天使が暮らす家

ノベルバユーザー222759

新しい家、新しい暮らし

鈍い音と、ジュンスの泣き声

仲良くお絵かきをしていた筈だった

お兄ちゃんとしての自覚があるのか、唇を噛み、涙を堪えているユチョン

〈ユチョナ?我慢しなくて良いんですよ。〉

『っ、ごめんなさ。』

〈ゆっくり、ゆっくり深呼吸しましょうね?〉

『ん。』

〈ユノ、ジュンスをお願いします。少しユチョンと話をして来ます。〉

《分かった。》

《痛いところないか?》
 
【ん、ゴッツンした。】

小さな手がオデコを押さえていて

タンコブこそ出来ていないが、薄っすら赤くなっていた

《冷たいの付けようか?》

戸棚から、冷却シートを取り出し、オデコに貼る
  
【ちゅめたっ。ゆにょ、ごめんなしゃ。ゆちょ、泣いちゃった。僕、意地悪した。】

ポロポロと涙を流しながら、謝るジュンス

ユチョンの絵には、グチャグチャに塗り潰されていて

《ジュンス?一緒にお絵かきしたかったのか?》

【ん。ゆちょん、じょうじゅ。っ、ごめんなしゃ。いっちょ、え、かく。】

《ワザとじゃないんだよなぁ。》

一緒に遊びたかったのだろうけど

ユチョンが一生懸命描いた絵に、色を勝手に塗ったのだから

しかし、怒っている所を見たことがないユチョンが怒っていた

泣きながらリビングに戻って来たユチョン

ぎゅっとジュンスに抱き付いた

【ゆちょ?】

『っく、ジュンス。ごめんね?』

〈ユノ。明日は何の日か分かります?〉

《いや、うーん。まさか、な?》

〈そのマサカです。ユチョナは、ユノに、父の日のプレゼントのつもりで、似顔絵を。〉

《そっか。ユチョナ、ありがとう。》

『っく、ごめんなしゃ。ジュンス、痛い。でも、僕ね。頑張って描いたのに、哀しかった。』

《そっか。》 

ソファーに座り、ジュンスとユチョンを片足ずつにうつ伏せにする

『っく。約束、ごめんなしゃ。』

【ぼ、くも。ゆちょ、かなし。】

《ん、いい子だね。二人ともキチンと反省してるね?ジュンスは4つ、ユチョナは6つ。》

【あぃ。】

『はぃ。』

《いーち。》

(パチーンッ、パチーンッ

『ふぇっ。』  

【ふぇぇぇ。】

《にー。》

(パチン、パチン

【たぃ。】

『っく。』

《さーん。》

(バチン、バチン

【きゃぁっ。】

『ごめんなしゃ。』

《ジュンス、最後は痛いのな?》

【ん。いじわりゅ、しない。ゆちょ、ごめんなしゃ。】

《よーん》

(バチーンッ、ペシッ

【っ、ぁぁーーー!】

《チャミナ、ジュンスを抱っこしてやって。少し冷やした方が良いかな。》 
 
最後の一発で、大きな平手の痕がクッキリ赤く染まり

小さなお尻は、真っ赤に腫れている

〈分かりました。よく我慢しましたね?〉

【ちゃぁっ、ぁっこ。】

〈抱っこしてますよ?お尻冷やしましょうね。〉

保冷剤を当てながら、優しく背中を擦っていると泣き疲れて寝てしまった

《ユチョナ、あと2つな。》

『はぃ。』

《ごー。》

(ペシッ

『っ、ぃ。』

《最後は痛いのな?ろーく。》

(バチーンッ

『っ、ぁあーーー!ぃ。』

《よく我慢したな?お尻冷やそうね?》

『ジュンスと仲直りする。』

《ユチョナ?悲しい気持ちになっちゃったんだもんな?一生懸命描いてくれてたんだろ。嬉しいよ。ありがとう。》

『ん、ごめんなしゃ。』

《少しネンネしようね?》
 
ソファーにうつ伏せになって眠る二人のお尻は真っ赤に腫れている

《叔父さんも辛かったのかな。チャミナと違って、数え切れないくらい、叩かれたけど。》

〈そうですね。辛かったと思いますよ。〉 

《だな。》

あまりにも、お仕置きが厳しくて、自分のことが嫌いなのかと問いかけたこともあった

優しく抱きしめてくれて、笑ってくれるだけ

返事はなかったけど、安心したのは確かで

辛くて怖かったけど、幸せだった


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