だんます!!
第十三話 げらうぇい。おけ?
気持ちいい。
大海原である。
太平洋と違って日本海ってのは、どうしてこうも神々しいのだろうか。
天気がいいのに、取って付けたかのような猛々しい荒波。
その海の凶暴さが果てなく続く海に美しさを感じられずにはいられない。
『主よ、そろそろ見えますぞ。目標の船団である、ます』
「竜って敬語使ったらケツの穴モゾモゾするんだよな。楽に喋っていいぞ」
『さすが主、感謝する。心話であらば深い部分もつたわるのだが、やはり考えて話すにはむず痒いものがある』
「すげーわかる。寝っ転がりすぎた時の頭の痒さに似てるよな」
『それはわからんのだが…む、見えたぞ』
「うわぁぁ、太郎ちゃん嘘つきじゃん」
中国沖へ向かうと、見渡す限りに漁船が海に浮かんでいた。
これまでは珊瑚や蟹の密漁をし、軍人が民間になりすまし尖閣諸島を自国の領土だと主張する為に領海侵犯を犯していたクソ漁船が日の丸の国旗を掲げてこちらへ白旗を振っている。
その数凡そ300隻だ。
太郎ちゃんは俺に一部だけと言っていたが、これはなんでも多すぎるだろ。
いや、13億人程の人口を考えれば、ほんの一部なのかもしれんが。
まぁ、余興だ。
ちょっと交流を持とう。
「炎天竜、上で旋回しといてくれ。ちょっと喋ってくる」
『承知した!』
コアに座標を指定させて手前の船の上に立つと、其処には明らかに漁師では無い身なりのいい男が体を震えさせている。
てかめっちゃ乗ってるな。
沈まないのかこの船。
「おまえらさぁ……なにしてんの?」
「私達は、中国人だが親日家だ。だから助けて貰おうとおもって」
「ふーん、仕事は?」
「漁師です「ダウト」」
とりあえず頭部を握り潰しておく。
後はサメに食べてもらいましょう。
俺は嘘はつくけど、つかれるのは嫌いだ。
「ひ、ひぃー!!!わ、わたしは偽ブランドを手がけ「聞いてないから」」
なんだろう、こいつらって普通に殺せる。なんの罪悪感も感じない不思議。
後ろで震えてる小太りのおばちゃんは可哀想だからやめておこう。
船頭のおっちゃんにしようか。
「ねぇ、おっちゃん。嘘ついたらわかるから質問に答えてね?俺、おっちゃん殺したくないから」
ブンブンと顔を縦に振っている。
そら目の前で馬鹿でかい黒い手が人間握り潰したらビビるよな。
俺でもうんこ漏らすわ。
「おっちゃん日本嫌いでしょ」
「大好きでし「ダウト」」
あー、もう。コアが個体識別で信号送ってくるから嘘ってわかるのになんで嘘つくかな。
「あれ?誰か船の運転できるの?」
ひーふーみー18人、小型の漁船にこんだけ乗ってたら危ないよな。
乗ってる奴らが互いに顔を見合わせ、一人のお兄ちゃんが手を上げる。
「うん、じゃあさ。ちゃんと中国に帰りなよ。日本に来られても迷惑なんだ」
「お、お願いします!!助けてください!!日本で受け入れてくれるなら、日本を尊重して慎ましく暮らしますから!」
おばちゃんが泣き落としって中々ズルいな。
俺も遠い昔にお別れして顔も名前も忘れてしまったので会いに行く事すらできないが、日本人であった頃は母親が大好きだったのを覚えてる。
初めに異世界に落とされてから日本に帰ってきて、日本の時間はほとんど進んでいなかったのだが、その辺の情報が欠落しているのはダンジョンマスターとしての欠点の一つかもしれないな。
しかしこいつ泣きながら全部嘘ってすごいな。
どんなエグい事考えてんだろ。
「うん、でもさ、中国の人達って、日本を金を生み出す機械ぐらいに思ってるんだよね。もう国民性でさ、どうしようもならないわけよ」
「そんな事ありません!一部の者達だけです!じゃなければ私達は日本を目指したりしません」
「うん、そう言えば情が湧くともおもってるよね。実際さ、中国ってさ、変わったやり方するんだよね。他所の国に自分達だけのコミュニティを作ってあたかも先住民です的なやり方するのって独特だよね。コリアとかでも部落は作るけど、日本との共存はするわけよ。いや、あれだよ?あいつらもエグいけど、今はお前らの話だからつづけるけどさ、言うなら横浜神戸に中華街、アメリカならチャイナタウンって有名だよね。スペインなんて植民地状態じゃん?結局自我が強いから、そのコミュニティから力を付けて、他国の中でも権利を主張する考えは俺は嫌いだな。今もたかが30万円ぐらいの依頼料で嬉々として人の腕斬り落としに行くような中国人って日本にめちゃくちゃいるわけ。そんな奴らをこれ以上受け入れると思う?」
そう言うとおばはんは突然手に持っていたタオルのような物を投げつけてきた。
クソババアである。
「そ、そんなお前は日本のなんなんだ!!私達は日本の首脳と交渉したい!!お前みたいな奴とは話したくない!!」
「そう、うんうん、信号が綺麗に出てる。それがチャイナだよね。仕事でも上司の言う事は一切聞きません!お金をくれる社長の言う事しか聞きませんってのが中国人のアイデンティティーだもんね。よしわかった。じゃあみんな母なる海へ帰りましょう」
炎天竜の上に転移してギルティ判定してやろうと思ったら、小学生ぐらいの男の子が縋り付いて土下座をしてくる。
「待ってください!!僕は日本が本当に好きなんです!僕の家族は王さんの紹介で田舎から出てきて船に乗ったんですけど、僕は日本の友達と文通をしていて、日本語の勉強もしているんです!!大人の人達は日本を嫌うけど、僕は日本の人を思いやる心をもっと学びたいんです!」
「うん、じゃあ正規の手続きをして、飛行機に乗ってから来国してくれください」
嘘はついていないようだから、信じてはやるけど、だからどうしたと言う話だ。
6人喋って5人アウトってアウトだろ。
しかもセーフは子供だ。
試しに俺を睨みつけてる憎たらしいガキに問いかけてみよう。
「お前は日本が嫌いか?」
「うん、大っ嫌いだよ」
うん?何故これが嘘になるんだ?
個体識別の信号は、嘘をついていると出ている。
だが、言ってる内容はチャイナとして正解だろう。
「何故嘘をついた?」
「だって日本がどんなとこかも知らないし、日本って言葉しか知らない。けど、日本が嫌いって言わなきゃ大人が怒るから。だから嫌いなんだ」
「そうか、まぁ、それがおまえらの国だよな」
とりあえず、もう一度転移術式を組んで、炎天竜の頭上へ戻る。
『どうする?主』
「うん、じゃあギルティって事で」
『承知した!!!』
直後、炎天竜が吐き出したブレスにより、海は極光に染まり上がり、全てを灰燼に帰した。
海は煌々と燃え上がり、半円形に切り取ったように全てを焼失させたのだ。
「ざまぁぁあ!!!!!」
実にポイント換算で、301万4500Pを得た。
6029人が海に帰ったようである。
てか乗りすぎだろ。
こんなポイントあっても困るんですけど。
「コア、海王竜を待ち無しで召喚したらいくらかかる?」
『2000Pで可能です』
「じゃあ海王竜と、海竜10匹を配置してくれ。もう出向くのも面倒くさいし、対話をする必要性も感じないからな」
『了解しました。それでは実行します』
直後に極大の魔法陣が現れ、深い蒼の鱗を持つ巨大な竜が現れる。
『これはこれは主殿、えらく美しい海だなここは』
ギロリと鱗同様の蒼い瞳で此方をみつめる海王竜は、海を見渡すと嬉々として大口を開き笑顔を浮かべる。
いや、そう見えるだけなんだが。
「あちらの大陸から訪れる船は全て沈めてくれ。お前の仕事はそれだけだ」
『ふむ、仰せのままに。我の力を持ってすれば船を沈めるだけなど容易にすぎるが良いのか?主の為ならば、良ければ大陸ごと食い散らしてくれるが?』
「いや、いい。船を沈めるだけしてくれるなら、後はのんびりしといてくれ。もし力が必要なら声をかける」
『あいわかった。任されよ』
これで太郎ちゃんも悩みの種が一つ減っただろう。
先ほどの決断を非情に思うかも知れんが、今世界各国での外国人犯罪者の数はどの国でも中国・韓国が50%を超える。
ヨーロッパでチャイニーズマフィアが一斉検挙された件では実に30億ユーロもの資金が押収された。
その資金の稼ぎ方はとても褒められたモノではないのは容易に想像できるだろう。
それは日本での知られていない事件の数々を見れば明らかだ。
日本人は自分とは関係の無い事だと考えているかもしれないが、中国からの密入国者は日本だけでも数十万人をこえている。
そしてその数十万人の密入国者の援助として、銀行や学校や病院などが日本人の知らぬ間に乱立し、日本国内で中国密入国者用のインフラが整備されてしまっているのが現状だ。
殺人、強盗、麻薬、売春と、上げ出せばキリがない程に、中国人密入国者に日本人は被害を受け続けている。
中国の田舎に行けば、日本人の行方不明の若い女の子が手足を斬り落とされて、歯を全て抜かれて性処理の道具として二束三文で売られているのが当たり前にすらなっている。
そんなの嘘だ?
テレビでやってない?
それはみんなが知らないだけだ。
俺はコアを通じて情報を集めている。
今も尚、日本人は食い物にされ続けているんだ。
イスラムの方で日本人が斬首されて大騒ぎ?
それは奴さんがメディアに精通しているから世界に報じられているだけで、中国の方がエグい事やってるのが真実だ。
そんな国の奴等が6000人もの数で大挙として押し寄せる密入国を俺が許すはずがない。
国が致し方無しと受け入れても、俺が喜んで掃除をしようじゃないか。
「んじゃま帰るか」
『承知した!!!』
俺という核があるならば、やられっぱなしってのは大嘘になってしまうだろう。
まぁ、トップのクソ豚殺せたから結構スッキリしてるのは内緒だけどね。
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