話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

褐色男子、色白女子。

もずく。

早乙女さんと戸賀くん。

「…小糸が、とられちゃうのっ…!」
溢れた本音。戸賀は優しく私の頭を撫でながら聞いている。
「いつも黒川のこと見てた。興味なさそうに、またやってるよって言いたそうにさ。でもそれは違う。本心じゃなかったの。私の目線はいつも、小糸にあったの。またとられちゃうのかな、またあいつと行くのかな、またあいつと笑うのかなって。そんなどす黒い感情がいつの間にか心を支配してたの。今日だって…本当はこんなこと言いたくないし思いたくない。でも、小糸だけは…誰にもとられたくなかったっ…!」
「さく…。そんなこと、思ってたんだな。」
心が冷たくなっていく音がした。引かれた?嫌われた?
「実は、俺もなんだ。」
「…え?」
思わぬ言葉に私はつい、涙が残る目で戸賀を見上げた。戸賀は照れくさそうに頬をかいて続けた。
「俺はさ、さくが白崎さんにとられるんじゃないかって思ってた。最近はさく、レオンともよく話してたし。…いや、もっと前からだ。なんなら幼稚園くらいから。俺の初恋はさくなんだ。初恋がずーっと続いてる。勿論今も。さくが室長とかやり始めて、女子からも男子からも人気が出て。俺は見せつけるみたいにさくって呼び続けて、一緒に登下校してさ。汚いだろ、俺。さくを俺だけのものにしたかったんだ、ずっと。さくは白崎さんのこと、純粋に大事に思っててすごく綺麗だと思う。さく、別にいいんだ。嫉妬でもなんでも白崎さんなら受け止めてくれる。曝け出していいと思うんだよ、俺。大丈夫だと思ったから白崎さんが大事なんだろ?」
にこっと笑って私の手を握りそう言った戸賀に、私は笑って頷いた。
「ふふっ、そっかあ。そうだったんだ。よかったんだ、言っても。…うん、なんかスッキリした、かも。ありがとう。」
「どーいたしまーして!」
ああ、その笑顔と真っ直ぐな眼差しに何度救われてきたことか。私の心は、もう晴れていた。
「…あ、雨止んだ。」
晴れ間の覗くあの空と同じように。

「さく、携帯鳴ってる。」
「ほんとだ…あ、小糸から。見て、虹出てるって!」
からっと晴れたから、きっともう明日からは大丈夫。な、はず。
「さく、俺からの告白もスルーしたな…。」
「告白?…あ。」
「ま、明日また言うから。」
多分、大丈夫…だよね?

「褐色男子、色白女子。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く