10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?
14
撤退戦。
戦の中にこれ程に壮絶、いや過酷な戦いは無いだろう。 まさしく命を賭けたと言っていい。 ゴブリンを逃がす為に最後尾にて小細工をして行く。
残り少ない魔素を振り絞り広範囲に渡る認識阻害と麻痺の付与効果を重ねがけした結界を展開し仲間の後を追う。
常にマッピングで見続けているが、やはり後方から来た個体によって結界が割られる。
「くぅぅぅ!!大苦戦!!」
マッピングで味方の位置を確認するとかなりの速度で東に向かっているのが確認できるが、このままでは拙い。 残す魔素も残りのカス……。
「柄じゃないけどうって出ようかぁぁ!!!」
踵を返し赤ゴリの群れに突っ込む。
「グオラァァァァァ」
「はいはいはい、サクサクいきまっせぇぇぇ」
短剣を自在に変化させ赤ゴリの首を跳ねて行く…が、やはり数が多い。 竜の鱗で硬いはずの身体が赤ゴリどもの爪に引き裂かれていく。短剣の動きも魔素不足で遅くなっていく。 こうなってくるとゴブリン達の為に造った槍や衣服の分の魔素が恨めしい。 しかしたらればは言ってられない。でも…………。 しかも短剣も動きが悪くなってきた。
「あれ?俺なんでこんなにやられてるわけ?」
「グオラァァァァァ!!!」
「くっそ!!起きろ九芒星!!ってこの身体じゃできねーっす!!」
20匹の首を落とした所で真上から振り下ろされた拳に視界がブラックアウトする。
……………………。
「……はぁはぁはぁはぁ」
「主君!!起きられましたか!!」
「ワオン!!」
見慣れた悪魔幼女とライの姿に思考が正常に戻っていく。
「くそっ!!負けた!!!」
「そ、そんな……主君が負けるだなんて……どんな化け物が……」
「ガルルルル」
いちいちオーバーだな。この小娘。ライも心配しなくて大丈夫だよ。
「いや、今回はスペックがあまり良く無かった。と言うよりは無茶をし過ぎた。」
マッピングで確認する限り俺を殺して満足したのか赤ゴリはまたばらけて分布している。 イーシェン達も無事に集落に戻れたようだな。
「おい悪魔っ子。ちょっと頼みがあるんだが……」
「なんなりとご命令を」
キラッと怪しく光る目に若干寒気を覚えるが素直に頼もう。
「俺の短剣と指輪を拾ってきてくれ。俺の仮想体がそのまま持ってるはずだ。すぐに地図を出すから」
「主君の仰せのままに」
言葉と同時に悪魔幼女は視界から消える。
「俺はちょっと寝るわ。」
慢心から生まれた自分の死に奥歯を噛み締める思いで眠りについた。
-----------------------
許せぬ!! 許せぬ許せぬ許せぬ!!
仮想体とは言え主君を傷つけるとは!!!
どんな化け物であろうと、どんな雑魚であろうと必ずしや殲滅してくれる!!!
「ええい!!うっとこしい!!」
さっきから湧き出てくる赤いゴリラが邪魔で邪魔でしかたがない。 もしや主君はこんな雑魚に遅れを取ったとでも? いや、それはありえない。 いくら最弱のゴブリンであったとしても主君が操っていたのであればこんなゴリラに負けるはずは無い。 あの島で金剛力士と言われる金毛の大猿を一発で倒すあの主君が負けるはずがない!!
「道を開けろ雑魚どもがぁぁ!!」
本気で拳をねじ込めば風船が割れるように破裂する雑魚が主君を傷つけたとでも言うのか??
「確かこの辺の筈であるが……」
主君に授けられた地図を見ながら進むと眼前に飛び込む風景に目の前が真っ白になった。
赤毛の雑魚どもが………。 主君の身体を………。 貪り…………。
「きさまらか」
ここで意識を飛ばしてはならぬ。 主君の命令通りに短剣と指輪の回収を済ませてからだ。 震える身体を抑え回収を済ませる。 食事に夢中のゴリラ共はこちらの殺気にも気付かぬか……。
「おい、きさまら」
「うほ?」
「簡単には死なせぬぞ!!きさまらはぁぁ!!!!!」
--------------------------
「イーシェン殿…今の爆発音は」
「あぁ、主の魔法であろうな」
「ここは我らだけでも助力に出るべきでは?」
「そうしたいが…しかし、それでは主の命に背く事になる」
確かに主の命令通りに集落まで引き返す事には成功した。 だが、ここで助力に向かい主の命令に背くのは得策ではない。
だが…………。
守って貰うばかりは懲り懲りだ!!
「行こうリャンシェン」
「待ってましたよイーシェン殿!!」
俺たちは主の助力をしようと西の森へ急いだ。 だがそこには一人の人間の少女がいた。
殺戮。
ただ一方的な殺戮と虐殺。
拳がねじ込まれ破裂し、四肢を引き千切られ赤い血飛沫を浴びた直後には赤い一条の光が森を薙ぎ倒していく。
金色の髪の少女はただ高笑いをし赤ゴリの命を刈り取っていく。
心臓を引き抜き握り潰しては背中から生える大きな手で挽き肉に変えて行く姿に戦慄を覚え腰を抜かしてしまう。
「あわわわわわ」
リャンシェンもその様子に失禁をし痙攣をはじめる。
「お主は主君の遊び相手だのう?どうじゃ一献、この愚鈍たる赤ゴリラの血で乾杯しようではないか」
この日西の森の分布が大きく書き換えられた。 繁栄を極めた赤ゴリの戦士達は文字通り西の森から絶滅した。
戦の中にこれ程に壮絶、いや過酷な戦いは無いだろう。 まさしく命を賭けたと言っていい。 ゴブリンを逃がす為に最後尾にて小細工をして行く。
残り少ない魔素を振り絞り広範囲に渡る認識阻害と麻痺の付与効果を重ねがけした結界を展開し仲間の後を追う。
常にマッピングで見続けているが、やはり後方から来た個体によって結界が割られる。
「くぅぅぅ!!大苦戦!!」
マッピングで味方の位置を確認するとかなりの速度で東に向かっているのが確認できるが、このままでは拙い。 残す魔素も残りのカス……。
「柄じゃないけどうって出ようかぁぁ!!!」
踵を返し赤ゴリの群れに突っ込む。
「グオラァァァァァ」
「はいはいはい、サクサクいきまっせぇぇぇ」
短剣を自在に変化させ赤ゴリの首を跳ねて行く…が、やはり数が多い。 竜の鱗で硬いはずの身体が赤ゴリどもの爪に引き裂かれていく。短剣の動きも魔素不足で遅くなっていく。 こうなってくるとゴブリン達の為に造った槍や衣服の分の魔素が恨めしい。 しかしたらればは言ってられない。でも…………。 しかも短剣も動きが悪くなってきた。
「あれ?俺なんでこんなにやられてるわけ?」
「グオラァァァァァ!!!」
「くっそ!!起きろ九芒星!!ってこの身体じゃできねーっす!!」
20匹の首を落とした所で真上から振り下ろされた拳に視界がブラックアウトする。
……………………。
「……はぁはぁはぁはぁ」
「主君!!起きられましたか!!」
「ワオン!!」
見慣れた悪魔幼女とライの姿に思考が正常に戻っていく。
「くそっ!!負けた!!!」
「そ、そんな……主君が負けるだなんて……どんな化け物が……」
「ガルルルル」
いちいちオーバーだな。この小娘。ライも心配しなくて大丈夫だよ。
「いや、今回はスペックがあまり良く無かった。と言うよりは無茶をし過ぎた。」
マッピングで確認する限り俺を殺して満足したのか赤ゴリはまたばらけて分布している。 イーシェン達も無事に集落に戻れたようだな。
「おい悪魔っ子。ちょっと頼みがあるんだが……」
「なんなりとご命令を」
キラッと怪しく光る目に若干寒気を覚えるが素直に頼もう。
「俺の短剣と指輪を拾ってきてくれ。俺の仮想体がそのまま持ってるはずだ。すぐに地図を出すから」
「主君の仰せのままに」
言葉と同時に悪魔幼女は視界から消える。
「俺はちょっと寝るわ。」
慢心から生まれた自分の死に奥歯を噛み締める思いで眠りについた。
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許せぬ!! 許せぬ許せぬ許せぬ!!
仮想体とは言え主君を傷つけるとは!!!
どんな化け物であろうと、どんな雑魚であろうと必ずしや殲滅してくれる!!!
「ええい!!うっとこしい!!」
さっきから湧き出てくる赤いゴリラが邪魔で邪魔でしかたがない。 もしや主君はこんな雑魚に遅れを取ったとでも? いや、それはありえない。 いくら最弱のゴブリンであったとしても主君が操っていたのであればこんなゴリラに負けるはずは無い。 あの島で金剛力士と言われる金毛の大猿を一発で倒すあの主君が負けるはずがない!!
「道を開けろ雑魚どもがぁぁ!!」
本気で拳をねじ込めば風船が割れるように破裂する雑魚が主君を傷つけたとでも言うのか??
「確かこの辺の筈であるが……」
主君に授けられた地図を見ながら進むと眼前に飛び込む風景に目の前が真っ白になった。
赤毛の雑魚どもが………。 主君の身体を………。 貪り…………。
「きさまらか」
ここで意識を飛ばしてはならぬ。 主君の命令通りに短剣と指輪の回収を済ませてからだ。 震える身体を抑え回収を済ませる。 食事に夢中のゴリラ共はこちらの殺気にも気付かぬか……。
「おい、きさまら」
「うほ?」
「簡単には死なせぬぞ!!きさまらはぁぁ!!!!!」
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「イーシェン殿…今の爆発音は」
「あぁ、主の魔法であろうな」
「ここは我らだけでも助力に出るべきでは?」
「そうしたいが…しかし、それでは主の命に背く事になる」
確かに主の命令通りに集落まで引き返す事には成功した。 だが、ここで助力に向かい主の命令に背くのは得策ではない。
だが…………。
守って貰うばかりは懲り懲りだ!!
「行こうリャンシェン」
「待ってましたよイーシェン殿!!」
俺たちは主の助力をしようと西の森へ急いだ。 だがそこには一人の人間の少女がいた。
殺戮。
ただ一方的な殺戮と虐殺。
拳がねじ込まれ破裂し、四肢を引き千切られ赤い血飛沫を浴びた直後には赤い一条の光が森を薙ぎ倒していく。
金色の髪の少女はただ高笑いをし赤ゴリの命を刈り取っていく。
心臓を引き抜き握り潰しては背中から生える大きな手で挽き肉に変えて行く姿に戦慄を覚え腰を抜かしてしまう。
「あわわわわわ」
リャンシェンもその様子に失禁をし痙攣をはじめる。
「お主は主君の遊び相手だのう?どうじゃ一献、この愚鈍たる赤ゴリラの血で乾杯しようではないか」
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