異世界闇金道~グレーゾーン?なにそれおいしいの?~(仮題

慈桜

第九話

  まずお馴染みの1シリーズだ。 これは創世の錬金釜以外のアイテムは相当数所持してるから放置だ。 ある意味あるかどうかすらわからない創世の錬金釜を除けばフルコンプしている状態だ。 そこで気になってくるのが2シリーズ以降の俺の知らないガチャだ。 ショップに関してはいつでも買えるから今回は放置するとして、どんなアイテムがゲットできるのか未知のシリーズは非常に気になる。
「さて、まずは消費系アイテムでさっそくいきますか、ポチッとな」
 空中に浮かび上がるウインドウをクリックすると眼前にカプセルをジャグリングするピエロが現れる。
 そしてウインクをこちらに飛ばしこちらに人差し指を向けた後に胸をトントンと叩く、その動作につられ自分の胸元を確認するとカプセルが浮いていた。 ソレを手に取った直後目の前の道化師は消えていた。
「ほう、なかなかな演出じゃないか」
 カプセルを開くと中からは従魔の団子×100が現れる。 おぉ、これは太っ腹。 従魔士の職業には必要不可欠の従魔士の団子だが、これを作るのはかなり苦労する。
 スペルダル大陸の山岳地帯にのみ生息するハイランドピクシーの血と、ハータル大陸の中心に聳えたつ真心樹の葉、クラウベル大陸の餅スライムの欠片、ダイアール大陸の菱酒ひしざけ4大陸を走り回ってやっと数個しかつくれない団子。
 一度の採取量上限が決まっている為に100個はかなり大当たりの部類だ。 たかが300円、されど300円である。 しかしこの2シリーズ時でレベル上限が500になっていたと考えると従魔士がゴミ職になっていた可能性も否めない。 従魔士の戦闘スタイルでは通常レベルカンストは難しかったし戦闘職よりも民間職よりになっていたかもしれない。 無知とはおそろしいな、たった一つのアイテムで混乱しそうだ。
 まとめて引いてみようか。
 不死鳥の羽×10 これは死亡と同時に全回復で復活するアイテムだ。
 スキルスクロール×10 職能と別に存在するスキルを覚えられるスクロール。
 創造神のメモ×10 使用より24時間獲得経験値倍増。
 星刻石×50 武器の性能1~5%UP。
 錬金粘土×10 錬金術の媒体をして優れた粘土、使用者の錬金レベルにより性能を左右。
「なんか普通だな、毎度似たようなもんだな。次は生産系いってみるか。錬金釜来 い。来ないのは分かっているが来い」
 こっちは後々役にたつからか知らないが、1回500円だ。 別に関係ないから引くけどね。
 宮廷料理長ロクザのキッチン×1 世の食材をさばく為に計算しつくされたキッチン、いかなる場所においても調理を可能とする万能さを誇る。 次回付属品確定。
 宮廷料理長ロクザの調理器具一式×1 いかなる時と場合においても料理できないなんて言わせない。 次回付属品確定。
 宮廷料理長ロクザの調味料一式×1 コレデ再現デキナイ味ナンテナイ。
「うぜぇぇぇぇぇ。ロクザうぜぇよ、似たようなの何個もあるよ…」
 タトゥーマシン・フルセット×1 彫師・付与師・芸術家のジョブレベルMAXになれば君も最高峰の職人になれる。
「キッター!!!!これは嬉しい、実装されてなかった奴じゃん!!ここで手に入るとは!!これは儲けた!!」
 ルワンの鍛冶工房×1 オリハルコンを打てるのはこの工房だけ?
「正解はどの工房でも難易度が変わるだけで打てます!と」
 マジックステッカー工房×1 魔法のシールで戦術にプラスワン。
「うおぉぉぉ!!1のアップデート待ちだった工房がガンガン出来てるな、これはメシウマ」
 後は武器防具アクセサリー系も引いてみようかって、ん?
「おお!門が開きましたよって。とりあえず続きは宿をとってからにしようか、ギルドも行きたいし、忙しいなぁもう」
 寝てないながらのナチュラルハイで跳ね橋を下ろしてくれるのを待っていたが一向に下げてくれる気配は無い。
「あのぉぉ!!町にはいりたいんですけど!!」
 守衛の兵隊さんに聞くと小さく首を横に振るだけで開けてくれそうにない。
「入国拒否ですかぁ?」
 兵隊のあんちゃんは困り眉を浮かべながら小さく頷く。 いやいやいやいや、俺ずっと待ってたのにこれはないでしょう。 つかなんか声かけてくれたっていいと思いません? 小さく頷くだけとか鬼すぎるでしょ。
「なんか事件ですかぁ?俺手伝いますよぉぉ??」
 それでもおにいちゃんは小さく首を横に振るだけだ。
 よし、決めた。
 まず、服を脱ぎます。 そして綺麗にたたみます。 そして魔導術師のローブに着替え杖を構えます。 これで準備完了です。 頭が爆発したままなのは仕方ないですね。 そのうち生え揃ってくれる事を祈ります。
『ふぅぅ、星々を映し出す黒き者よ、全てに色彩を齎す白き者よ、明滅する理から外れ、今一度真なる力の解放を我汝に求めん、闇なる陰より無と消滅を、光なる陽より再生と破壊を、双方交わる灰色の世界にて等しく滅びを与えんことを』
 極天殲滅魔法・種の根絶フェアティルゲン
「さて問題です、跳ね橋を下ろすか、領地を消し飛ばすかどちらか選びましょう」
 その言葉に流石の兵隊さん達も堪忍袋の緒がきれたようだ。
「いてもうたろかこらぁぁぁ!!!!!」「こっちの事情もしらねぇでこらぁ!!」「おい!!あのガキめんでまえ!!!」「おら!!こいよおら!!!」
「てい!!」
 直後殲滅魔法術師の十ニ位階殲滅魔法が右方に広がる山脈を消し飛ばした。
 豆腐を竹筒でフルスイングで削ったような残酷な傷跡は、見る者全てを震え上がらせた。
「はははは!!ばーか!!こんな事できる奴敵にまわすとかクソワロ!!お前ら毎日ビクビクしながら暮らせばかー!!」
 逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ。 なんなんだよ、なんなんだよあの威力。 ありえないありえない。 町に撃たなくてよかったぁ。 精々外壁飛ぶぐらいかとか思ってたけど、大量殺人者になる所だった。 なんか色々おかしな事になりすぎて突っ込み役がいないもんだから収拾つかなくなってんぞ、これ。 もっと大きい開けた町に行こう、うん、王都とかそんな感じの所の方がいいよね、うん、決めた。 俺、人ごみの中で目立たないように過ごすんだ。 こんなチートいらない。 俺アルバイトしながら平和に暮らす。 さぁ待ってろ王都!!仕切りなおしだ!!

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