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10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?

慈桜

 第49代魔王アルキナ、黒髪ポニーテールの少女だが、実年齢は不詳。 暗殺術に長けており、魔力とは別の流れを持つ影術と闇術の使い手だ。 魔王と名乗るだけあり魔法も当然使えるのだが派手過ぎて嫌いらしい。 まぁ、それはおいといて、今日は闇術、影術の免許皆伝がかかった最終試験だ。
「ん、じゃあ、闇術と影術だけでこの迷宮踏破して。」
「はい!ってえぇぇ??」
「ん、眼を使うのはダメ」
 試験は熾烈を極めた。 言わば100階層に及ぶ忍者みたいな魔物達相手に暗殺術だけで乗り越えてこいとか何たる。
 いや、まぁ、しましたけどね。 一ヶ月かけてなんとか。
「ん、もう教える事は何もない。」
「今までありがとうございましたアルキナ先生!!!!」
 無表情のアルキナ先生の瞳がキラッとしたのはきっと気のせいだろうと思い込む事にした。 この人に涙は似合わない。
「ん…また、おいで」
 俯き加減で差し出された箱の中身は巻物だった。
「これは?」
「闇術と影術の禁術と奥義。きっとリブラなら使えると思う。」
 素直に感謝すべきだろう。
「ありがたく頂戴いたします。」


 第58代魔王ネグロス、目ぶかくローブを羽織る引っ込み思案で小さい先生だ。 先生は所謂死霊使い、ネクロマンサーと呼ばれる職なのだが、俺には死霊使いの素養があまりないらしい。 いや、あるのだが悲しそうな顔をするので教えないとそっぽを向かれてしまって一頻り書物だけ与えられて別の技術を叩き込んでくれた。 それがダークプリーストの技術だ。 状態異常はモチロンの事、様々な呪術を叩き込んでくれた。 聖属性に拘らない術式が多く、魔力での回復なども出来るのが抜群の技術だ。 特に魔物との相性が良く、相棒のライの回復は、これに頼りっぱなしだ。
「じゃあ、最終試験にしよっか」
 ネグロス先生が用意した試験は死霊術も闇神官も関係の無い内容。
 …………かくれんぼだった。
 確かに魔法書や術式は全て教えてもらった。 だが、最終試験にかくれんぼはどうなのだろうか? これがアルキナ先生じゃなかったのがラッキーだったかと思ったりもしたが………間違いだった。
 300階層の迷宮でのかくれんぼなんて極悪すぎる。 しかも向こうは魔物達を自在に操れるわけだし。 子供の遊びあなどるなかれ、最後にネグロス先生を見つけるまでにも約2週間の時間を要した。
「見つけましたよ先生」
 宝箱の中で小さくなってる先生は泣いていた。
「リブラ…行かないでリブラ」
「師匠との約束の為にも僕は行かねばなりません。」
 首を小さく振り更に縮こまる先生にどうしていいかわからない。
「必ず帰ってきますから」
 コクリと頷く先生に微笑みかけ試験は終わりを迎える。
 残すはディアンナ先生のみ。

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