褐色男子、色白女子。
黒川くんと過去。
「俺の父親が亡くなったのは俺がまだ4歳の時だ。俺は優しい、頼もしい父親が大好きだった。母親のためにわざわざ海を渡って来た父親を尊敬して、俺も将来は大事な人のためにそこまでできるやつになりたいって思ってた。でも、長くは一緒にいられないってことを俺は知ってたんだ。父親は病気だった。」
「びょう、き…。」
「ああ。癌だ。見つかった時にはもう末期だった。手遅れだってさ。それでも父親も母親も諦めなかった。…幼い俺のためでもあったんだろうな。父親は延命手術を受けた。母親は毎日仕事の後に病院に通ってた。俺も一緒だった。こんな状態でも父親は幸せだって笑ってたよ。」
「レオン…」
「それから容態が急変して、あっという間に父親は亡くなった。延命手術から二ヶ月後のことだ。母親は毎日泣いて、苦しそうにしてた。…今でも、俺を見ると悲しそうな顔をするときがある。きっとこの肌の色のせいだな。俺は父親に容姿がよく似てるらしいから。葬式の日に、父親の仕事関係の人たちがいっぱいいたよ。そん中に、小糸がいた。」
「なんで?大人しかいないんじゃ…」
「それが、小糸と俺の父親、小糸の父親を通して会ったことあったらしいんだ。それで来てた。小糸は泣いてる俺を見つけると駆け寄って来て、頭を撫でてくれたんだ。大丈夫、大丈夫って言いながら。それで、俺は恋に落ちた。父親の葬式で初恋なんて不謹慎だろ?それでも俺は小糸といると安心したし、あったかくなったんだ。」
そこまで話し終えると、俺は息をついた。
「今でもさ、たまに悲しくなるんだ。もっと長く生きてくれたらって。それでも俺には父親がくれたものが沢山宿ってるから、見ててくれよなって勝手に誇らしくもなるんだ。」
今なら笑って言えるこんな話も、昔にはしんどい時期があった。それでも俺は、その度に小糸を思い出して耐えて来たんだ。だから、ここで再会できるなんて思ってなかった。…まあ、相手は俺を覚えてなかったけど。
「トガ、俺は絶対に小糸を俺のものにする。そんで、父親の墓に行った時に報告したいんだ。俺は小糸を守ってくって。俺は強くなったから、安心しろよって。だから、あとちょっとだけ協力頼む。」
トガは俺の目をしっかりと見て笑った。
「おう、任せとけ!この俺がついてるぜ!!」
俺はなんていい友人をもったのだろうか。まあ、そんなこと口が裂けても言ってやらないけど。
「びょう、き…。」
「ああ。癌だ。見つかった時にはもう末期だった。手遅れだってさ。それでも父親も母親も諦めなかった。…幼い俺のためでもあったんだろうな。父親は延命手術を受けた。母親は毎日仕事の後に病院に通ってた。俺も一緒だった。こんな状態でも父親は幸せだって笑ってたよ。」
「レオン…」
「それから容態が急変して、あっという間に父親は亡くなった。延命手術から二ヶ月後のことだ。母親は毎日泣いて、苦しそうにしてた。…今でも、俺を見ると悲しそうな顔をするときがある。きっとこの肌の色のせいだな。俺は父親に容姿がよく似てるらしいから。葬式の日に、父親の仕事関係の人たちがいっぱいいたよ。そん中に、小糸がいた。」
「なんで?大人しかいないんじゃ…」
「それが、小糸と俺の父親、小糸の父親を通して会ったことあったらしいんだ。それで来てた。小糸は泣いてる俺を見つけると駆け寄って来て、頭を撫でてくれたんだ。大丈夫、大丈夫って言いながら。それで、俺は恋に落ちた。父親の葬式で初恋なんて不謹慎だろ?それでも俺は小糸といると安心したし、あったかくなったんだ。」
そこまで話し終えると、俺は息をついた。
「今でもさ、たまに悲しくなるんだ。もっと長く生きてくれたらって。それでも俺には父親がくれたものが沢山宿ってるから、見ててくれよなって勝手に誇らしくもなるんだ。」
今なら笑って言えるこんな話も、昔にはしんどい時期があった。それでも俺は、その度に小糸を思い出して耐えて来たんだ。だから、ここで再会できるなんて思ってなかった。…まあ、相手は俺を覚えてなかったけど。
「トガ、俺は絶対に小糸を俺のものにする。そんで、父親の墓に行った時に報告したいんだ。俺は小糸を守ってくって。俺は強くなったから、安心しろよって。だから、あとちょっとだけ協力頼む。」
トガは俺の目をしっかりと見て笑った。
「おう、任せとけ!この俺がついてるぜ!!」
俺はなんていい友人をもったのだろうか。まあ、そんなこと口が裂けても言ってやらないけど。
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