10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?
55
「さて、城を燃やしてみようか」
時田が小さく呟きヨルムンガルド城へ向け発射レバーを引き絞ると一斉に30機の零戦の機関銃が火を吹いた。
次々にぶち込まれる銃弾は爆発を繰り返し遂には城を炎上させる。
「なかなか頑丈なもんだな、西洋の城と言う物は…」
炎上と共に進路を城下へと移すがまだ四カ所に人集りが出来、塾生達が交戦している最中だった。
その時、感じ得た事の無い寒気に振り向くと城を真っ二つに出来きそうな巨大な斧が上空から振り下ろされる所だった。 時田はこれを即座に回避、だが数機の零戦が爆炎を上げて墜落して行く。
「くそ!!!なんなんだあれは!!」
だが時田はこれに怯えるようでは時田では無い。 急上昇背面飛行から伸縮させる巨斧の持ち主を発見し即座に弾丸を撃ち込む。
「頼むから死んでくれよ?」
だが、その巨斧使いはもう一度斧を巨大化して一文字に振り抜いて来たのだ。 時田は機体をわざと落とし紙一重でこれを回避し急旋回する。
「分が悪いな、あの斧は厄介だ。一度距離を取るか」
その意図を汲んだのか塾生達も城の周りを飛ぶように旋回を始め距離をとろうとするが、次は対空砲火で迎撃される。 さらに三機が墜落するのを見て時田は撤退を考える。 上空へ向けての高威力の魔法を連発できる術者と空を切り裂く対城兵器レベルの斧使い、ここは一度下がるべきだと。
そして城下街上空まで下がると、時田塾特別作戦部隊が大蛇相手に苦戦しているのが目に入る。
残存の20機で援護射撃を行いながら街を少しずつ燃やして行くと前方から赤い大きな矢が飛来し、それをわずかに機体を揺らし交わす。
「やっと見つけたぞジジイ」
以前に時田の羽を撃ち抜いた弓使いのジジイが協会の屋根で弓を構えていたのだ。 城を燃やした事である程度の納得はしていた物の血が滾っては、仕方が無い。
他の者には帰艦命令を出し時田は一気に降下を始めた。
王都の特別作戦部隊では、安らぎの庭園の殲滅魔法術師と雷々亭のギルドマスター写楽らが四方に分かれ難民の避難を行っていた。
「ちくしょ!王都は流石に多いな。」
「写楽さん、応戦してくれませんか?やはり追跡者が多数いると89式だけでは抑えきれません!」
「はっは!!じゃあちょっくら暴れてやっか!!!」
『武王流殺神術闘気開放』
写楽が闘気開放すると共に追跡者奴隷の中の隊長格が前に出る。
「珍しいな、殴り屋か!俺が相手してやろう!」
『武王殺人流闘気開放』
リブラに連撃をバカにされていたいつかの追跡者が闘気開放すると同時に連撃を開始する。 その一発一発の衝撃に、周囲の時田塾塾生は転げたり体をよろめかせたりしているが写楽は全ての打撃を受け流し平然としている。
「何故だ何故だ!!同格である殺人流で何故削れない!!!」
鼻で笑う写楽はカウンターでデコピンを入れると男のHPを大きく削る。
「人は殺せても神は殺せませんってやつだろ?」
『武王殺神流・一本撃』
「一本撃って!!そんな、写楽は死んだんじゃ……」
グッと腰を落とし全身の闘気が膨張し力の流脈が指先に集まる。
「まぁ、プレイヤーの俺は死んだわな」
そして……。
闘気を纏い鋼鉄をも容易く貫く硬度をもった人差し指を音速で振り抜く。
シンプルにズパンと音が響くと男の顔面に拳大の穴が開く。
「いやぁ、リブラさんに鍛えられてから加減がわからんわ」
指揮官を失い統制がとれなくなった追跡者を89式で撃ち抜いて行く事により、写楽の守る転移プレート周辺の制圧は完了する。
そして上空での時田。 まず協会自体に集中砲火を浴びさせた後に、飛び移る老人の弓使いを狙い斜に撃ち尽くす。 若干にかすりはしたものの術式発動までいたらずに、反撃を許してしまう。 だが、以前に受けた竜殺しの強弓を何度も頭で反復していた時田はその矢をかすらせることすら許さない。
「なかなかやりおるのう」
弓の老人は舌打ちをしながら弦を引く。
だがその隙を時田が逃すはずがない。 冷静に狙いを定めて発射レバーを引き絞るとガチンガチンガチン金属音のみが響く。
「クソ、豆がきれやがったか」
老人の竜殺しの弓を急上昇する事で紙一重でかわしもう一度攻めたてる。
『ツール・武器庫・大日本帝国零式艦上戦闘機・留式七粍七旋回機銃弾丸・.303ブリティッシュ弾ダウンロード』
ココココココココココココと弾丸が瞬時に装填されるのを感じとり、まだ勝利が確定していないのにも関わらず時田は口元だけで薄く笑みを浮かべる。
「これが本当の鉛玉だ、爺さん!!」
リブラの作る赤い魔弾でも時田は圧倒的命中率を誇るが、やはり若かりし頃に撃ち続けた弾丸は一味違う、まるで時田のイメージを弾丸自らが補正するかのように弓使いの老人を蜂の巣に変えて行く。 老人は弾丸を一身に受け全身を赤く染め地に落ちた。
「恩は返したぞ、弓使いのジジイ…死にはしてないだろうが…精々痛みにもがけばいい」
そして、時田は思い違いをしていた。 リブラの造る弾丸はそれはそれは殺傷力が高いが、神格化Lv100の時田が造る弾丸も当然の如く殺傷力が高いと言う事を。 鍛冶師と言う職業はジェイルブレイカーの世界では圧倒的防御力を誇る、それはある段階を越えると重戦士の防御力をも越える程にだ。 そして、時田の製造する弾丸は自身のDEFに×の補正が入る。
DEF×材質硬度=貫通力及び殺傷力。
だから時田は知らなかった、自分は自分だけの最強の武器が存在している事を。
帰艦する中で弓使いジジイの肉片はピクリと動く事も無く撃ち落とされた路地裏で徐々に光の粒子となり消えて行く。
「おっ、主役がきましたね」
夕陽に照らされる海へ向かい時田が飛んでいると、六体の竜の上に過剰戦力を乗せた一団とすれ違う。
『一旦引く、やってまえ』
サインを教えてなどいないが分かりやすく街に親指を向けて首を切るジェスチャーに鬼達は一様に笑うと時田に握り拳を見せた。
時田が小さく呟きヨルムンガルド城へ向け発射レバーを引き絞ると一斉に30機の零戦の機関銃が火を吹いた。
次々にぶち込まれる銃弾は爆発を繰り返し遂には城を炎上させる。
「なかなか頑丈なもんだな、西洋の城と言う物は…」
炎上と共に進路を城下へと移すがまだ四カ所に人集りが出来、塾生達が交戦している最中だった。
その時、感じ得た事の無い寒気に振り向くと城を真っ二つに出来きそうな巨大な斧が上空から振り下ろされる所だった。 時田はこれを即座に回避、だが数機の零戦が爆炎を上げて墜落して行く。
「くそ!!!なんなんだあれは!!」
だが時田はこれに怯えるようでは時田では無い。 急上昇背面飛行から伸縮させる巨斧の持ち主を発見し即座に弾丸を撃ち込む。
「頼むから死んでくれよ?」
だが、その巨斧使いはもう一度斧を巨大化して一文字に振り抜いて来たのだ。 時田は機体をわざと落とし紙一重でこれを回避し急旋回する。
「分が悪いな、あの斧は厄介だ。一度距離を取るか」
その意図を汲んだのか塾生達も城の周りを飛ぶように旋回を始め距離をとろうとするが、次は対空砲火で迎撃される。 さらに三機が墜落するのを見て時田は撤退を考える。 上空へ向けての高威力の魔法を連発できる術者と空を切り裂く対城兵器レベルの斧使い、ここは一度下がるべきだと。
そして城下街上空まで下がると、時田塾特別作戦部隊が大蛇相手に苦戦しているのが目に入る。
残存の20機で援護射撃を行いながら街を少しずつ燃やして行くと前方から赤い大きな矢が飛来し、それをわずかに機体を揺らし交わす。
「やっと見つけたぞジジイ」
以前に時田の羽を撃ち抜いた弓使いのジジイが協会の屋根で弓を構えていたのだ。 城を燃やした事である程度の納得はしていた物の血が滾っては、仕方が無い。
他の者には帰艦命令を出し時田は一気に降下を始めた。
王都の特別作戦部隊では、安らぎの庭園の殲滅魔法術師と雷々亭のギルドマスター写楽らが四方に分かれ難民の避難を行っていた。
「ちくしょ!王都は流石に多いな。」
「写楽さん、応戦してくれませんか?やはり追跡者が多数いると89式だけでは抑えきれません!」
「はっは!!じゃあちょっくら暴れてやっか!!!」
『武王流殺神術闘気開放』
写楽が闘気開放すると共に追跡者奴隷の中の隊長格が前に出る。
「珍しいな、殴り屋か!俺が相手してやろう!」
『武王殺人流闘気開放』
リブラに連撃をバカにされていたいつかの追跡者が闘気開放すると同時に連撃を開始する。 その一発一発の衝撃に、周囲の時田塾塾生は転げたり体をよろめかせたりしているが写楽は全ての打撃を受け流し平然としている。
「何故だ何故だ!!同格である殺人流で何故削れない!!!」
鼻で笑う写楽はカウンターでデコピンを入れると男のHPを大きく削る。
「人は殺せても神は殺せませんってやつだろ?」
『武王殺神流・一本撃』
「一本撃って!!そんな、写楽は死んだんじゃ……」
グッと腰を落とし全身の闘気が膨張し力の流脈が指先に集まる。
「まぁ、プレイヤーの俺は死んだわな」
そして……。
闘気を纏い鋼鉄をも容易く貫く硬度をもった人差し指を音速で振り抜く。
シンプルにズパンと音が響くと男の顔面に拳大の穴が開く。
「いやぁ、リブラさんに鍛えられてから加減がわからんわ」
指揮官を失い統制がとれなくなった追跡者を89式で撃ち抜いて行く事により、写楽の守る転移プレート周辺の制圧は完了する。
そして上空での時田。 まず協会自体に集中砲火を浴びさせた後に、飛び移る老人の弓使いを狙い斜に撃ち尽くす。 若干にかすりはしたものの術式発動までいたらずに、反撃を許してしまう。 だが、以前に受けた竜殺しの強弓を何度も頭で反復していた時田はその矢をかすらせることすら許さない。
「なかなかやりおるのう」
弓の老人は舌打ちをしながら弦を引く。
だがその隙を時田が逃すはずがない。 冷静に狙いを定めて発射レバーを引き絞るとガチンガチンガチン金属音のみが響く。
「クソ、豆がきれやがったか」
老人の竜殺しの弓を急上昇する事で紙一重でかわしもう一度攻めたてる。
『ツール・武器庫・大日本帝国零式艦上戦闘機・留式七粍七旋回機銃弾丸・.303ブリティッシュ弾ダウンロード』
ココココココココココココと弾丸が瞬時に装填されるのを感じとり、まだ勝利が確定していないのにも関わらず時田は口元だけで薄く笑みを浮かべる。
「これが本当の鉛玉だ、爺さん!!」
リブラの作る赤い魔弾でも時田は圧倒的命中率を誇るが、やはり若かりし頃に撃ち続けた弾丸は一味違う、まるで時田のイメージを弾丸自らが補正するかのように弓使いの老人を蜂の巣に変えて行く。 老人は弾丸を一身に受け全身を赤く染め地に落ちた。
「恩は返したぞ、弓使いのジジイ…死にはしてないだろうが…精々痛みにもがけばいい」
そして、時田は思い違いをしていた。 リブラの造る弾丸はそれはそれは殺傷力が高いが、神格化Lv100の時田が造る弾丸も当然の如く殺傷力が高いと言う事を。 鍛冶師と言う職業はジェイルブレイカーの世界では圧倒的防御力を誇る、それはある段階を越えると重戦士の防御力をも越える程にだ。 そして、時田の製造する弾丸は自身のDEFに×の補正が入る。
DEF×材質硬度=貫通力及び殺傷力。
だから時田は知らなかった、自分は自分だけの最強の武器が存在している事を。
帰艦する中で弓使いジジイの肉片はピクリと動く事も無く撃ち落とされた路地裏で徐々に光の粒子となり消えて行く。
「おっ、主役がきましたね」
夕陽に照らされる海へ向かい時田が飛んでいると、六体の竜の上に過剰戦力を乗せた一団とすれ違う。
『一旦引く、やってまえ』
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