛み付く緑色の旗印ロウエントの旗を掲げ進軍する。
 その数こちらも20万。
 別働隊、遊撃隊を合算して65万の大軍勢でロウエント・ビーステイルダムの連合軍はノースウォールに牙を剥く。

 その頃切っ先が喉元に届こうかとしているノースウォールでは…。
「どうです?シェルル姫」
「これがお祭りですか。国にも催しはありますが、神輿と言うのは素晴らしいですね」
「はい、平和を願う神輿ですからね。今のノースウォールにぴったりです」
 街には華やかに彩られた神輿が走り回り、それを追うように踊りながら付いて行くノースウォールの民。
 大陸の条約で戦争は布告を受け互いに十分な準備期間を設ける約束が取り決められているからこそ、ここまでの事ができたのだろう。 神輿自体は過去にホーキ・ボンドら北方同盟がゲーム時代に祭りで使用した物らしいが、好き勝手に行われた装飾が和と西洋の歪なバランスを演出している。
 笑い合いながらも拡大されていく美しい国にせまる脅威に気づかぬままに。
 連日の活気に幼子までもが少しばかりのお小遣いを手に握りしめ露店に並ぶ中、東の空が黒く染まり始める。
「あれ?雨降ってきたよ」
 次第に黒い雲がノースウォールの上空に到着すると同時に赤い雨が降り始めた。
「キャアアアアアアア!!首が!首がぁぁぁ!!!」
 祭りの最中に巻起きる惨事。 突如空から降りしきる3万を超える生首。
 ノースウォール聖都は一瞬で地獄へと形相を変える。
「そんな………」
「シェルル姫!」
 ホーキ・ボンドがシェルルを支えるとキリッと奥歯を噛み締めケライア達を睨みつけた。
『ごきげんよう、ノースウォールのしょくん、われわれロウエント・ビーステイルダムはこれよりきこくにせんせんをふこくする』

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