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褐色男子、色白女子。

もずく。

黒川くんと戸賀くん。

トガは一限目が始まるスレスレで帰って来た。その表情はかなり満たされていた。
「トガ…なんかよかったな。」
何があったかは分からないが、俺は取り敢えずそう言っておいた。
「お〜!レオンありがとな!俺これからもさくと上手くやっていけそう!」
ニヤニヤしているトガに俺は何気ない一言を放った。
「その様子じゃ練習試合も大活躍できそうだな。早乙女も見に来てくれるんだろ?」
すると、ピタリと動きを止めたトガは俺にガバリと頭を下げた。
「頼む!その練習試合、レオンも助っ人で出てくれ!!」
「…は?」
「当日人が足りてねえんだよ〜!先輩1人休みで…」
「いやだからって…」
俺たち白樺学園高校のサッカー部は部員が少ない。マネージャーもおらず、その人数はぴったり11人。交代なんてできやしないためか、サッカー部の部員達は体力がバケモンだ。だが意外なことに、体力オバケの11人で回しているうちのサッカー部は中々強い。部員が少ないため、部員同士のコンビネーションがいいのもある。だがやっぱり一人一人の技量がハンパない。とにかくうまい。インターハイに出場だってしている。たった11人で。そのうち1人が欠けるとなると、困るのはとてもよく分かる。11人以下でも試合は出来るが、圧倒的に不利になるから。でもそれよりも、必死な理由がどこかにある。そんな気がする。
「…いつだよ。」
俺は深くは聞かない。
「…来週の土曜。」
「来週かよ、もっとはやく言えばか。」
「来てくれんの!?」
「まあ。予定もないしな。」
まだ、その時じゃない。
「ありがとう…レオン…」
ホッとしたように言うトガは、どこか上の空だった。
「トガ。」
あくまでも、深く聞くタイミングがまだその時じゃないだけだ。
「ん?」
「終わったら全部教えろよ。」
聞かないなんて誰も言ってないだろ?
「ゔっ…!…おう。」
言質はとったし、この件は放置でいいだろう。
「ああそうだ、早乙女に頼んでほしいことがある。」
「さくに?」
「ああ。練習試合、小糸も連れて来いって言っといてくれ。」
「わかった!」
これで俺も、やる気が千倍くらい跳ね上がるはずだ。ほかの部の助っ人に行くより、最近は専ら小糸と寄り道ばかりしていた。その分がなくなってしまうんだ、これくらいのご褒美あっていいと思う。俺は結構貪欲だから。
「小糸にカッコいいところ見せなきゃなあ。」
「レオンってそういうとこあるよな。」
「そういうとこってなんだよ。」
「結構格好つけたがりなとこ?」
「男なんだから当たり前だろ、好きな女の子の前でカッコよくいたいのなんて。」
「…そうだな。」
トガはさっきとは違う、妙に納得したような顔をしていた。

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