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10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?

慈桜

42

 エンジン音の爆音が三重奏を奏でる。
 三機が肩を並べ雲の中で時田のハンドサインを読む。
『降下スル、殲滅セヨ』
 そのハンドサインにちゃらおと少年Aはニヤリと笑う。
 そして、雲の中から三機の戦闘機が顔を出す。
「お、おい!!!おい見ろ!!あれって!!!」
「う、うそだろぉぉ???」
「ゼロだ!!ゼロが来たぞぉ!!!」
 追跡者からすれば馴染みのある者も当然にいるだろう。 何故なら、この零式艦上戦闘機は追跡者達の故郷の空で数十年前まで暴れ回っていた戦闘兵器なのだから。
「打てぇ!!!魔法をぶち込め!!」
 だが遅い。 平均330kmを維持する訓練を重ねたちゃらおと少年Aは急降下した直後射程範囲に入ったと同時に発射レバーを引き絞るのだから……。
 紅く凝縮された魔導機関銃の弾丸が掃射され着弾と同時に螺旋を描き大爆発を起こす。
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「よぉぉぉっしゃっ!!!俺の勝ちだぜ!!!!グリムさん!!」
 緊張の一瞬だった。 あの先頭の船が全てを護っていたのだからこれを破ったとなれば、こちらの勝利は確定したようなもんだ。 これは戦と若き日のグリムさん、どちらにも勝った劇的な勝利と言ってもいいだろう。
「何故ですか主君!!このカルマの魔法が通じなかったのにも関わらず何故ゼロの弾丸はあれを貫いたのですか???」
 まぁ、いいだろう。 こいつは暴れたいのを抑えたのだから、これぐらいは教えてやろう。
「あの弾丸は物理から魔構築に変わるんだ。あの弾丸は魔晶石とミスリル混ぜ合わせ圧縮し高密度にして造り出した魔鋼を使ってる。そして一つ一つに着弾と同時に発動する極炎インフェルノブレイズの術式を施してるんだ。だから魔法障壁は無効…わかるか?」
 そこでちょっと待たんかいとマキちゃんが食い気味で割り込んでくる。 何この子大胆ねぇ。
「え?ちょっと待ってください!!じゃああの垂れ流しで撃ち続けている弾丸は一つ一つが魔導具だと言うのですか?それも高位魔法をこめた……」
「ご名答!!さすがwikiちゃん!!」
 マキちゃんは天を仰ぎ写楽はゴリラのような顔になる。
「あ、ありえない……そんなの札束をばら撒いているようなものじゃないですか!!」
「まぁね、でも減るもんじゃないし」
「主君!!!!時田の機体がやられましたぞ!!!」
「ぬぅぅあああにぃぃぃ!?」

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「うおっっしゃあ!!!!」
 ちゃらお、少年Aがそれぞれ六隻ずつ爆破させる。 だが凄まじいのは時田だ。
「時田さん!!低すぎる!!ぶれたら落ちるぞ!!でも……」
「ふぁぁぁ!!!先生!!すごい!!!」
 海面飛行で弧を描くように飛び、敵艦を駆逐していく姿はまさに軍神。 空の神をあざ笑うかのような操縦で次々と海賊船を燃やし尽くして行く。
「くそっ!!!なんで魔導砲の射程に入ってんのにあたんねぇんだ!!!」
「海面の反射を利用してるんだ!!昔テレビかなんかでそんなんが出来た人がいたって言ってたぞ!!」
「それあれじゃねぇの?民放でやってた空軍に生涯を捧げた男時田平蔵とか特集してた奴じゃね?」
「海に飛び込め着弾したぞ!」
 直後爆炎で船が消し飛ぶ。
「やっるー!!!時田先生飛行訓練の時の何倍うめーんだよ!!」
 少年Aは着実に一隻ずつ落とし、ちゃらおは距離を取りながらまとめて落としてく。 そしてその穴を時田が埋めていくのだが、やられっぱなしの帝国軍では無かった。
『竜殺しの長弓』
 朱色の長弓を構えた老人が時田の片翼を貫いたのだ。
「くそっ、しくじったか…だが…」
 バランスを崩し墜落するかと思いきやなんとか持ち直し急上昇する。 なんとか繋がっていた右翼はそれに耐えきれなくなり炎上する。
「くそ、ならば特攻するまで!!!」
 だが、機体はなおもバランスが悪く制御が出来なくなった機体は旋回しながら墜落していく。
「先生!!!!!!」
「無茶しすぎだっての!!!」
 追い打ちをかけるように召喚された大蛇が時田の機体に食らいつくかと同時に、時田の機体は有り得ない方向に浮かび上がる。
 そして直後、赤い流星が軍船を大破する。
「ふん!!!無敵のゼロが聞いてあきれるわ!!!」
 時田の機体は赤く輝く天火竜の鉤爪で捕まれ、時田を追い込んだ軍船は一際大きな天炎竜が木っ端微塵にしたのだ。
 即座に時田は風防を開け頭を下げる。
「誰かはわかりませんが、助かりました」
「ははは!!俺たち下っ端はいいけどリャンシェン様にそれ言ったら殺されるじゃね?」
 直後その後方から4匹の巨大な竜が各々子供を背に乗せ巨大な槍を穿ち船を大破していく。
 ある者の槍は軍船を大炎にて燃やし尽くし、ある者の槍は軍船を氷漬けにして沈没させる、ある者は斬撃で海賊船を両断し、ある者は雷撃で海賊船を消し炭に変える。
 そして、ちゃらおと少年Aは出番を失い帰還する頃、時田さんの横に一際大きな天炎竜が現れる。
「どうやら飛空戦の第一陣は我の勝ちのようだな!!」
「これはこれはリャンシェン様、ご立派になられて」
 不適に笑うリャンシェンは時田の手を取り空へ舞う。
「次は……負けません」
「ははは!!空はいいな!時田殿!!仲間同士でしか争えん程に強く自由だ!!」
 時田はリャンシェンのその言葉その笑顔に空に生きた時代を思い出し最高の笑顔を見せた。

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