10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?
25
「よぉぉし網をひけぇぇ!!!」
『おーえすおーえす!!』
どうも、みんなに愛されて困っちゃう……。 ごほん、なんでもありません。 リブラです。
え?何をしているかって??
モチのロンで漁ですよ。 石弓の部族との激戦を制してから20日前後程でこの広大な半島は全て支配下に落ちた。 それはいい、そこまではいい。
破竹の勢いと言えば聞こえはいいが、どうやら順番を間違えたと言った方が正解だったのかもしれない。
問題視されていた熊は石弓の部族がことごとく狩り、既に東の森には数を残しておらず、狼に至っては小さな集落同士が力を合わせて撃退に成功していただなんて夢にも思わなかった。
結果、東蛮の部族と石弓の部族、それに引けを取らないゴリラ部隊と槍部隊によって濁流で飲み込むかの如くあっという間に東の森を飲み込んだ。
膨れ上がった我々ゴブリン軍団は、持ち前の繁殖力でその数を大幅に増やし、今では1200を越える大所帯となった。
だが、そこで一つ問題が発生した。お察しの通り食料問題だ。
あればあるだけ食い、己の糧とする逞しい…いや、いじましいゴブリンは支配領域の獲物をほとんど狩り尽くし、遂にはオークを食らう程になるまでの餓鬼っぷりを見せ始める。 実にこのまま行けば折角手に入れた領地を死の森へ変えてしまうであろう所までに発展したのだ。
そこで目をつけたのが眼前に広がる広大な海での漁だ。
器用な石弓の部族が好んで使用する大禍蜘蛛の糸を手に入れる為に石弓の部族の集落から更に北へ軍を進め、人ほどの大きさを見せる巨大蜘蛛を狩りまわした。
大禍蜘蛛の死骸の腹を踏みつけると頑丈で太い糸が手に入る為、それらを利用し巨大な網を石弓の部族と女衆の手を借りて作成する事に成功する。
オークの死体を海へ投げ入れると、何処からともなく湧き出てくるレッドシャークを根こそぎ網に絡めて引きずり上げる。 ここらの海域は獰猛なレッドシャークの支配領域のようで、食物連鎖の上位に位置しているのも幸いか大漁に継ぐ大漁が続いている。
初めは少なからずの被害が出ていた為、まさに命がけの漁であったが、カルマが漁の為にとトンテンカンと作り上げた残橋が脅威の成果を編み出したのだ。
そしてゴブリンの幼生達にトドメを刺させる事で戦力の拡大にも繋がり、食糧難も解決し、骨や素材を余すこと無く武具に変える事で一石何鳥やねん状態を確立したわけだ。
長くなったが。
「主君!!!ゴブリン達のおかげで整地がかなり進みもうした!!」
がっぽり建設よろしくの黄色いヘルメットを被り、模範的にきっちりと顎紐を締めた作業着姿の幼女が設計図を持ちながら嬉しそうに話しかけてくる。
こいつは一体何処に向かいたいのだろうか? 建築には本気を出したいと、仮想体になる事すら拒んで仕事に当たってるわけだが。
「姐さん!!石材はどうします?」
「きさまスーシェン!!班長なら朝礼の時に段取りを確認しろと言っただろ!!」
わーわーわー!やめろやめろ!
「はーいカルマストップ。キャラ崩壊するからその辺でやめようか」
俺のカルマ…いや、違う。ダメだ、言わんとする事がわからなくなってしまった。 でもダメだ。
「主君!!!このカルマ、一度たりとて信念を曲げた事はござりませぬ!!!全ては主君の為に!!」
「あぁ!もうはいはい!わかったからわかったから!!」
腰に手を当ててエヘンとされてもグッとなんてこないんだからねっ!!!
まぁ、全ての始まりは森の地力回復の為に海岸一帯に巨大な集落を作ろうと言う計画が企画されたのがきっかけなのだが。 こうして見ると、この立案は大正解だったのかもしれない。 つい先日まで殺し合いをしていた者同士が互いに力を合わせて町興しをする。 互いの一長一短を知り絆を深めると言うわけだな。 こんな平和もありだなとつくづく思わされた。 そんな事を考えながら感慨深くなっていると、背後から聞き慣れた声が響く。
「主!!ちょっといいかな?」
「ん?イーシェンか。どうした?」
いつもひょうきんなイーシェンが合戦の最中に見せるような険しい表情で話す様子に、ただならぬ何かを感じ取る事ができる。
「巡回のゴリライダーからの報告なんだけど……人間達が攻めてきたっぽい。数は10ぐらいらしいけど」
「そうか……被害は?」
「交渉に当たろうとした弓の部族がいくらかやられたらしい。水の調達に出てたリャンシェン以下の槍部隊とサンシェン以下のゴリライダー部隊に緊急編成の要請を出した所だ。」
「そうか、ならば我々もこれより最速で迎え討つ。早急に伝令を頼む。可能であらば生け捕りをしろと」
「了解した」
くそ、俺のスローライフを邪魔しやがって。 まぁ、そんな簡単にはいかないって事かな。 あぁ、やはり俺は巻き込まれ体質なのだろうか?
あぁ、聞き耳を立てていたカルマが血を滾らせてしまった。
「黒姫ぇぇ!!!!!!!」
「ふみゃあお」
「これより領内に攻め入る不届き者を斬り捨てる!!汝の疾風迅雷の脚で一番槍を我が物とせよ!!!」
「ふみゃゃゃお!!!」
「生け捕りだって言ったよねー!おーい。いっちまった。ってそのまま行ったららめぇぇぇ!!!」
『おーえすおーえす!!』
どうも、みんなに愛されて困っちゃう……。 ごほん、なんでもありません。 リブラです。
え?何をしているかって??
モチのロンで漁ですよ。 石弓の部族との激戦を制してから20日前後程でこの広大な半島は全て支配下に落ちた。 それはいい、そこまではいい。
破竹の勢いと言えば聞こえはいいが、どうやら順番を間違えたと言った方が正解だったのかもしれない。
問題視されていた熊は石弓の部族がことごとく狩り、既に東の森には数を残しておらず、狼に至っては小さな集落同士が力を合わせて撃退に成功していただなんて夢にも思わなかった。
結果、東蛮の部族と石弓の部族、それに引けを取らないゴリラ部隊と槍部隊によって濁流で飲み込むかの如くあっという間に東の森を飲み込んだ。
膨れ上がった我々ゴブリン軍団は、持ち前の繁殖力でその数を大幅に増やし、今では1200を越える大所帯となった。
だが、そこで一つ問題が発生した。お察しの通り食料問題だ。
あればあるだけ食い、己の糧とする逞しい…いや、いじましいゴブリンは支配領域の獲物をほとんど狩り尽くし、遂にはオークを食らう程になるまでの餓鬼っぷりを見せ始める。 実にこのまま行けば折角手に入れた領地を死の森へ変えてしまうであろう所までに発展したのだ。
そこで目をつけたのが眼前に広がる広大な海での漁だ。
器用な石弓の部族が好んで使用する大禍蜘蛛の糸を手に入れる為に石弓の部族の集落から更に北へ軍を進め、人ほどの大きさを見せる巨大蜘蛛を狩りまわした。
大禍蜘蛛の死骸の腹を踏みつけると頑丈で太い糸が手に入る為、それらを利用し巨大な網を石弓の部族と女衆の手を借りて作成する事に成功する。
オークの死体を海へ投げ入れると、何処からともなく湧き出てくるレッドシャークを根こそぎ網に絡めて引きずり上げる。 ここらの海域は獰猛なレッドシャークの支配領域のようで、食物連鎖の上位に位置しているのも幸いか大漁に継ぐ大漁が続いている。
初めは少なからずの被害が出ていた為、まさに命がけの漁であったが、カルマが漁の為にとトンテンカンと作り上げた残橋が脅威の成果を編み出したのだ。
そしてゴブリンの幼生達にトドメを刺させる事で戦力の拡大にも繋がり、食糧難も解決し、骨や素材を余すこと無く武具に変える事で一石何鳥やねん状態を確立したわけだ。
長くなったが。
「主君!!!ゴブリン達のおかげで整地がかなり進みもうした!!」
がっぽり建設よろしくの黄色いヘルメットを被り、模範的にきっちりと顎紐を締めた作業着姿の幼女が設計図を持ちながら嬉しそうに話しかけてくる。
こいつは一体何処に向かいたいのだろうか? 建築には本気を出したいと、仮想体になる事すら拒んで仕事に当たってるわけだが。
「姐さん!!石材はどうします?」
「きさまスーシェン!!班長なら朝礼の時に段取りを確認しろと言っただろ!!」
わーわーわー!やめろやめろ!
「はーいカルマストップ。キャラ崩壊するからその辺でやめようか」
俺のカルマ…いや、違う。ダメだ、言わんとする事がわからなくなってしまった。 でもダメだ。
「主君!!!このカルマ、一度たりとて信念を曲げた事はござりませぬ!!!全ては主君の為に!!」
「あぁ!もうはいはい!わかったからわかったから!!」
腰に手を当ててエヘンとされてもグッとなんてこないんだからねっ!!!
まぁ、全ての始まりは森の地力回復の為に海岸一帯に巨大な集落を作ろうと言う計画が企画されたのがきっかけなのだが。 こうして見ると、この立案は大正解だったのかもしれない。 つい先日まで殺し合いをしていた者同士が互いに力を合わせて町興しをする。 互いの一長一短を知り絆を深めると言うわけだな。 こんな平和もありだなとつくづく思わされた。 そんな事を考えながら感慨深くなっていると、背後から聞き慣れた声が響く。
「主!!ちょっといいかな?」
「ん?イーシェンか。どうした?」
いつもひょうきんなイーシェンが合戦の最中に見せるような険しい表情で話す様子に、ただならぬ何かを感じ取る事ができる。
「巡回のゴリライダーからの報告なんだけど……人間達が攻めてきたっぽい。数は10ぐらいらしいけど」
「そうか……被害は?」
「交渉に当たろうとした弓の部族がいくらかやられたらしい。水の調達に出てたリャンシェン以下の槍部隊とサンシェン以下のゴリライダー部隊に緊急編成の要請を出した所だ。」
「そうか、ならば我々もこれより最速で迎え討つ。早急に伝令を頼む。可能であらば生け捕りをしろと」
「了解した」
くそ、俺のスローライフを邪魔しやがって。 まぁ、そんな簡単にはいかないって事かな。 あぁ、やはり俺は巻き込まれ体質なのだろうか?
あぁ、聞き耳を立てていたカルマが血を滾らせてしまった。
「黒姫ぇぇ!!!!!!!」
「ふみゃあお」
「これより領内に攻め入る不届き者を斬り捨てる!!汝の疾風迅雷の脚で一番槍を我が物とせよ!!!」
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