天使が暮らす家

ノベルバユーザー222759

がんばったよ?

《ユチョン!何でこんなことするんだ?》

『だって、だってっ!』

悔しくて、唇を噛み俯く

《言葉にしないと分からないだろ?》

普段は優しい彼は怒ると怖いのだ

『うぁぁーーん!』

優しい彼を求めて、駆け出す

《ユチョン、話が終わってない。》

静かに告げた彼

引き留める様に掛けられる声も怖くて

『チャミナ、ふぇぇぇ。』

〈どうしましたか?んー?ユノに叱られたの?〉

『けほっ。ごめんなしゃ、っく。』

机の上にはビリビリに破かれたプリントが1枚

原因は、このプリントにあるのか

〈ユノ、2人にしてください。〉

《分かった。》

『チャミナ。僕ね?ユノとチャンミン、それに、ジュンス大好き。僕の家族!』

〈そうですね?大切な家族ですね。〉  

次の授業参観は、2分の1成人式

2分の1成人式の為に、写真や出生の記録について調べているユチョン

しかし、3歳を過ぎてからのことしか、施設にも記録はない

数枚しか3歳までの写真はない

『ママがいないの変なの?パパって言えない僕とジュンスは、悪い子なの?けほけほっ、ひゅっ。かわいそう、ないよ?』

純粋な質問だからこそ、ユチョンの心は深く傷付いていた 

〈そんなことないですよ?ユチョンは良い子ですよ。ゆっくり呼吸しますよ?〉

背中を擦りながら、吸入をする

ぎゅっとシャツの袖を掴んだまま、必死に深呼吸を繰り返し

溢れ出た涙を拭いてあげた

『ごめんなしゃ。作文、家族について書いたのに。僕の、笑われた。哀しくて、それでね?ホントはね、読んで…』

〈よく頑張りましたね?ユノには僕から説明します。〉

『だっこぉ。』

〈おいで、ユチョナ。話してくれてありがとう。〉 

部屋に籠もっているであろうユノを呼びに行く

〈ユノ?〉

《ごめんな、ユチョナ。怖かったよね?》

〈母親が居ないことを馬鹿にされたと。僕ら家族が変だって。僕らを傷付けるのが怖かったみたいです。〉

《助けてって言いたかったんだよな?気付いてあげられなかったな、ごめんなぁ?》

『変じゃないよ。大好きだもんって言ったらね?悪い子、要らない子だって。』

《哀しかったね。よく我慢したね?》

『グシャグシャにした、お話最後まで出来なかったごめんなしゃ。』

《大きな声出してごめんなぁ。怖くて話せなかったよな?でも、ちゃんと話してくれたこと嬉しかったよ、ありがとう。》

『怒ってない?』

《怒ってないよ。》

『ん、うぁぁーー!』 

ぎゅっと抱きついてきた身体を抱きしめた

沢山傷ついてきたのに、これ以上傷付くのか 

《ユチョナ?俺から担任のミノ先生に相談してもいいかな?》

『意地悪されたら、ユノ助けてくれる?』

《約束な?》

『ん。』


〚ユチョン君、気付いてあげられなかったな。ごめんね?〛

『せんせ、僕ね?お胸がギューってなる。保健室に居る。』

度々保健室で休憩しながら、何とか作文を書き上げたけど

読み上げることができなくて

〚よく頑張ったね、ユチョン君。少し休もうね?ユノさん、呼んでくるからね?〛

『ん。』

《ユチョナ?》

『うぁぁーー!ぼくね?読めなかった、怖くなっちゃった。教室行きたくないっ!』

《少しお休みしてもいいんだよ?沢山頑張ったな?》

『チャンミンのとこ。』

《ん、ジェジュンさんにお迎えに来て貰おうね?》

『ん。』

ユノから連絡を貰っていたが

病院に着いた頃には、少し苦しそうで

「咳き込み始めたのは、数分前でさ。吸入器持たせようとすると、ポロポロ涙を零すから。」

〈そうですか。ユチョナ、診察します。お胸の音、聴きますね?〉

喘鳴は聴こえないが、呼吸が少し早くて

〈ユチョナ、チャミもジェジュンさんも居ますよー?ゆっくり、ゆっくりね?怖くないですよ?〉

『けほけほっ、ちゃぁっ。おとまりー、いっちょ?』

二人は視線をユチョンにバレぬ様に交わした

退行し、幼くなっていることに気付いていた

それ程ストレスを感じ、小さな心を痛めていたのだ

〈お泊りしますか?〉

『ん。ねんね!』

〈分かりました。〉

入院手続きとユノに連絡をし、上司に休みを取れるように頼み込むと

ユチョンのことをよく知る理解がある彼は、承諾してくれた

〈お部屋に行きましょうか?〉

「チャンミン先生、よろしくお願いします。ジョンヒョンとお見舞いに来るからね?」

『ん。』

〈分かりました。〉

2日程入院したユチョン

その後は、少しずつ学校には行っていた(保健室登校の日もあったけど)


しかし

結局、授業参観の前日から熱を出し

〈ユチョナ?元気になったら、僕らに作文聞かせてくれますか?〉

『ん。』

《強かったな?よく頑張ったな。》

『チャミナ、ぼくね?ちょっと、お休みしてもいい?』

〈ジョンヒョンさんとお話出来ますか?〉

『ん。』

〈沢山頑張りましたね?お休みしてもいいですよ?〉

『ありがと。』



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