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10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?

慈桜

 父には武王を名乗れと言われ。 母には殺戮姫の名前を、いや、俺男だからね?母上。 ジェルスさんには剣神の名を。 そして鍛治・錬金では自身の作品にグリムチャリクスの銘を打つ許可を貰った。 エレミアには全属性魔法を叩き込まれた、龍王の弟子と名乗ってもいいんだそうな。 マミさんも優しく抱きしめながら精霊王がいつでも力を貸してくれるとお墨付きを。 いやぁ、いい匂い。 そしてバグジーさんには薪割り小僧の称号を頂いた。 料理めっちゃ教えてくれたのにだ。にも関わらず薪割り小僧だった。 ディアンナには性王を名乗れとか言われた事は忘れよう。 若気の至りだ。
「広い世界を見て成長してこい。」
 親父がそう言って俺に渡してくれたのは白い靴だ。
「若い時のだが、お前もでかくなったしはけるだろ?」
 受け取って早速はいてみると羽のように軽い靴だ。
「…ありがとう。軽すぎて飛べそう。」
「まぁ、ちょっと浮ける靴だからな。」
 天羽龍の羽で造られた靴らしく若干だけ浮けるらしい。 と言うか、海をこれで渡っていけとか言われたんですけど。 やっぱ脳筋寄りの人って馬鹿?
「む?今なんか失礼な事考えなかったか?」
「そんな!父上にそんな事あるはずもない!!」
「そうか、まぁ、俺たち全員のアイテムボックスもチャリクスに一まとめにしてもらったから後でフェアリーランドで仕分けしてもらえ。」
「本当にありがとう。」
 泣きそうな顔をしかめっ面でごまかす親父にちょっとほっこりした所で急に抱きしめられる。
「ずっと待ってるからね。納得したら帰ってくるんだよ」
「母上…」
 隠そうともせずに涙を流す母ちゃん。 まぁ、あんだけ過保護に俺の事ばかり考えてたんだ、仕方ないよね。
「怖くなったらこれを使いなさい。」
 そう言って渡されたのは大きな魔導石をあしらったベルトだ。
「ママの一番強い魔術式を組み込んでるから、いざと言う時は迷わず使いなさい。一回しか使えないけどね」
「あは、あははは。是非使わないように頑張ります」
 この人は俺にテロリストでもしろと言うのだろうか? もしこの人の最強魔法なんか使った日には想像もしたくない事態に陥るに決まってる。
「フォッフォ、さっきクラウドも言っておったが、これが全員分のアイテムボックスじゃ。何かの役にたてるのじゃ」
 いやいやいや、ここの人達みんなのってすごい事なんじゃないの?嬉しいけどさ、嬉しいけど。 まぁ、貰えるもんは貰っておこう。 そしてあまりそれに頼らないように頑張ろう。
「食材もバッチリだ!!もちろんお前が叩き割った薪もな!!」
 バグジーさん、ぶれないな。
「どうせまた適当に魔物狩ったりするだろうからな!!これやるよ!!」
 そう言ってバグジーさんは解体セットを差し出してくれる。
「本当にありがとうございます!!」
「なぁに!薪割りの報酬だと思えばいいさ!!」
 腕を組んでガハハと笑う姿はやはり濃ゆい。
「後はこれだな、俺とチャリクスで造った傑作だ。」
 グリムさんが持って来たのは6本の剣。 歪な形の金と銀と赤で彩られた綺麗な剣だ。
「グリムチャリクス最高傑作『パズル』だ!俺とチャリクスですら何通りの組み合わせが出来るかわかんねぇ。」
 結構邪魔だが腰に六本差しても最低限行動を妨げないように考えられた作りの腰帯と一緒に渡される。 合体武器とか心踊りすぎるんですけど。 ただ俺には慣れ親んだ短剣があるのだけれども、まぁ、ありがたく使わせてもらおう。
「じゃあ、俺からはこれを」
 ジェルスさんは抜刀すると同時に俺に斬りかかる。
 右方からの斬撃に対応すべく短剣を抜くと同時に左方からの斬撃で短剣が弾き飛ばされる。
「あれ?今右から………。」
「奥義水鏡」
 次は嵐のような斬撃が襲いくる。距離をとってかわそうとしても手詰まりだ。 斬られる覚悟で此方も斬撃を飛ばすと背後を取られて首筋に刀を突き付けられる。
「奥義火桜」
 距離を取るジェルスさん。 次は一本取ってやる。
 低い姿勢から一気に加速するジェルスさん。
 でも、いける!
「もらった!!!」
 短剣を振り下ろした場所にはジェルスさんの姿が無い。 そして真上から首筋に峰打ちをされる。
「奥義風燕」
 そして、また間合いを取り地面に斬撃を叩きつけると。俺の周りの地面から斬撃が飛び出す。
「奥義土竜」
「参りました。」
 素直な感想だ。 ジェルスさんには7歳の時で免許皆伝を貰っていた。 でもなす術もなかった。 だが次は返せるように努力しよう。
「精進するように」
「ありがとうございます!!」
 後は自慢話だが、エレミアとマミさんに頬っぺたにチューをしてもらった事だけは伝えておこう。
 そして別れの挨拶が済むと同時に空間が赤黒く染まり時空の裂け目から骸骨が怪しく目を光らせながら現れる。
「カタカタカタ強くなりなさい。もっと強く。カタカタカタ」
「はい師匠」
「私を殺してくれる日をいつまでも待っていますよ」
「頑張ります師匠」
「では、これを」
 師匠のトレードマークと言える黒を基調とした金の刺繍の入ったローブを渡される。
「いいんですか?」
「いいんですよカタカタカタ、次会えるのはいつの事かわかりません、きっとこの島にこれるぐらい強くなれる事を祈って」
「え?どう言う事ですか?」
「カタカタカタ、私を殺せる程の力を手に入れないと島に入れないようにしましたから。待っていますよ」
「え?ちょ!まって!!」
 師匠の言葉と同時に俺は海の上に立っていた。
「ちくしょう!!やられた!!」
「どうします?主君。」
「わおん!!」
 ライと悪魔幼女は普通にプカプカ浮いてる……でも…………。
「うおおおおおおおおおおおおお!!!!自由キタコレー!!!!!!!」
 俺は地獄のような日々を送った島から開放されてただ叫ぶしかできなかった。

「他力本願でひきこもってやるぜ!!!うらぁー!!!」
 ヒキニート歴27年の男がチート転生したものの、起きたら極限ヤクザな集団に拉致られ続けた10年。
 俺は綺麗事を吐きまくって耐えに耐えた。
「俺の時代到来っ☆キラッ」
 ただただ壊れるだけであった。


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コメント

  • スライム好きなスライム

    キラ☆

    0
  • ノベルバユーザー267627

    納得したら帰る?寂しくなったらじゃないの??

    0
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