天使が暮らす家

ノベルバユーザー222759

新しい家、新しい暮らし

ユチョンがユノの勤める東方学園の初等科に入学する年

ユチョンの身体は相変わらず弱くて

ユノの担当する支援学級で学ぶことが決まってきた

ゆっくりと普通学級の子ども達とも交流を深めることが出来れば良いけど


ジュンスもこの春から、療育園(保育園みたいなもの)に通うことになった

チャンミンも、医師としてのキャリアが10年近くなり、街のクリニックの雇われ院長となった

時間の融通が効き、ユチョンとジュンスを中心に生活ができることが、クリニックに職を移す決め手となった

二人は正式に、ユノとチャンミンの子どもになった

〈可愛いですね。よく似合ってますよ?〉

身体の成長もゆっくりなユチョンには、既製の制服では大きくて

オーダーメイドで作ったのだった

『1年生!』

嬉しそうに、鏡の前でポーズを決めるユチョン

【ぁうーー!】

ジュンスも少しずつ手話を練習している

片耳は聞こえているが、言葉がハッキリしないこともあり、コミュニケーションを取るのが難しいから

《ジュンスも格好良くなろうね?》

少しだけ何時もより良い服を着せられ  

ジュンスも、ちょっぴりお兄ちゃんになった

〈ユチョナ、苦しくなったらすぐに、先生や周りの大人に助けてって言うんですよ?〉 

『ん!行こう、チャミナ。ユノ兄さん!』

ユノは、優しくジュンスを抱き上げる

チャンミンは、ユチョンの手を引き、ゆっくりと通学路を歩いた

『先生、ありがとう。僕とジュンスの家族になってくれて。』

〈僕らの家族になってくれて嬉しいです。ありがとう、ユチョナ。愛してます。〉

小康状態を保っていたユチョンは、入学式が終わるまで、大きな問題もなく過ごすことが出来た

ニコニコ笑顔で、教科書を眺める彼

『ともだち、できるかなぁ。』

嬉しそうに歌を口ずさむ、明日からの学校生活が楽しみなのだろう

〈ユチョナ、ジュンス?格好いい服を着ているので、ジェジュンさんとジョンヒョンさんにも見せてあげましょう、ね?〉

『ん!』

ユチョンは、ランドセルを背負い、ジュンスは療育園(保育園みたいなもの)の通学カバンを持って来た

「おっ、二人ともお兄ちゃんになったね?」

『ん、格好いい?』

「格好いいですね。よく似合ってますよ?」 

【あぅ。じゅ。】

「ジュンスも可愛いなぁ?」

優しく抱き上げてくれるジェジュンの温もりと、1日頑張って疲れたので、ジュンスはすぐに夢の中に

「くはは、可愛い。」

〈ジョンヒョンさん、幾つかお聞きしたいことがあるのですが。〉

「分かりました。」

ユノにユチョンを託し、一度部屋を出る

心理室に通され   

〈彼らの母子手帳は…〉

「ありません。前の施設での環境が二人にとっては、劣悪で。」

〈そうですか。〉

「ここに来てからの予防接種の履歴や、病歴。それから、僕らが付けていた日記と面接記録です。」

二人の名前が書かれた可愛らしいボックスには、何冊にも及ぶ日記帳やアルバムが入っていた

二人は、実の親には愛されなかったけど

可哀想な子ではなかった

ここで、一杯愛情を注いで貰っていたのだから

〈お借りしても?〉

「新しい彼らの家族に、いつの日か、渡したいと思ってました。願ってました。」

〈ありがとうございます。大切に読ませて頂きますね?〉

《チャミナ、そろそろ帰ろうか?》

〈はぃ。〉

「送りますよ。グッスリ寝ちゃってるみたいですし。」

《お願いします。》



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