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10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?

慈桜

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「おい、スーシェン!!貴様まさかあの大斧をとろうとしてないか?」
「え?ばれました?ニの字の旦那ぁ!譲って下さいよ!!」
「あれが一番面白そうではないか!!譲れん!!」
「じゃあ俺あっちの魔法使いでっと!!」
「「あぁ!!」」
 まずい、まずいぞ。 一星の旦那に妥協案の魔法使いをとられたって事はあの大斧しか強そうな奴は残ってない。 ここは強引に飛び降りて…。
「まぁ、待てスーシェン。」
「ちょ!!二の字の旦那!!離して下さいよ!!」
 くそ、腰紐を掴まれた! 流石だぜ二の字の旦那!
「いやいや、ここで彼奴を譲れば我は送迎しか仕事が残らぬではないか!!」
「旦那は出番が多いでしょうが!!」
 ここで譲って貰わねば活躍の場を失う。何かいい案はねぇかい?いや、ある。 俺たちがまだ弱かった頃、飯の配分で戦ったあの手法が!!
「あっ!!ジャンケンします?」
「ふん、いいだろう。」
 よし乗ってきた!! 今の俺の動体視力なら勝てる!
「「ジャンケンポン」」「「あいこでしょ!!」」「「あいこでしょ!!」」「「あいこでしょ!!」」
 そこに空気を読まずに大斧が振り抜かれる。
「邪魔すんなよ」「その意見には同意見だ。」
 俺が指先で大斧を止めると二の字の旦那は赤黒い槍で斧の刃を貫き砕く。
「「あいこでしょ!!」」
 これは聖戦だ。 互いに引けを取らずあいこが続く。
「二の字の旦那!!いくら目がいいからって出す途中で変えるんはやめにしましょうや」
「ほざけ!!貴様も似たような事をしてるではないか!!」
「「あいこでしょ!!!」」
 そして次は砕けた斧が降り抜かれる。 イラついた二の字の旦那が柄の部分を斬り落とし、俺がそれを投げつける。
「「ちょっと待っとけ!!」」
 そこから死闘にもまさる男の意地をかけたジャンケンは続き…俺は勝った。
「ぐぬぅぅぅ。」
 その時、城とは正反対の方向に木の巨大な像が現れる。
「ふん、あれで我慢しようか」
「あっちのほうが面白そうだぁ!!くそっ!!」
 悔しいながらにも俺は飛び降りた。 大斧と戦えば少しは気が済むだろうと。 だが、物事はうまく行かない事が多い。 大斧使いは自分の斧に下敷きになっていたのだ。
「おい!!大丈夫か??」
「ぐっ、なんたる屈辱……」
「こんなでけぇ斧、体に受けて生きてるなんてお前すげーな、名前はなんて言うんだ?」
「………セナルアックスだ。」
「そうか、◯ナル◯ックスか。」
「違う!!セナルアックスだ!!」
 下敷きになった男は胸元の開いた服に短い白いスカートをはいている。 だが男だ。
「どんなにツライ事があろうが男は男として生きるべきだ。」
「違う!!これはネカマをしていた時のままで!!顔は…顔は女顔のままなのに体は何故か…」
「深くは追求せん。」
「殺してくれ………。」
 無抵抗の相手を殺すのは俺の武に反する。
「また、全快したら拳を交えよう。無抵抗の貴様を殺す気にはなれん。」
「ぐっ………頼む……殺してくれ……」
 せつない。 此奴の武人としての生き様は賞賛に値するが、俺としても戦いを楽しみたい。
「わかった。」
 俺に出来る事は少ないが、こいつの為を思って出来る事はある。
 俺は崩れ落ちた城壁を拾い指で字を書く。
 コムギ殿に聞いた事がある。 此奴ら追跡者の世界では男同士の色本があると。 そしてそれを嗜む女人を腐女子と呼ぶと。 此奴はその色本の中に出てくる濃い人種なのだろう。 なれば刻まねばなるまい。
『ガチホモ』と。
「武人としての貴様は今日ここで死ぬ。だが、新たな道をゆけ。」
 そっと斧の上にガチホモと刻んだ石壁を置いてやる。
「もう………死にたい……。」
「案ずるな、貴様は死んだのだ。◯ナル◯ックスよ」
「セナル…アックス…です」
 武人は涙を流し死んだのだ。 これにて一件落着。
「ぷぷぷ…だはは!!一星の旦那ぁぁ!!!一星の旦那ぁぁ!!コムギ殿の言ってたガチホモがここに!!ガチホモがぁ!!」
「なにぃぃ!!あれか!!男同士の色事の!!……だははは!!!」
 魔法使いを瞬殺した一星の旦那と涙を流しながら爆笑してやった。
「ぎゃははは!!」
「これ主に見せてぇ!!」
「………頼むから殺せよぉぉぉ!!!」




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