10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?
64
『ピコン』
連日の使者の来訪に辟易しながらも、忙しいが止まらない状態で、部屋の中に似つかわしくない電子音が響く。
「おっ、ヤクザ屋さんのおやびんか。なになに?」
拝啓リブラ様
改めましてご挨拶させて頂きます。 私は不動国代表を務めさせて頂いております秋定と申します。 代表としまして、多大なるご迷惑をおかけした事を心よりお詫び申し上げます。
先日の使者のご無礼どうかお許し頂きたい。 未熟者ですが、此方としては必要な人材でありまして、些か壊れすぎているもので日々心痛めております。
当方でお力になれる事が御座いましたら尽力させていただく所存、どうか寛大なる御心にて御容赦受け賜りたく存じあげます。
また、私は錬金術の腕に覚えがあります。 必ずご期待に添える事をお約束致しましょう。
敬具 秋定
なるほど、こう来たか。 錬金術って、ぷぷぷ。 覚醒剤売ったり恐喝するって事じゃないよね? けど、実際追跡者の中に錬金術師っていないな。 なんか失われた技術とか聞くけど…くそっ、ちょっと興味あるじゃないか。
だが………。
「とりあえず無視しようか。」
そういうこった。 くそう!!参謀みたいな奴が欲しい。 めんどくさい!面倒臭すぎる。
俺は何がしたいのかと問われたら素直に答えよう。 楽しい事がしたいのだ。 ヤクザと交渉したり国を営む事がしたいわけではない。
ゴブリンの子供が落ち込んでいたから協力しただけでなんでこんな面倒な事に発展したんだ? いや、やり過ぎたのは認める。 だがそれはゴブリン達や時田さんの夢を叶えただけであって…いや、言い出してもキリがない。
とりあえず一つずつ片付けよう。 まずはヨルムンガルドとカルディアンの国境に外壁を建築する魔導具の作成だ。
「主君!!」
うわ。カルマ来た。 最近カルマが来るタイミングでめんどくさい事が起きる気がしてビクッとしちゃうよね。
「どうした?こう見えても忙しいんだが」
「鮫が絶滅いたしました」
「ぬぅあにぃぃ!!!!」
大惨事だ。 乱獲か?乱獲が問題か? 鮫カツはこの集落の主食ローテーションの一つ。 それが絶滅とはなんたる。
「って、たまたまだろ?あんだけ居たのに絶滅するわけないじゃん」
「えぇ、確かに絶滅はしておりませぬ。ですが、生息域を変えた模様であります」
「だからなんで言い切るんだ?たまたまだろ?」
これは多分に俺の願いも込められている。 蟹だけではダメだ。 鮫は必要なんだ。 俺は最近朝一獲れたての鮫の肝をノースウォール産の柑橘系の酢をぶっかけて食うのが日課だ。 それが無くなるのはいただけない。 これはこの数日間で一番の事件だ。
「人魚族が…現れました。赤鮫の大好物の人魚族が現れたと言う事は………」
「言うな。言うんじゃない。聞きたくない聞きたくない。」
「しかし主君!!」
いや、冷静になろう。 クールになろう。 イッツクールソークールだ。
「じゃあ漁は難しくなったのか?」
「近海では、難しいでしょう。人魚族が外敵を退けた御礼に定期的に真珠貝を納めたいと申しておりまして…まだ返事は保留しておりますが、あれらが持ち寄る真珠貝は質がズバ抜けている上に味も絶品。断る道理はないかと…」
うん?なんかいい話しじゃないか?こちらは集落の主食とまでは言わずとも、ある程度の食糧と価値の高い真珠が手に入る。 向こうは平和に暮らせてラッキー。 悪くない。後は鮫のストックが出来れば俺としては言う事は無い。
「鮫共はどこに行ったのかわからないのか?」
「ハウロミ島周辺が爆発的に分布と沖で停留する蒼龍の乗組員から連絡が来ております。」
あぁ、あの先住民族の島か。 確かリャンシェンが仲良さそうにしてた。 これはリブラ初の外交デビューの予感です。 いや、もうしてる気はするんだけどね? でも建国してないからそんなんじゃないし。 やっぱ向こうも自由民なワケでして、同じ土俵の人間とはガチで向き合うつもりですからね、こちとら。はい。
「よぉし!カルマ!ハウロミ島にいくぞ!!」
「はっ!!了解しました!」
意気揚々と蒼龍に続く転移プレートへ向かう途中、カルマと俺は首根っこを掴まれて立ち止まった。
「ちょっとリブラさん、カルマ様?何処へ行くつもりですか?」
マキちゃんだ。 心なしかげっそりしてる。
「えと、ちょっとハウロミ島に?」
「ええい、マキちゃん殿!きさまっ!離せ!足が浮いておるのだ!!」
顔は笑ってるけど目が笑ってない。
「なんでこの忙しい時に?」
「鮫のストックをしに行こうかと」
あれ?マキちゃんが初めて見せる顔をしているよ?
「鮫なんて何千匹もストックあるでしょうが!!外壁建築用の魔導具と石魔法の建築用途の転換をどーのこーのはどーなったんですか!!いつまで皆さんを野宿させる気ですか??明日にはトッキーが帰ってくるんですよぉ?もー」
鮫のせいで忘れてた。 仕方ない。鮫のストックの為だ。 俺が本気で動きますよて。
ため息を我慢して鼻息をゆっくり吐きながら海を見ると下半身が魚のめっちゃ可愛い子がめっちゃ可愛い笑顔でこっちに手を振った後に海に飛びこんで行った。
まぁ、幼女でしたけどね。
連日の使者の来訪に辟易しながらも、忙しいが止まらない状態で、部屋の中に似つかわしくない電子音が響く。
「おっ、ヤクザ屋さんのおやびんか。なになに?」
拝啓リブラ様
改めましてご挨拶させて頂きます。 私は不動国代表を務めさせて頂いております秋定と申します。 代表としまして、多大なるご迷惑をおかけした事を心よりお詫び申し上げます。
先日の使者のご無礼どうかお許し頂きたい。 未熟者ですが、此方としては必要な人材でありまして、些か壊れすぎているもので日々心痛めております。
当方でお力になれる事が御座いましたら尽力させていただく所存、どうか寛大なる御心にて御容赦受け賜りたく存じあげます。
また、私は錬金術の腕に覚えがあります。 必ずご期待に添える事をお約束致しましょう。
敬具 秋定
なるほど、こう来たか。 錬金術って、ぷぷぷ。 覚醒剤売ったり恐喝するって事じゃないよね? けど、実際追跡者の中に錬金術師っていないな。 なんか失われた技術とか聞くけど…くそっ、ちょっと興味あるじゃないか。
だが………。
「とりあえず無視しようか。」
そういうこった。 くそう!!参謀みたいな奴が欲しい。 めんどくさい!面倒臭すぎる。
俺は何がしたいのかと問われたら素直に答えよう。 楽しい事がしたいのだ。 ヤクザと交渉したり国を営む事がしたいわけではない。
ゴブリンの子供が落ち込んでいたから協力しただけでなんでこんな面倒な事に発展したんだ? いや、やり過ぎたのは認める。 だがそれはゴブリン達や時田さんの夢を叶えただけであって…いや、言い出してもキリがない。
とりあえず一つずつ片付けよう。 まずはヨルムンガルドとカルディアンの国境に外壁を建築する魔導具の作成だ。
「主君!!」
うわ。カルマ来た。 最近カルマが来るタイミングでめんどくさい事が起きる気がしてビクッとしちゃうよね。
「どうした?こう見えても忙しいんだが」
「鮫が絶滅いたしました」
「ぬぅあにぃぃ!!!!」
大惨事だ。 乱獲か?乱獲が問題か? 鮫カツはこの集落の主食ローテーションの一つ。 それが絶滅とはなんたる。
「って、たまたまだろ?あんだけ居たのに絶滅するわけないじゃん」
「えぇ、確かに絶滅はしておりませぬ。ですが、生息域を変えた模様であります」
「だからなんで言い切るんだ?たまたまだろ?」
これは多分に俺の願いも込められている。 蟹だけではダメだ。 鮫は必要なんだ。 俺は最近朝一獲れたての鮫の肝をノースウォール産の柑橘系の酢をぶっかけて食うのが日課だ。 それが無くなるのはいただけない。 これはこの数日間で一番の事件だ。
「人魚族が…現れました。赤鮫の大好物の人魚族が現れたと言う事は………」
「言うな。言うんじゃない。聞きたくない聞きたくない。」
「しかし主君!!」
いや、冷静になろう。 クールになろう。 イッツクールソークールだ。
「じゃあ漁は難しくなったのか?」
「近海では、難しいでしょう。人魚族が外敵を退けた御礼に定期的に真珠貝を納めたいと申しておりまして…まだ返事は保留しておりますが、あれらが持ち寄る真珠貝は質がズバ抜けている上に味も絶品。断る道理はないかと…」
うん?なんかいい話しじゃないか?こちらは集落の主食とまでは言わずとも、ある程度の食糧と価値の高い真珠が手に入る。 向こうは平和に暮らせてラッキー。 悪くない。後は鮫のストックが出来れば俺としては言う事は無い。
「鮫共はどこに行ったのかわからないのか?」
「ハウロミ島周辺が爆発的に分布と沖で停留する蒼龍の乗組員から連絡が来ております。」
あぁ、あの先住民族の島か。 確かリャンシェンが仲良さそうにしてた。 これはリブラ初の外交デビューの予感です。 いや、もうしてる気はするんだけどね? でも建国してないからそんなんじゃないし。 やっぱ向こうも自由民なワケでして、同じ土俵の人間とはガチで向き合うつもりですからね、こちとら。はい。
「よぉし!カルマ!ハウロミ島にいくぞ!!」
「はっ!!了解しました!」
意気揚々と蒼龍に続く転移プレートへ向かう途中、カルマと俺は首根っこを掴まれて立ち止まった。
「ちょっとリブラさん、カルマ様?何処へ行くつもりですか?」
マキちゃんだ。 心なしかげっそりしてる。
「えと、ちょっとハウロミ島に?」
「ええい、マキちゃん殿!きさまっ!離せ!足が浮いておるのだ!!」
顔は笑ってるけど目が笑ってない。
「なんでこの忙しい時に?」
「鮫のストックをしに行こうかと」
あれ?マキちゃんが初めて見せる顔をしているよ?
「鮫なんて何千匹もストックあるでしょうが!!外壁建築用の魔導具と石魔法の建築用途の転換をどーのこーのはどーなったんですか!!いつまで皆さんを野宿させる気ですか??明日にはトッキーが帰ってくるんですよぉ?もー」
鮫のせいで忘れてた。 仕方ない。鮫のストックの為だ。 俺が本気で動きますよて。
ため息を我慢して鼻息をゆっくり吐きながら海を見ると下半身が魚のめっちゃ可愛い子がめっちゃ可愛い笑顔でこっちに手を振った後に海に飛びこんで行った。
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