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褐色男子、色白女子。

もずく。

早乙女さんと戸賀くん。

「俺、知ってるんだ。」
昼休みのはずなのに、人気のない廊下で戸賀の声だけが響く。
「さくが環境の変化が嫌いなこと。だから、俺との関係が変わるのも怖いんだ。俺とさく、幼稚園の時に出会った。覚えてる?さくがさ、一人だった俺に声をかけてくれたんだ。その時からさくは俺の初恋の人。小学生になって、一緒に登下校もできるよになって。中学生になったらさくは俺のこと戸賀って呼ぶようになったよな。俺、実は結構寂しかったんだぜ?さくがモテるのも知ってたし、全部断ってるのも知ってた。」
「…だから、なに。」
「だからさ、やっぱり知ってるんだ。さくがちゃんと俺のこと大事に思ってくれてるって。」
「そんなこと、」
「ある。俺は断言できる。いつもは戸賀って呼ぶし、でもたまに壮士って呼んでくれる。絶対に人に見せない弱みも俺にはみせてくれる。それって結構特別なんじゃね?とか…思ってる。」
悔しい。こいつは全部知ってる。お見通しだ。
「私、好きとかよく分かんないし…。あんたとも、ずっと友達でいた方が楽だと思う。」
「さく、」
「でも!」
気が付いてしまったんだ。小糸への思いを話したあの日、戸賀はずっとそばにいてくれたんだって。戸賀は、私の隣にいてくれたんだって。
「変わらないといけない、変わる時は必ずくる。そのときに隣にいるのが…あんたなのは、悪くない、かも。」
素直じゃない私の、精一杯の愛を。
「…うん、俺と一緒に恋を知ろう。大丈夫。変わることは怖いことじゃない。ちゃんとステップもある。平気だから、怖くないよ。…だから、俺と付き合ってください。」
「…こちらこそ、よろしく。…壮士。」
名前を呼べば、壮士はいつもの笑顔でにっと笑って言った。
「やっと名前呼んでくれた。大好き、好き、愛してる…ありがとう。」
「大袈裟すぎない?」
その言葉に慌てて首をふった壮士に、私は捕まってしまったのであった。
「もう逃してなんてあげられない。だから、覚悟してくれよ?」

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